親族の基本構造 - 内田樹の研究室

大学院では今期は「家族論」をやっている。 今回のお題は「父親」。 発表担当のマスダさんがいろいろな論者の家族論・父親論を引用してくれたので「父親をめぐる言説史」を一覧できた。 日本人の家族論の多くがサル学の知見に依拠しており、精神科医たちまでが霊長類の「延長」として家族をとらえていることに私は一驚を喫した。 人間の家族はゴリラやチンパンジーの「家族」とは成り立ち方が違う。 レヴィ＝ストロースは家族論を語るときの必読文献だと私は思うのだけれど、家族論者のどなたもこの人類学者の知見には特段のご配慮を示されておらないようである。 よい機会であるので、レヴィ＝ストロースの「親族の基本構造」の考想を簡単にご紹介しておこう。 レヴィ＝ストロースはラドクリフ＝ブラウンの先行研究をふまえて、親族の基本単位が四項から成ると論じている。 「ラドクリフ＝ブラウンによれば、伯叔父権 (avunculat) という

[nekoluna]

ストロースは一般教養・・　だけどロールモデル云々には全く考えが及ばなかったわ　かんがえる

[nabeso]

なんでレヴィ＝ストロースを参照せずに霊長類の知見で十分かといえば、ウェスターマークの仮説と霊長類の事例で大体おおよそのことがわかるから

[repon]

前半部分は本当にわかりやすい。

[toya]

面白い「どうして男に「不当に高い価値を賦与する」のか、その理由は論理的に考えればすぐにわかる通り、男には価値がないからである」

[KoshianX]

へえ、これはちょっとおもしろい話だった。男には価値がないから交換の対象にならず、それゆえに交換を承諾する存在として男権が確立していったってことかなー。

[metrix]

“親族の基本構造”

[p_shirokuma]

同性が伯父でなければならないという点には首をかしげる(村の人間でもいいんじゃないか、とか)が、単一の親だけがロールモデルとして認められるようでは成熟が難しい、という点には同意できる。

[tsumoyun]

”タイプの違う二人のロールモデルがいないと人間は成熟できない/成熟というのは簡単に言えば「自分がその問題の解き方を習っていない問題を解く能力」を身に付けること/９９％の男には生物学的には価値がない”

[morutan]

『 一人の人が一生涯のうちに作ることのできる子供の理屈の上での数は、男性は超膨大だが女性は限界がある。だから女性は「資源」として価値がある。「財」として扱われた』　http://tinyurl.com/2r5epa

[pollyanna]

男性がつくりあげた幻想と子どもの成熟と

[tinsep19]

この二つの命題のあいだで葛藤することが成熟の必須条件なのである。

[pantingclimber]

「子どもたちは『権力と金が価値のすべて』という単一原理のうちに無矛盾的に安らいでる。このようなシンプルな原理の下では子どもたちは成熟できない。」 単純すぎる気もするが, 否定できない気もする.

[ijustiH]

「私はどうふるまってよいかわからない状況に陥っている」という事況そのものを論件として思考の対象にし、それについて記述し、それについて分析し、それについて他の人々と意見の交換をし、それについて有益な情報

[sizukanayoru]

"どうして男が「交換の主体」であり、女が「交換の対象」であるかというと、答えは簡単。男それ自体には交換物としての価値がないからである。男は再生産しない。"

[yin--yang]

<成人の条件というのは「どうふるまってよいかわからないときに、どうふるまうかを知っている」ということである。>

[topo-gigio]

ちょっと気になる

[tekehiko]

後半部は非常に面白かった。個人的な経験としては、まさに父と伯父の語る言葉に引き裂かれた経験を思い出し、笑ってしまった。

[koyayasi]

「タイプの違う二人のロールモデルがいないと人間は成熟できない。」

[rajendra]

前半：男はそもそも無価値な存在である。後半：矛盾の中で葛藤ともに成熟することで、子供は大人になる。

[kohedonian]

『今の子どもたちは「権力と金が価値のすべて」という単一原理のうちに無矛盾的に安らいでる。このようなシンプルな原理の下では子どもたちは成熟できない。』

[PoohKid]

これは面白い視点、結婚後に価値観が180度変わることを考えると納得してしまう

[esbee]

『どうして男に「不当に高い価値を賦与する」のか、その理由は（中略）、男には価値がないからである。』外部に求める「伯叔父」みたいな役割を今は創作やらネットやらが代替してんのかな

[kusugaoka]

レヴィ=ストロースの家族論

[ropebreak]

内田先生、芸風が栗本慎一郎氏に似てきましたね。いや、今回のお題が経済人類学だからということではなく、オトコの枯れ具合が。儚い男根の紡ぎ出すエネルギッシュな女性幻想へのペーソスを武器にした抵抗と憧憬。