藤本タツキは『ルックバック』を“描かずにはいられなかった”のではないか？──「受け手に湧き上がる衝動によって駆動する物語」としての『ルックバック』を考える

2021年7月19日の0時に「少年ジャンプ+」にて公開されるやいなや大反響を呼び、次々と熱のこもった批評、感想がネット上に次々アップされ、すでにひとつの「現象」と化しつつある、『チェンソーマン』の作者、藤本タツキ待望の最新作『ルックバック』。 （画像はルックバック – 藤本タツキ | 少年ジャンプ＋より） 連日のように力のこもった充実した新作が公開され、ネット上でバズることがもはや当たり前の出来事のようになりつつある、「ジャンプ+」の中でも『ルックバック』の反響は群を抜いている。本稿執筆時点で閲覧数は500万を突破しており、はてなブックマーク数は3000を超えるほどだ。 週刊少年ジャンプ誌上において始まりから第一部の完結まで絶えず異彩を放ち続けた『チェンソーマン』の作者の最新作ということでも公開前から期待を集めていた『ルックバック』は、なぜこんなにも多くの読者の心を揺さぶるのだろうか？ 公

[esbee]

自分の言いたいことが大体書かれてて悔しいが、感謝。私も書く。／創作は善だけではなく、悪も引き起こすが、それでもなお創作していくというタツキ先生の決意表明であり、青葉真司を想起させる必要性があったと思う

[kuzumimizuku]

自分は無差別殺人者の彼を「理不尽の象徴(「個」ではない存在)」として読んだけど、なるほど、彼すらも別の世界では救われてる可能性の示唆もあるのか。個人的に発表タイミングは評価のノイズになってしまったかな。

[behuckleberry02]

全面的に賛同する。「フィクションの力」を確信しているからこそ、こんなオーバークオリティな作品を作れるのだとも思う。犯人についてひとつ。藤野と京本2人で観に行った映画、客席に後の犯人もいるよね、たぶん。

[Dragoonriders]

そう、これ。この視点がなければ行けなかったのよ。蹴られることで犯人に殺人者でない未来がもたらせたかもしれない世界を描いてる。だから描き直せなんてのは暴論なんだよ。

[kozilek]

創作物は受け手の最も貴重なリソースである時間を消費する。である以上受け手に影響を与えない創作物に価値はない。影響はあるに決まっていて、それをどう自覚的に扱うかが大事。この記事でも同じ。よい記事でした。

[sononon]

そう、この題材で書くメリットが薄いの。 だから面白くしようとかの思考が入るわけないのよ。 「どうしても書きたい」て事でしか出てこないタイプの作品だから。

[early48]

藤本タツキや編集者が興行者として自覚的なタイプだと思ってるからこそ、絶対に某事件と関連付けて感想を呟かない。エンタメビジネスでは是だと重々承知してるから、彼らの目論むような読者になってなるものか。

[kako-jun]

強制された題材でないのだし、描かずにいられなかったに決まってる。出版社同士なら直接訊けばいいのに。本屋に11巻が多いのはヒットの表現で、京本の本棚のは、アンケート葉書と同じく友人の売上貢献のためだと思う

[Ta-nishi]

個人的には刺さらなかった作品だけど、こういう優れた批評が出てくると楽しんだ人はどこをどう楽しんだのかが私のような楽しめなかった人間にも明確になるのでありがたい。

[hatebu_ai]

やっぱ公開のタイミング（もしかしたらそれに添えた作品性に影響を与えないアレンジ）は編集のしごとよな。もしスポーツに関する内容だったらぜったいオリンピックの前後に公開してたっしょ。

[change_k]

マンボ好塚先生の遺作も読んでみたい。

[tama3333]

殺人者じゃない未来って解釈もあるのか。なるほどー

[gnoname]

考察で逆に自力で考える余白を逆に狭めてるって考えてないんだろうな

[fuga_maito]

作者の内面を類推することをやめたら過去の偉人に対する新しい論評なんかも味気ないものになるだろうな。国語の授業では定番だし。わからなくても、間違っていても、そこには意味があると思う。

[kh0705]

あえて書かなかったのかもしれないが，この作品の主題は京本と藤野の「魂の結びつき」とそれを背負いながら漫画を描く藤野の「カルマ」を描くことにあると思っている。理不尽な暴力でも失われない業の深さを。

[mventura]

"創作物の「受け手」になることで暴走的な行動に駆り立てられてしまう、藤野や京本とその根本の行動原理において共通している" この視点に気づいてなかった.. 創作への衝動が全体にあるから強烈な作品で、犯人像もまた

[myogab]

作者はこの執筆に、構想を含めてどれだけの期間を費やしたのだろうね∕表現者とその受け手～という表現意図と解釈とのギャップに、「子は親の背中を見て育つ」的な放任教育のディスコミュニケーションへの警鐘も少し

[usi4444]

犯人も生かすというのは違うかな。作者は京アニ事件容疑者の不幸な境遇を描くのを拒否し、フィクションの型にはめた個性のない精神障害者に仕立てたのではないか。

[tsubosuke]

いい評論だった。ルックバックを読んだときの衝撃が、より解像度をあげた形で蘇った。読んだ人間を突き動かさざるを得ない作品だ。

[youchin]

他の人も書いてるけど11巻たくさんあるのは重版したやつ編集部が送ってくるからだよね、京本が１巻応援でたくさん買ってるところが書きかけのアンケートと合わせて地味にクルんだよなあ…。

[north_god]

ここまである意味野暮な言及もしなければと思うSNSの時代だ

[l83DK]

良いまとめ。あと公開日については林子平の意志より、京都アニメーションの作品のファン(公言されてる)であった藤本タツキが、あの凄惨な事件から受けたショックを自分なりに昇華するためにこの日に向けて描いたと思

[aoven]

漫画を読んだ時はイミフだったが、とても腑に落ちる解説。更にマーケティングも上手いのね

[GOLD-BALL]

赤坂アカと横槍メンゴは藤本タツキではない。漫画のキャラは作者そのものではない（編集者の干渉の程度などは現時点で不明だし）。勝手に作者の内面を類推する牽強付会は、勝手にパクリ認定する襲撃者の認知と紙一重

[Cru]

すごい解像度の高い書評

[YN0001]

自分も描かずにはおれなかったんだろうと思った。事件の時に本気であの場所にいって蹴って止めたかったんだろうなと思った。初期PNから察するに京アニの創作に沢山のものを貰ったのだろうから…

[securecat]

読んで初見で思ってた感覚と非常に近いし、それをあますところなく完全に言語化してくれててすげーーー って感じ。

[Dryad]

これぞ批評、という感じ。伊藤計劃が『「批評」は、その映画から思いもよらなかったヴィジョンをひねり出す…面白い読み物だ』と書いていたのを思い出す。 http://web.archive.org/web/20060104035828/www33.ocn.ne.jp/~projectitoh/cinematrix/

[j1nsuke]

こんなに解像度が高いのは凄い

[akanama]

“何らかの創作物の送り手と、それを受け止める受け手の関係性についての物語” … どんなときも描かずにはいられない衝動を、作者自身が身体を張って描ききった作品だと思ってる。

[aaaa_a4]

ルックバックはこういうアツい批評も含めて１つの作品群を形成しちゃってる感がある。つよい。

[megtan00]

力作。昔は下手なりに熱量のある文章を書けた時期があったんだがなぁ・・・

[gonzales66]

単純に人気があって本屋の在庫が多いだけだと思う。“なぜか11巻から先が続かず11巻が積み重なるという、「停滞」を示唆しているかのような”

[masdanony]

ワンスアポンアタイムインハリウッドのようにめちゃくちゃ痛ぶって殺すこともできたのにそうしないってことは確かに犯人のこともちゃんと救おうとしてるんだな。批評読むたびに良い作品だなって感動しちゃう

[yarukimedesu]

映画館に犯人がいて、同じ映画を見ていたかも？と考えると、広がります　→　https://yarukimedesu.hatenablog.com/entry/2021/07/24/093703 。ブログ記事宣伝しといたろ。

[nekotricolor]

この漫画の批評を見るたびに、自分にはもう創作物に衝撃を受ける感性がなくなってしまった気がして悲しくなる。私はチェーンソーマンを読んでいないんだけど、そういう人でもこれくらいの衝撃を受けるの？

[chikurou]

Don't Look Back in Angerなんだから前を向いた、向き始めた話に決まってるわけで。分断を煽る人らとは真逆

[ywv]

言いたいことを大体書いてくれてた。

[kjin]

そらなるだろ。「問い」じゃなく創作公開する人は前提と思ってた。「失われたもの」て何？被害者の事？“このあまりに重い問いかけに対する、現状考えうる限り最も誠実な「答え」であり、藤本タツキという漫画家だか

[gcyn]

『その徹底して丁寧でありながら同時に突き放した描写の在り方』 もうこれ、抵抗でも順応でもない、生き方とか泳ぎ方とかみたいな話だなと思って『ルックバック』を読んでました。そして『興行師』、言い得て妙。