椎名林檎を論じて見えてきた現代の大衆と文化 - 集英社新書プラス

2017年に創設された「すばるクリティーク賞」。評論の新人賞が減少傾向にあるなか、文芸誌「すばる」の編集部が主催し2021年で4回目を迎える。1月6日発売の「すばる2月号」で発表された2021年の受賞作は、西村紗知さんによる「椎名林檎における母性の問題」だ。 この論考では、J-POPのフロントランナーの一人、椎名林檎の作品における表現の特異性を論じながらも、彼女の楽曲や発言から、すべてのものを無批判に受け入れる「母性原理」が全面化していることを指摘。そしてそれは、日本の大衆の主体性のなさ、成熟できなさを映し出してしまっていると鋭く論じ、発表直後から大きく話題を呼んだ。西村さんはなぜ、椎名林檎を論じたのか。音楽を中心に、表象文化全般について執筆活動を行う批評家、伏見瞬によるインタビューを通して、その意図に迫る。 椎名林檎という音楽家は、西村さんにとってどんな人ですか。 間違いなく、永遠の憧れ

[minboo]

サムネ見て「椎名林檎、また雰囲気が変わったな」と思ってしまいました。

[massarassa]

インタビュー後半、資本主義に取り残され、リベラルのお題目が通用せず、“家”が回帰してきた地方のリアルが生々しい。地方に生きる人のポップカルチャーとの距離感も素直に語られていて共感した。

[ao-no]

椎名林檎はけっこう好きだけど、岸田繁が彼女を評した「教師に気に入られて学校とうまくやってる要領のいいヤンキー」という表現がとてもしっくりくる存在でもある。うまいことやっとるよな、常に。

[notio]

後半部分の感覚は今の地方在住、地方出身の若者のリアルをより強く感じさせる話で、先日の車いす騒動のような反発のもとはここら辺からくるのだろうとも。

[movesinthefield]

“地元にはコンビニが歩いて行けるところにないし、出前もない。ウーバーイーツなんてあるわけない。 家概念を壊す方法は、そういう資本主義の世界に依存することじゃないですか。そんなものがない。”

[Wafer]

椎名林檎はファーストインプレッションが全てだった。やべーもんが来た、まだアルバムは出ないのか、とずっと待っていたのがピークだった

[dmekaricomposite]

椎名林檎のことは昔から「達者だな」としか思わない。よくも悪くも器用な職人だと思う。達者ではないけど天才なのが宇多田。江藤淳は自分の弱さをさらけ出した時にいいものを書く。『なつかしい本の話』おすすめ。

[Panthera_uncia]

こういう考察する時いつも「相手ではなくて自分が変わっただけでは？」と不安になる

[hiro7373]

自分も途中で醒めた。なんとなくお前らこういうのは好きなんだろ、っていうのが透けてる気がする “椎名林檎の歌詞は「写真を撮る者」の存在が重要で、彼女からそれが少しずつ消えていった”

[plmoknijb]

椎名林檎の楽曲の変化は作り方というより、あるタイプの女性が年齢・経験と共に変わっていくやつと連動してて、あるタイプの同年代はそんな心地よさ悪さをもって共鳴してるんじゃ無いかなー記事の分析は結果的な話で

[XFKDX]

“現代の文化産業の構造内では、人々は主体的に成熟できないのではないか”

[Taqm]

「加爾基 精液 栗ノ花」より後は（日本の）時代のイコンになることに自覚的だったと思う。それが別の見方からはドメスティックにも見える。

[kuro_ayu]

“地方の家族はいま根無し草なんです。伝統的な家概念を守るといったことは考えませんが、実際問題として家庭内労働力がいなくなったら大変なことになる。結局、家というものがそこで回帰してくる。”

[Humisawa]

“今回の『すばるクリティーク』の最終選考に残った論考は、西村さん含め5本中3本が江藤淳を参照している。（…）江藤をリアルタイムで知らない20代、30代が江藤淳を取り上げている。なぜいま江藤なのか、不思議”

[Midas]

(承前)それこそ時代は『歌舞伎町の女王』から『パパ活の女王』へと円弧をえがき1周した(歌舞伎町の女王がそのごバトルを経て成り上がったのがドンファンの嫁

[style_blue]

たいへん面白く読んだ。聞き手も良かった。

[fu-wa]

血の繋がりだけではない拡張された家族の復権は東浩紀さんも言っててそれは実感として如実に感じる。それが場所というフォーマットとしての「家」だと読めばすごく肚落ちする。中上健次作品のふさの存在にも通じる。

[djsouchou]

実兄の椎名林檎評 https://twitter.com/junpeishiina/status/1268159460528160770?s=19

[bokmal]

“全くパブリックでないことを、何も気に留めてないのが日本のアイドル産業だと感じます。でも、握手券をつけるつけないみたいなものと、椎名林檎の囲い込み方は大差ないように思う”

[sumiretanpopoaoibara]

自分の中では1st以前と以後で別モードという認識。良い悪いは別として「論じられること」を前提とした自己批判的なふるまいに長けたアーティストへと一気に成長した気がした

[dalmacija]

元々賢いヤンキーのお姉さんという概念はとても保守的。喜々として既存の権力、旧来の価値観に巻き取られていく側面では夢も希望もない平成だった。イエがあるからコンビニに行けないという制度を保つのか越えるのか

[anatadehanai]

コンビニや出前のような資本主義に頼るだけではない家父長制の壊し方もいろいろ考えられてきたとは思うのだけど……まあ現実は、というところかな。

[kakushiaji3000]

わ

[pppptan]

ナース服でガラス割ってるお姉さん、当時完全に同じ感想を抱いたなと思ったら同世代で納得。私はありきたりな女とかカーネーションとか、林檎さんの母としての歌も好きだけどね

[you1983]

現在進行形の自分とは異なる楽曲をレコード会社の意向で出して大ブレイク。反動でやる気失ったが、事変の作曲しないボーカルとして音楽生命継続。そこで意欲取り戻し、母として達観し、今に至る。悪い？

[tach]

椎名林檎ってほらやっぱり糞だという話に（椎名林檎が嫌いな）自分には読めてしまうのだがそう単純な話でもないのか。これはもう読むしかないなこの評論

[iguana_mariko]

不穏な悲鳴を愛さないで、の表現力よ

[Ta-nishi]

「パブリック」を肯定的に、「ドメスティック」を批判的に論じるのはなぜなのかよく分からなかった。他者の不在を問題にしているのかな？

[electrolite]

よくわかるんだけど、ただ論考のフレームワーク自体が30年前から変わってないよなと思う。面白いんだけだと、それで？となる。タイトルは盛りすぎ。

[mythm]

椎名林檎、今も嫌いではないが、ある頃から本人のインタビューやメッセージ、歌詞などから強烈に"女である"疑いようもない自意識みたいなものを感じて、わたしはそこで恐れおののいてしまった。それを思い出した。

[tastasto]

そんな椎名林檎も今回の五輪演出の件で多分ガチギレしてると思うからその怒りがどう表現されるか次の作品にワクワクしている。五輪騒動が残した唯一の楽しみ

[skythief]

西村さんだ

[differential]

昭和の松任谷由実、平成の椎名林檎、という感じで、歌謡曲は時代につれづれ。

[pernodoom]

椎名林檎は1stシングルの幸福論でデビューした時は面白い人出てきたなと思ったけど1stアルバム出る頃には冷めた。2ndシングルの歌舞伎町の女王までは良かった。逆に東京事変の方がポップで良い曲多いイメージ。

[kamezo]

〈上の世代が観念的に「古いよね」と切り捨てていたものが、リアリティとして帰ってきている〉〈地方に住んでいた私にとって、近代は全然終わっていないもの〉

[ibip]

イエ回帰の話は甘い そんなものに頼れる人はもう少数者

[muchonov]

はてブでタイトルだけ見て飛ばしてた記事だけど友人に薦められて読んでみた。まずインタビュアーがすごい。2人の議論の射程も椎名林檎を軽々と超え、江藤淳・衰退する地方・家庭への回帰と広がっていく。

[seitenugetsu]

これ読んだ。他の候補作はキルラキル論で選考委員の連中はボロクソ言ってたが、この林檎論には寛容。批評界隈にうける椎名林檎。文學界では北村匡平が林檎論連載中。論じやすいんだろうな

[colobinana]

"リベラルな考えを持っていて、アンチ家父長制みたいな生き方を体現したところで、じゃあ家事は誰がやるんですかみたいな現実問題は誰も避けられない"