憲兵までゆるふわ化してしまった『この世界の片隅に』 - 読む・考える・書く

『この世界の片隅に』で太極旗シーン以上に問題なのが、憲兵が出てくるエピソードだ。この話は以前にも一度取り上げているので内容が一部重複するが、改めて問題点を整理してみることにする。なお、このエピソードに関しては原作マンガとアニメ版に大きな違いはない。 『この世界の片隅に』で「憲兵」はどのように描かれたか このエピソードでは、呉の軍港に浮かぶ軍艦をスケッチしていたすずを間諜（スパイ）容疑者として捕まえた憲兵が、すずを連れて北條家に怒鳴り込んでくる。[1] 家族たちは玄関先で怒鳴り散らす憲兵の説教を神妙に聞いていたのだが、憲兵がいなくなると、次のシーンでは、よりによってすずなどをスパイ扱いした憲兵をバカにして爆笑する。[2] 現実にはあり得ない憲兵描写 しかし、こんなことは当時の現実としてはあり得ない。 まず、憲兵がスパイ容疑者を捕まえたら憲兵隊詰め所に連行して尋問するはずで、容疑者の自宅に引っ

[neet_modi_ki]

当時、憲兵に恐ろしい弾圧を加えられた場面はたくさんあったことは事実として、だからといって憲兵を一人の人間として描くことは許さない、絶対的な悪として描写すること以外は許さない。という意見は同意できない

[norinorisan42]

憲兵を普通の人間に描くことで、平凡な人間が起こす凡庸な悪を意識するのだと思うけど、そういうハンナ・アーレント的な観点はこの手の人は受け入れない感じはする/絶対的な悪と正しい自分の二元論的というか

[fnm]

戦争史の中の一番悲惨な部分しか表出は許さないということも歴史修正主義では。火垂るしか知らず、火垂るでリーチ出来なかった層に、自分たちの生活の延長線上に戦争があったことを伝えた良い漫画、映画でしたよ。

[yondakakuyo]

このエピソードのモデルは長谷川町子。逮捕勾留されて勤めてた新聞社に連絡してやっと釈放されたのだとか。http://blog.livedoor.jp/std2g/archives/49566546.html

[Gragra]

世の中の人々がみんなステロタイプに生きていないというだけ。苛烈な憲兵の行状は記録に残りやすく、後世にバイアスが掛かった状態で記録、記憶される可能性もある。

[horaix]

このご仁の、俺が認めた「歴史」以外は創作であってもすべて虚妄の軍国主義者だ!!歴史修正主義だ!!っていう糾弾節、読んでて辛いわ。 よっぽどこうの史代が売れたのが気にくわないんだなとしか思えない。

[jeffwayne]

自分の信念に照らし合わせて「誤解を生む」表現は存在そのものを許せないという主張。最近のピンカー追放の話にも通じるな（https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74895）。

[gm91]

ありえない、と断言はできないのでは。

[mventura]

憲兵をゆるふわに描く自由は当然のこととして、多くの事実と乖離があるのならこの指摘もまた必要なものだと思う。どちらか表現を封じ込めるものでなければ、だけど。

[dimitrygorodok]

まぁこんなの引き合いに出されて「戦時中の生活は暗いばかりじゃなかった美しかった」て言われても江戸しぐさにしがみ付く志らくとどう違うの？という話に。嘘と分からない様、真実に混ぜる表現手法は危険。

[el-condor]

兵器の描写にはリアリティを圧倒的に追求するのに憲兵の狼藉のリアリティ追求が放棄されている、ということの意味を読み取れない人は、演出とか脚本について語ることは止めた方が色々な欠如を晒さなくてすみそう。

[cinefuk]

「シンガポールでは日本語の『kenpeitai』が今でもそのまま通用する。"拷問の方法には指の爪を剥がすことや電気ショック、繰り返される鞭打ちも含まれていた。犠牲者の泣き声や叫び声は、しばしば街頭まで聞こえた。"」

[BIFF]

適当すぎ。。

[aomeyuki]

海軍から見たら陸軍（それも憲兵）は威張り散らすだけの無能で程度が低いと描いている。その上で海軍属の関係者だからとお目溢ししたという恣意的振る舞い。憲兵（権威）の本質を庶民も見抜いた上で皮肉ってる。

[Ayrtonism]

うん？ この記事は「一般的な憲兵の実像」から（大きく）外れてることを問題にしてるんであって、「例外は許さない！」って読み取るのはちと的外れじゃないかい？

[hate_flag]

憲兵に拷問されて死んだり障碍を受けた人たちにしてみれば「こんなもんじゃねえぞ憲兵は。なにゆるふわ化してんだよ」って気持ちになるだろうなあ

[mogmognya]

戦争と地続きなものとして描かれた生活を「ゆるふわ」と断じてしまうような輩のほうが、戦時は憲兵隊で頑張っちゃいそうだがな。

[nakakzs]

ナチスもそうだが戦争というものの狂気は、当時には日常の中に潜んでいたものであったわけで、そういう日常の面の描写を否定して固定化すること自体が、その理解からの隔離を生むのではなかろうか。

[udukishin]

鎌倉武士の蛮勇とかもだけど「当時ですら珍しいから記録に残ってた。逆に普通のことが常識が故に全く記録に残ってなくてわからない」という事例がたまによくある。

[ja_bra_af_cu]

なぜ注釈や伏線なく非典型的な姿をあえて書くのか，ということね

[mangabon]

不謹慎厨・自粛厨と変わらないな。

[usi4444]

憲兵コスプレの人は資料収集等の協力者で片淵監督も強く言えないという大人の事情がある様子だとしても、のんさんがコスプレして「これが晴美ちゃんと一緒に吹き飛んだ右手です」と言って拍手喝采されるだろうか？

[todo_todo]

コロナ騒動で生き生きとして、人々に自粛を求めるような連中＝当時の憲兵と考えればよい。大義名分と、体制による支持があるとき、普段であれば威張れないような性格の人々が、最も残虐化して、体制を代弁する。

[Domino-R]

東京大空襲や原爆でそこにいた全員が死んだわけではない。たまたま運が悪かった人がいただけだし、死ななかった人だって多いよ、的な擁護がおおっぴらにされてて絶句。

[numtostring]

すずさんの夫、海軍軍法会議所の事務官なんですがちゃんと考察してます？

[georgew]

大事な視点。ゆるふわでオブラートに包んで歴史と現実から逃避することの怖さと狡さ。

[sink_kanpf]

先の大戦の検証と処理がグダグダのまま「日本スゴイ」時代に再突入してしまった戦争を知らない子供たち感^^;　憲兵や特高の拷問・殺害を現実に知ってる世代では恐怖と怒りでこういうネタは無理だろうね。

[mamezou_plus2]

事例のような"お遊び"なんかしてたら、お仕事がつとまらん。陸軍と海軍の不仲、弱者への横暴、それでも階級に逆らえない軍人根性。ステレオタイプじゃない描写。ましてや鈴さんの視点だもの

[takashi1211]

プロフィールで単芝使う様な人にろくな奴はいない

[yamaimo_san]

ゆるふわの意味を取り違えてる気がする

[iwasi8107]

民主国家の現在であっても、北海道で屋外での時の首相の選挙応援演説を野次っただけの人が、警備部門(公安二課)の警察官に力づくで排除されてる。ましてや戦中の特高ともなれば。

[s-eagle]

物語の舞台が呉で、呉は海軍の街で、憲兵は陸軍で、すずさんの嫁ぎ先が海軍関係者であるという背景をまるっと無視してないですか？

[magnitude99]

憲兵や特高の個人々の振る舞いを想像して評価するのは非現実的だ。彼らは国家主義思想と組織の中で自己保身と出世の為に命令と忖度に従い、日本人に残虐な行為でそれに応えた。それは今の世と全く同じ奴隷と家畜。

[kamm]

以前ネットで「切捨御免という制度で侍は気まぐれに町民を殺してた」みたいな発言を見かけてオエってなったけとまさに同じ感じ。新聞社に連絡して釈放されたサザエさんの作者もこの人にとっては認められないのかもね

[naokik]

この記事の参考文献や他の記事を見ると、この人はお年を召した共産党支持の伝統的な左翼なんだろうなと思う。その層の典型的な振る舞いで、今更相手にしなきゃいけないようなもんではないよ。

[kaeru-no-tsura]

コスプレは引く…

[baroclinic]

「憲兵はもっと厳しいものだったと聞いている」と書けばいいものを、許されないと弾劾するから受け入れにくくなる。「この描写は違う。許されない」を言っていたら戦争ものはほとんど何も書けなくなるのでは

[baseb]

政治に使用される作品は悲惨や。

[philia0]

残酷でリアルであればいいってもんでもない。作家性に合う表現でないといい作品にならない。教科書とは違う、ひとつの視点として、読者のほうにリテラシーを求めるべき。その意味でこういうツッコミ記事も重要

[ta423]

記事には賛否両論あるでしょうが、それはともかく当時、いろんな戦争映画がある中で甘い内容だなとは思った。