人気漫画家がインターネット公開した作品の中に偏見や差別を助長する表現があるとして、議論が広がった。作品がネット上で多くの人に読まれるようになった今、表現を巡って作者が社会と対話する姿勢がいっそう問われている。問題の作品は藤本タツキ氏が集英社のサイトで7月に公開した「ルックバック」。漫画を共同制作する少女2人の友情と葛藤を描いている。物議を醸したのは美術大学のキャンパスに通り魔が現れる、物語の
林士平(りんしへい) @SHIHEILIN 漫画編集者/SPY×FAMILY/チェンソーマン/HEART GEAR/ダンダダン/幼稚園WARS/BEAT&MOTION/ケントゥリア/おぼろとまち担当中。立上作品→青の祓魔師/この音とまれ!/ファイアパンチ/怪物事変/左ききのエレン/地獄楽/カッコカワイイ宣言!/ルックバック他。アプリ『World Maker』企画
POPなポイントを3行で 藤本タツキが『ルックバック』で描いたもの 精神疾患を巡る批判と修正は妥当だったか? 「銃の悪魔」にも共通する現実的スティグマ ああ、わたしが昔の月日に戻れたらよいのだが、 神がわたしを守ってくださったあの日々に。 そのときには、彼の灯火がわが頭上に輝き、 彼の光によってわたしは暗闇を歩んだ。 『ヨブ記』第二九章 『ファイアパンチ』『チェンソーマン』で知られる漫画家・藤本タツキ氏が、集英社『少年ジャンプ+』で公開した読み切り『ルックバック』。 公開直後から大きな反響を呼んだ143ページに及ぶ傑作は、しかし、一部の反応を受けて本編の内容に修正が加えられた。 藤本タツキ著『ルックバック』については、発表後、8月2日に内容を一部修正いたしましたが、9月3日発売のコミックスにおいて、著者の意向を受けて協議のうえ、セリフ表現を変更している部分がございます。 ご理解いただきます
7月19日、一本の読み切り漫画「ルックバック」が公開された。書いたのはアニメ化も決定し、2021年6月時点でコミックスの累計発行部数が1100万部を突破した「チェーンソーマン」の作者・藤本タツキである。 集英社が運営する漫画アプリ「少年ジャンプ+」にて公開され、公開当日には閲覧数が120万を超えた。今作は読切だが143ページの長編大作で、アーティストの村上隆や奈良美智、漫画家の浅野いにおなど、多方面からも反響の声があがっている。 すでに9月3日にコミックスとして発売されることも決定しているが、今作にはクリエイティブに人生を懸ける漫画家にしか伝えることができないメッセージがいくつも詰まった作品であった。 ■哀悼でもあり、はなむけでもある作品 今作は、学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスの人気者である小学4年生・藤野と圧倒的な画力を持つ不登校の同級生・京本が漫画を通して共に成長していく物語であ
「ルックバック」の初見時、一番強く焼きついたのがあの殺人者の人だった。 SNSで話題になって半日後くらいのタイミングだったのだが、文化的教養に欠けアンテナ感度も低いので、作品自体に対しては「何かすげえ」としかわからなかった。その後、タイトルの意味とか何ページの英文がとか盛り上がっている人たちを見ながら、「みんな頭良いんだなあ」と感心したものだ。 そんな人間には、藤野さんや京本さんはキラキラ眩しすぎてうまく像を捉えられない。社会性も持たないので「オタクだと思われてキモがられちゃうよ」の人には「うるせえモブ」としか思わない。 唯一、「何となくわからんでもない」と感じたのがあの人だった。「普通の人」をやれないことに絶望し作家を夢見た十代の自分、ただ文章を書くのが好きなだけでそれで飯を食えるような才はないと悟ってしまった二十代の自分、その延長上にあの人の苦しみを見た気がした。 「その道」にしがみつ
9/3に単行本か発売されましたが、たくさんの加筆修正とともに、下記で問題としていた部分もWeb公開時点の内容からさらに踏み込んで京都アニメーション事件の犯人を明らかに踏まえた描写となっていました。 この修正により、私にとって『ルックバック』は日本マンガ史、いや世界の芸術史に残る傑作に“戻った”と感じています。 藤本タツキ先生と集英社の決断に、敬意と感謝を伝えたいと思います。 本当にありがとうございました。 ※以下の文章は本作品についての参考情報として、削除せず残しておきます。はじめに2021/8/2、藤本タツキ先生による読み切りマンガ作品『ルックバック』について、公開中の内容に一部修正が行われました。 『ルックバック』作品内に不適切な表現があるとの指摘を読者の方からいただきました。⁰熟慮の結果、作中の描写が偏見や差別の助長につながることは避けたいと考え、一部修正しました。 少年ジャン
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