6年前、滋賀県の公立中学校で柔道部の練習中に死亡した男子生徒の母親が、部の顧問だった講師に賠償を求めた裁判で、公務員個人に職務上の過失に対する賠償責任を負わせることはできないとして訴えを退けた判決が最高裁判所で確定しました。 この裁判は、平成21年に滋賀県愛荘町の町立秦荘中学校で柔道部の練習中に死亡した村川康嗣さん(当時12)の母親が、安全上の配慮を怠ったとして部の顧問だった男性講師と町に賠償を求めたものです。 1審は元顧問の過失が死亡につながったと認めたうえで、「国家賠償法上、公務員の過失は町が賠償責任を負う」として、町にだけ3700万円余りの支払いを命じました。 母親は元顧問に対する裁判を続け、「公務員でも個人に賠償責任を負わせなければ同じような事故が繰り返される」と主張しましたが、2審は「職務中の事故である以上責任を負わせられない。賠償は加害者に対する制裁や再発防止を目的とするもので