寺田寅彦の「正当にこわがる」がなぜ誤用・悪用されたのか。 昨年から何度か文章を書きかけて放棄していた。 原文は『小爆発二件』寺田寅彦(青空文庫) http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2507_13840.html 「正しく恐れる」ではなく「正当にこわがる」が正しい。 「ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることはなかなかむつかしいことだと思われた。○○の○○○○に対するのでも△△の△△△△△に対するのでも、やはりそんな気がする。」 寺田寅彦『小爆発二件』より(伏字は不明のまま) この場合の「正当にこわがる」は、爆発している浅間山からおりてきて「なんでもない、大丈夫」と言っている学生や、平気で登っていった登山者に対して、むしろもっと危険性を知ってもらう必要性があるという文脈で書かれている。 正常性バイアス