岩手大学の宮崎雅雄教授と上野山怜子大学院生らは、ネコがマーキングする時の尿が通常の尿よりもにおいが強い理由を解明した。尿の成分は同じで、スプレー状に広く壁に吹きかけることで、においを広がりやすくしていた。研究成果は消臭方法の開発などに役立つと期待している。ネコは通常の尿以外に、尻尾を上げて壁などにスプレー状に尿を吹きかけて、縄張りを示す。生後7〜8カ月の性成熟するころから始まり、去勢していない
猫のふんの悪臭の一因となる揮発性の硫黄含有化合物の一種が、ふんをした猫の性を識別するフェロモンとして機能していることが、宮崎雅雄・岩手大准教授(生化学)らの研究で分かった。硫黄含有化合物の放出量は雄の方が雌より多く、別の猫がにおいを嗅ぎつけた際、この物質のにおいが強ければ雄由来のふんと識別できていると予想されるという。 ふんから検出されたのは、「3-メルカプト-3-メチル-1-ブタノール」(MMB)。猫に特有のアミノ酸「フェリニン」の分解物で、宮崎氏らの研究グループが2006年に猫の尿から初めて検出し、猫特有の尿のにおいの原因物質であることを突き止めた。今回、ふんのにおいの形成にも関わっていることを初めて発見した。
ネコの腎不全は、血液中のあるたんぱく質が働かないために起きることをマウス実験で突き止めたと、東京大などの研究チームが12日発表した。ネコは他の動物と比べて腎不全で死ぬ割合が突出して高いが、原因は謎だった。治療法の開発につなげたいとしている。 東大の宮崎徹教授(疾患生命科学)によると、人間やマウスでは、血液中にある「AIM」というたんぱく質が、急性腎不全で腎機能が低下すると活発化し、腎臓内の尿の通り道にたまった老廃物の除去にかかわっている。ネコのAIMを調べると、人間やマウスよりも血液中に多く存在しているが、急性腎不全の時に働いていなかった。 さらに、ネコのAIMをつくる…
飼いネコとより良いコミュニケーションを取るため、スウェーデンの研究者がネコの鳴き声の解読へ。(説明は英語です) 米ニューヨーク州で昨年行われたアンケート調査によると、ペットを飼っている人のほとんどが、人間に話しかけるようにペットに話しかけているという。また多くの飼い主は、イヌやネコが吠えたり鳴いたりして、空腹や恐れ、トイレに行きたいなどの意思を人に伝えていると考えている。 だとすると、そのとき動物たちが発する声には、ニューヨークなまりがあるのだろうか? そんな疑問を抱き、ネコとの音声コミュニケーションについての研究を立ち上げたのは、スウェーデンの愛猫家でルンド大学の音声学研究者、スザン・ショッツ氏だ。氏自身も3匹のネコを飼っている。(参考記事:「ネコは飼い主をネコと思っている?」) 実験のため、スウェーデン最南端の町ルンドと、そこから500キロ北にあるストックホルムで氏は協力者を募っている
ペットのネコもヒトと同じような仕組みでアルツハイマー病になる事例を、東京大などの研究グループが見つけ、欧州の専門誌に発表した。人工的に病気を発生させる実験用マウスとは違い、ネコの病変は自然に起きる。さらに調べることで、ヒトの病気の仕組み解明にもつながりそうだ。 ヒトのアルツハイマー病患者の脳では、アミロイドβとタウという2種類のたんぱく質の蓄積がみられる。研究グループは、ペットとして飼われていた22歳までの23頭のネコの脳を死亡後に解剖した。8歳ごろから脳にアミロイドβがたまり、14歳ごろからタウがたまることがわかった。異常なタウの蓄積がみられたネコの脳では、神経細胞が減っていた。 アミロイドβとタウの蓄積で神経が傷つけられる過程はヒトの脳でもよくわかっておらず、「ネコの研究が病気の解明に役立つだろう」と東京大大学院農学生命科学研究科のチェンバーズ・ジェームズ助教は話す。(瀬川茂子)
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【中村通子】猫は「つれない」とよく言われる。本当にそうなのか。この答えを求めて東京大は、飼い猫の認知能力を調べた。これまでに例がない調査の結果は欧州の専門誌に掲載された。 自らも猫を飼っている東京大の斎藤慈子(あつこ)講師(比較認知科学)らは、一般家庭の飼い猫20匹を対象に、猫が(1)人間の呼び声にどう反応するか(2)飼い主と他人の声を区別しているか――を、言葉をしゃべらない赤ちゃんや動物の認知力を測定する時によく使われる科学的に確立された手法で調べた。実験は、猫が暮らす各家庭を訪問するなど、20匹を調べるのに8カ月を費やした。 その結果、音に対する一般的な猫の反応である「頭を動かす」しぐさを見せたのは7~5割、耳を動かしたのは3割だった。しかし「返事」に相当する鳴き声や尾の動きは1割程度で、飼い主でも見知らぬ他人でも差はなかった。
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昔からネコは、幸運や商売繁盛を呼び込む「福ネコ」としてかわいがられ、魔除けや疫病払いの効果があるとされてきた。一方で、「妊婦がネコを触ると流産する」とする警告もある。ほとんどは、ペットの癒し効果とか、迷信として片付けられてきた。しかし、この2~3年、欧米の研究者からネコのもつ不思議な力の源泉が、病原体の原虫にあるのでは、とする説が提唱されるようになった。 行動を変えるドーパミン仮説 まずこの仮説のさわりを紹介しよう。動物に寄生する微生物の一種にトキソプラズマという原虫がいる。人をはじめさまざまな動物に寄生するが、最終的にはネコ科の動物が宿主になる。むろん、飼いネコも宿主になり得る。 健康なネズミはネコの尿の臭いには敏感で、ネコの出没する場所は避けて行動する。天敵のネコに食べられないような回避行動を身につけたのだ。ところが、ネコのフンを食べることなどでトキソプラズマに感染したネズミは、行動が
独立系の自動車部品サプライヤーとして「良品廉価」で国内外で地位を築いてきたミクニ。2023年10月に創立100周年を迎え、100年に一度の変革期のさなかにある自動車業界で次の100... マイクリップ登録する
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