生物の大量絶滅期に起きる温暖化と寒冷化は、大規模な火山活動や小惑星衝突で地下にある堆積岩が加熱される温度と時間で決まるという仮説を、東北大学の海保邦夫名誉教授が唱えている。地球では過去に5回、生物が急激な気候変動によって大量絶滅した時期がある。恐竜が絶滅した約6600万年前は小惑星が衝突して、上空に舞い上がったちりなどが日光を遮って寒冷化したとされる。ただ、絶滅につながった気候変動の多くは詳し
大地震前兆現象の仕組み解明 上空の電子変化、予知に期待―京都大 時事通信 社会部2024年04月19日14時01分配信 京都大の時計台=京都市左京区 地震の規模(マグニチュード)が6.0以上の大地震発生前に上空で電子の数が変化する現象について、京都大の研究グループは19日までに、プレートや断層の粘土に含まれる水分が地震前の微小な震動で帯電し、上空に電気が伝わることで生じると発表した。 津波、1分で沿岸到達か 東北大が分析―能登地震 京都大大学院の梅野健教授(数理工学)は「前兆現象の仕組みを科学的に示すことができた。大地震を予知して警戒を促すシステムの実現が期待できる」と話している。研究成果は3月、国際学術誌の電子版に掲載された。 東日本大震災や熊本地震、能登半島地震などでは、地表から約300キロ上空にある電子が集まる「電離圏」で、発生約1時間前に電子の数に変化が生じる現象が観測されている。
もし何億年も前の時代にタイムトラベルしたなら、地球はまるで映画『スター・ウォーズ』に出てくる惑星ホスのような姿をしていることだろう。凍りつくように寒く、陸地と海をほぼ隙間なく覆う果てしない氷の世界を、乾いた空気が吹き抜けていくのだ。「スノーボールアース」として知られるこうした全地球規模の凍結状態は、少なくとも2回、どちらも6億年以上前に発生している。世界が巨大な氷の球に変わってしまうなど、何か
地球のまわりの磁場が乱れる「宇宙嵐」は、地球起源のプラズマによって発達する――。名古屋大などの国際研究チームが、そんな研究成果を発表した。 「太陽からきたプラズマが宇宙嵐を強める」とする通説を覆す内容だ。 太陽の表面で爆発が起きるなどして太陽風が強まると、地球のまわりの磁場が乱れて宇宙嵐(磁気嵐)が起きる。上空ではオーロラが活発になるほか人工衛星に悪影響があり、地上ではGPSや携帯電話の障害、大規模停電などの恐れがある。 こうした宇宙嵐は、太陽風で運ばれてくるプラズマ(水素イオンなど)が増えることで発達すると考えられてきた。 ただ、水素イオンが太陽から来たか、地球から出たものか見分けることができなかった。 今回、太陽風だけに含まれる…
諏訪湖の「釜穴」、メタンが原因 地下深くから湧き出る―海洋機構など 2022年06月15日16時08分 凍結した諏訪湖の湖面に現れた「釜穴」=2022年1月(海洋研究開発機構提供) 冬季の長野県の諏訪湖で湖面の氷に「釜穴」と呼ばれる大きな穴が生じるのは、湖底の地下深くから湧き出るメタンが原因であることが、海洋研究開発機構や信州大などのグループの研究で分かった。論文は15日、米化学会の学術誌に掲載された。 スマホ画面、なぜ割れる? 世界初、再現に成功―AGCなど 諏訪湖は湖面が凍り付いたときでも、直径数メートルから数十メートル程度の大穴が複数開く。湖底からのガスなどが原因と言われていたが、詳細は分かっていなかった。 研究グループは、活発に湧き出る場所のガスを採取して詳細に分析。その結果、地中深くにある炭素を起源とし、約4万年前に生成されたメタンを多く含むことが分かった。 湖底の表層でもメタン
東京湾アクアラインの海底トンネル。右側斜面に一定間隔でミュー粒子の検出器が設置されている=田中宏幸・東京大教授提供 2021年9月末~10月初めに台風16号が日本列島沖合を北上した際、気圧の変化などで生じる「気象津波」が東京湾で起きていたことが、田中宏幸・東京大教授ら研究チームの解析で分かった。物質を通り抜ける素粒子(ミュー粒子)を用いて津波を観測したのは世界初という。気象津波では今年1月、トンガ沖の火山噴火で約8000キロ離れた日本に1メートル超の津波が及んだ原因として注目されている。 田中教授は「気象津波は世界中どこでも起き得る。各国の海底トンネルに観測機器を設置すればメカニズム解明につながるだろう」としている。
トンガ海底火山の噴火で、漁船が転覆するなどの被害が出た=高知県室戸市で2022年1月16日午前10時24分、本社ヘリから撮影 南太平洋のトンガ沖で1月に起きた海底火山の噴火により、日本各地で起きた潮位の上昇。その「正体」はよくわかっていなかったが、気象庁は4月にまとめた報告書で、「ラム波」という大気中の現象が原因の一つだとした。いったいどんな現象なのか。 日本時間の1月15日、フンガ・トンガ・フンガ・ハアパイ火山が、噴煙が高さ30キロに達する大規模な噴火を起こした。その約8時間後から日本の太平洋沿岸で潮位変化が観測され、鹿児島県奄美市や岩手県久慈市で1メートルを超えた。気象庁は16日未明、太平洋沿岸の各地に津波注意報や津波警報を発表。養殖施設の損傷や漁船約30隻が転覆するなどの被害が出た。 不思議だった特徴が二つある。①最初の潮位変化が、通常の津波の到達予測よりも3~4時間早かった②それよ
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新型コロナウイルスの世界的な感染が、各国の南極地域観測に影響を及ぼしている。世界中で唯一、感染者が確認されていない南極大陸にウイルスを持ち込まないよう調査規模を縮小。日本も今月から派遣される第62次隊の人員を削減した上、観測業務も一部見合わせる。地球温暖化のシステム解明などを目指した長期計画に遅れが生じる恐れもある。(布施谷航) 国立極地研究所南極観測センター(東京都立川市)によると、南極観測をしている各国は「南極にウイルスを持ち込まない」との認識を共有。オーストラリアは隊員数を半減し、大陸内の飛行は自粛した。アメリカ隊はニュージーランドで2週間の隔離を行い、基地到着後も隊員同士の接触を制限している。日本も62次隊は科学者や技師ら80人で編成する予定だったが、今月2日、44人に削減することが決まった。 日本の観測隊は、現地での観測活動も縮小。地球温暖化に伴う融解が懸念される東南極の「トッテ
今年7月は台風が1つも発生しませんでした。7月に台風の発生数がゼロとなったのは、1951年からの統計史上初めてのことです。 今年はこれまでに台風が2つしか発生していません。ただ、7月下旬から徐々に南の海で対流活動が活発になってきていて、これまで発生数が少なかったからといって油断は出来ない状況です。 台風の発生が少なかった原因と、今年7月に日本で大雨となった原因は、相互に関連している可能性があります。 » 関連記事 7月に台風発生ゼロだと統計史上初 大雨の原因と関連か 月別の台風発生数の平年値を見ると、7月は平均で3.6個の台風が発生しています。(平年値:1981年~2010年の30年平均) 1951年の統計開始からの69年間で、11月〜6月までの各月に台風が発生しなかった年は存在しますが、7月〜10月の各月に台風が発生しなかった年はありませんでした。今年7月は統計開始史上初めて、7月に台風
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大気中から放射線が一時的に強く放出される「放射線バースト」と呼ばれる現象が、雷が発生する直前の積乱雲の中で起きていると見られることが京都大学などのグループの観測でわかり、今後、雷の発生予測につながる可能性があるとしています。 京都大学や東京大学などの研究グループは、金沢市や富山市などに放射線と電波の観測装置を設置し、放射線バーストを観測したところ、去年1月、雷の発生の直前に放射線バーストが起きるのを観測することに初めて成功しました。 観測された放射線バーストは、雷が発生する直前におよそ1分間にわたって観測され、通常の放射線量の4倍の強さがあったということです。 グループでは、積乱雲の中の強い電圧で電子が加速されるなどして、雷が発生するのに伴って放出されたと考えられるとしています。 グループによりますと、放射線の強さは人体に影響するよりもはるかに低いレベルだということで、雷の発生を精度よく予
巨大な「豆腐」が南極海に出現――。米航空宇宙局(NASA)がツイッターに公開した「真四角すぎる氷山」の画像が話題になっている。 画像に映っているのは、表面は真っ平らで、側面はノミで切り取られたように垂直な壁になっている真っ白い氷山。上空からは台形型にみえる。 極地の氷山を航空機で長期観測しているNASAが16日に撮影した。上空から撮った動画では、様々な形の氷山が海に浮かぶ中で、人工的に切り出されたような直線的な断面を持つ氷山が映っている。大きさは不明だが、最も長い辺は1キロ以上あるとみられる。 ネット上では、SF映画「2001年宇宙の旅」で登場する黒い金属柱「モノリス」のようだという声や、「豆腐じゃないのか」「宇宙人の仕業か」「古代の神殿みたい」といったコメントが相次いでいる。 NASAは、この氷山は南極半島の巨大棚氷「ラーセンC」から分離したばかりとみられるとし、「かなり興味深い。時々ま
第二次世界大戦中の空襲のエネルギーは宇宙にまで届いていた。(PHOTOGRAPHY BY US AIR FORCE, PUBLIC DOMAIN) 第二次世界大戦中、ヨーロッパ全域は空襲によって壊滅的な被害を受けた。新たな研究により、この爆発のエネルギーが驚くほど遠くにまで影響を与えていたことが明らかになった。(参考記事:「完全崩壊からほぼ忠実に蘇ったドレスデンの教会」) 9月26日付けの地球物理学の学術誌「Annales Geophysicae」に発表された論文で、第二次世界大戦中の空襲が地球の電離層に及ぼした影響が明らかにされた。電離層とは高度80kmから500km以上にも及ぶ大気の層で、太陽からの光や宇宙線を受けた原子や分子が電子を放出し、帯電(=電離)している。研究チームによると、1回の空襲のたびに落雷数百回分のエネルギーが放出された結果、電離層の最も外側のF2層の電子密度が低下し
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