5日に仕事始めを迎えた東京地裁。年始には公判がほとんど開かれないため、普段と比べると、裁判所内はひっそりとしている。 6日に開かれた刑事裁判は、1件だけだった。東京都品川区の自宅で覚醒(かくせい)剤を使ったとして、覚せい剤取締法違反の罪に問われた男性被告(37)の初公判だ。20人が座れる傍聴席は、すぐに満員になり、座れなかった人が、裁判官に退廷を命じられる場面もあった。 検察側の冒頭陳述などによると、飲食店店員だった被告は昨年7月20日、密売人から覚醒剤を買い、自宅で使用したという。 同月23日、警察官から職務質問を受け、尿の提出を求められた被告は、提出には応じたものの、覚醒剤の成分が検出されることを恐れ、そのまま逃走したという。逃走中も、1、2度覚醒剤を使用したという被告は、昨年5月にも、覚醒剤の使用で有罪判決を受けており、今回はその執行猶予中の犯行であった。罪状認否で、被告は罪を認めた