CG制作において、見た目を決定する重要な工程であるルックデヴ。本稿では、実写合成のルックデヴにおいて重要となるリファレンス撮影のテクニックについて、CGSLABの是松尚貴氏、ハヤシヒカル氏に解説してもらう。 ※本記事はCGWORLD282号(2022年2月号)の記事を一部再編集したものです 実写合成を前提としたリファレンス撮影のポイント 「Look Development」は、略してLookDev(ルックデヴ)とも呼ばれますが、CGなどの見た目を決定する工程です。しかし、ひと口にルックデヴと言っても実写、フルCGといった作品ジャンルによって解釈が変わります。実際は明確に切り分けることはできませんが、大きく分けるならばアートとしてのルックデヴと、テクニカルとしてのルックデヴに分けられます。アートとしてのルックデヴとは主に世界観や画づくりの設計のために行われるもの、テクニカルとしてのルックデヴ
映画とビジュアルエフェクト(VFX)は切っても切れない仲になっており、視聴者が想像する以上に映像中のさまざまなものがコンピューターで生成されています。VFXに慣れてしまった現代では「これもきっとCGだろう」と考えられがちですが、映画「ターミネーター2」では一見CGにしか見えない映像が実はCGではなく実写だったことが明らかになっています。 Those Bullet Effects In Terminator 2 Weren’t CGI | Hackaday https://hackaday.com/2021/11/14/those-bullet-effects-in-terminator-2-werent-cgi/ ターミネーター2の中で、ロバート・パトリック氏が演じるT-1000には銃がきかないという設定があります。そして銃で撃たれた時、液体金属でできたT-1000の体の上では金属が損傷を
先日、アイドルマスターシンデレラガールズ・スターライトステージ(デレステ)が「涼宮ハルヒの憂鬱」とコラボし、いくつかの楽曲がゲーム内で実装され、音楽ゲームとしてプレイできるようになった。 中でもアニメのエンディングテーマ「ハレ晴レユカイ」のダンスは評判で、「すごい再現度だ」とする比較動画は何度もTwitterのタイムラインに流れてきた。 デレステのハレ晴レユカイを本家と並べてみたけど凄い再現度ですね… pic.twitter.com/wdY9uEFDnb— mobiusP (@mobiusP) 2021年8月13日 確かにアニメをよく再現した、いいモーションである(ぼくは「ワープでループなこの想いは」のところのナナさんの動きが好き)。が、いざ並べてアニメのキレキレのダンスと比較すると、デレステのダンスMVはもっさりして見えるというか、どこか動きに精彩を欠くように感じられないだろうか? 過去
はじめに モデリングについてチュートリアルなどを見ていると「トポロジをきれいに整える」とか 「きれいなトポロジ」といった表現に出くわすことがあります。 この「きれいなトポロジ」というのは、どうやら経験的に獲得される感覚のようです。 モデリングのチュートリアルでも、どうなったら「きれいなトポロジ」なのか ということをきちんと説明しているものは少ないです。 この「きれいなトポロジ」が一体どのようなものなのかについて調べてみましたが、 残念ながらはっきりとした答えは手に入れることができませんでした。 「きれいなトポロジ」が何者なのかについて明確な答えは手にはいりませんでしたが、 「きれいなトポロジ」について調べる過程で手に入った知識をとりあえずメモしておきます。 モデリング用語としてのトポロジ そもそもモデリング界隈で使われる「トポロジ」という用語が特殊です。 一般的な用語としての「トポロジ」と
こんにちは、映像ディレクター/VFXアーティストの涌井嶺です。 僕は2020年の頭くらいから、オープンソースの3DCGソフト「Blender」を使い 自分の所属するバンドのMVを3DCG+実写合成を用いて制作してきました。 まずはこちらをご覧ください! [↓]:MV本編 メイキング版を見るとわかるように、このMVはオールグリーンバック合成で制作しています。一般的に、実写合成映像の多くは、 ・人物がいる部屋は本物で、窓の外がCG合成 ・屋外で撮った映像の遠景に、CG合成 ・スタジオで撮った映像に、浮遊する物体を合成といった作り方が多いです。しかしこのMVは人物以外すべて3DCG、というのが売りかなと個人的には思っています。 この方法のいいところは、同じスタジオで撮った撮影素材でも、背景を作り替えれば全く別のシーンにできるということです。人物がいろんな場所で、いろんなスケールで撮影しているよう
Blender アセット Blender アドオン プラグイン&アドオン-Plugin&Addon THE MEGA FLEET - Blender向けの最大級の自動車モデルコレク... 2024-05-02 3D CGI StudioによるBlender向けの最大級の自動車モデルコレクションアドオン『THE MEGA FLEET』がリリースされました! 続きを読む Blender アドオン プラグイン&アドオン-Plugin&Addon Step Loop Select Ver1.4 - 1列飛ばしで連続面ループ選択... 2024-05-01 KKS氏(@kksabnormal)による1列飛ばしでループ選択を可能にするBlenderアドオン『Step Loop Select Ver1.4』が無料公開されています! 続きを読む
1.はじめに 以前から人の動画から3Dモデルを推定する手法はありましたが、複雑な動きの場合は細部でゆがみやズレが生じていました。今回は、この問題点を改善したVIBEという技術をご紹介します。 *この論文は、2019.12に提出されました。 2.VIBEとは? VIBEとは、Video Inference for Body Pose and Shape Estimation の略で、ディープラーニング を使って、人の動画から3Dモデルを推定する技術です。 使用しているモデルは、SMPL (Skinned Multi-Person Linear model)と言う人間の自然なポーズにおける多種多様な体型を正確に表現するためのモデルです。 このモデルは、N=6890個の頂点を持っており、頂点の重み付き和からP=23個の関節位置を求めることが出来ます。 下記が、VIBEのアーキテクチャーです。入力
TOP 特集 シーン構築時間は20分の1に短縮! 『魔法使いプリキュア!』後期エンディングにおけるUnityの活用法 〜「あにつく2016」レポート<1>〜 2016/10/07 シーン構築時間は20分の1に短縮! 『魔法使いプリキュア!』後期エンディングにおけるUnityの活用法 〜「あにつく2016」レポート<1>〜 2016年9月25日(日)、秋葉原UDXにて「あにつく2016」が開催された。本稿では、東映アニメーション デジタル映像部による「プリキュアEDにおけるUnity導入事例」セッションの様子をふり返る。 TEXT & PHOTO_真狩祐志 / Yushi Makari EDIT_沼倉有人 / Arihito Numakura(CGWORLD) <1>アニメ制作へのリアルタイムCGの活用 「あにつく2016」は、アニメ制作者だけでなく、アニメファンまでを対象とした総合イベント
注意事項 本記事の内容を実施する場合は、すべて自己責任でお願いいたします。 また、ご紹介しているソースコードは私の管理するものではありません。 ご質問やお願い等にはお答えできない可能性があることをご承知おきください。 Blenderでモデリングを始めてから、多くのYouTubeやWebサイトを通じて、様々なノウハウを学ばせてもらっています。 ただ、いつも有用な情報を頂いてばかりなのも気が引けるので、たまには自分の知っている、需要がありそうな情報を書いてみます。 今回は、非力なPCを使っている人の大きな悩みである「レンダリングの遅さ」を解消する方法と手順を書きました。 インターネットにさえ繋がっていれば、無料かつ数分でできるので、「レンダリングが遅いなー」とか「PCへの負荷が気になるなー」なんて感じる人は、参考にしてみてもいいかもしれません。 大きく分けて、以下のたった2つの手順でできちゃい
記事タイトル『がんばれギンくん』を作った男たち 早川隆祥氏×高宮孝治氏ダブルインタビュー 前編 公開日2019年07月26日 記事番号6 ライター 山田鍵(やまだかぎ) 『がんばれギンくん』 1995年にテクモ(現 コーエーテクモゲームス)からアーケードでリリースされたこのタイトルを聞いて、果たして何人の方が首をかしげ、また何人の方がニヤリと微かな笑みを浮かべるだろうか? 本作はジャンルこそアクションミニゲーム集だが、肝心のゲーム内容以外の点にとかく注目が集まりやすい。いわく「斜めはるか上を行く世界観とCGデザイン」「あのテクモが突然放った飛び道具」など、褒めているのか判断に迷う2つの名を持つ。 このたび、実に幸運なことに『がんばれギンくん』のプロデューサー早川隆祥氏、ディレクターの高宮孝治氏にダブルインタビューをご快諾いただいた。 本作にまつわる“あの”憶測や新事実など、開発時の社内風景
はじめに 先行事例と課題 陰影と色彩 シェーディングマップによる嘘陰影 頂点シェーダアニメーション ドット絵的なモデルとアニメーション 結果 問題点とか その他テクニックとか 今後 (追記:続いた) 実践ドット絵シェーダー その2 - チラつき抑制編 - 水鳥コンビナート はじめに 自分はドット絵が好きだが、描くのはあまり好きではない。 正確に言うと、1,2 枚を描くのはよいがひとつのゲームに使用する大量のドット絵を全部自力で描くのは大変つらい。 例えばアクションゲームかなにかを作る場合を考えてみると、 キャラクターについてだけでも、必要なドット絵枚数は (登場キャラクター数) × (各キャラができるアクションの数) × (各アクションに必要な枚数) × (リテイクのコスト) で相当なものになるのがわかる。 そこでドット絵っぽいものをレンダリングできるシェーダを用いることで横着をしようとい
[Unite]Unityがプリキュアの制作現場を効率化する。「『魔法つかいプリキュア!』EDでのUnity映像表現の詳細解説」聴講レポート ライター:箭本進一 2017年5月8日,Unityの開発者が一堂に集うカンファレンスイベント「Unite 2017 Tokyo」が開幕した。本稿では,初日に行われた講演「『魔法つかいプリキュア!』EDでのUnity映像表現の詳細解説」の模様をレポートしよう。 「Unite 2017 Tokyo」公式サイト ポータルサイト「プリキュアガーデン」 東映アニメーションが制作を手がけるTVアニメ「プリキュア」シリーズは,2004年から続いている長寿作品だ。2009〜2010年に放映された「フレッシュプリキュア!」以降,エンディングでは3DCGによるキャラクターがEDテーマに合わせてダンスを披露する内容になっている。 その映像は手描きのアニメーションである本編と
〈後編はこちら〉 「楽園追放」から『正解するカド』へ セルルックCGの進化を目撃せよ テレビアニメは、前評判を超えて思わぬ話題となる作品が生まれる。2017年春アニメでは「正解するカド」がそれにあたるだろう。「異方」からやってきた2000メートル四方の巨大な物体と、それを操る知的生命体ヤハクィザシュニナ。彼と交渉を通じて共生を図る日本の官僚・政治家たち。無限のエネルギーを生み出す「ワム」を提供されたことで、海外諸国との軋轢も抱え込むことになる――。 そんな物語の行く末も興味深いが、CGと手描きが同居する映像も、これまでにない視聴体験を生み出している。この作品を手がけている東映アニメーションの野口光一プロデューサーに話を聞いた。 1965年生まれ。岐阜県出身。東映アニメーション 企画営業本部 映像企画部長代理 兼 映像企画室プロデューサー。 CGスタジオの草分けと言えるリンクスで腕を磨き19
スタンフォード大学の研究者ら、人間の髪のような変形可能な複雑な物体を今までより現実的にシミュレートする提案を論文にて公開 2017-05-14 カリフォルニア マーセッド大学、スタンフォード大学の研究者らは、織物や剛毛、人間の髪のような変形可能な物体を今までより現実的なモデルに動的シミュレートする提案を論文にて発表しました(PDF)。 論文タイトルは、「A Sti!ly Accurate Integrator for Elastodynamic Problems」。 執筆したのは、スタンフォード大学のDominik L. Michels氏と、カリフォルニア マーセッド大学のVu Thai Luan氏とMayya Tokman氏です。
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