「今年唯一、しかもSaaS業界初のグローバルIPOとなった。財務戦略として意義深いと感じている」。12月17日に開かれた上場記者会見で、佐々木氏はそう語った。今回freeeの上場では、株式募集と売り出しのうち、約7割が海外投資家に販売された。日本のベンチャー企業としては異例の水準だ。 佐々木氏が言及した「グローバルIPO」とは、「グローバルオファリング」とも呼ばれ、アメリカ証券法に基づいて英文目論見書を作成し、監査を受け、アメリカを中心とした機関投資家に販売するもの。今年はfreeeが初で、昨年はメルカリやソフトバンクが実施している。 グローバルオファリングを選んだ理由を、「とくにアメリカはSaaSビジネスで大きく先行しており、目の肥えた投資家が多いからだ。そうした株主からのガバナンスを利かせたい。このタイミングで上場に踏み切ったのは、彼らが投資できる企業サイズになってきたことが大きい」と