「川口に中国人がたくさん住んでいる団地があるから、中国人の友達を作ってこい」。デスクに命じられて、1年生記者の私はマンモス団地「川口芝園団地」へと向かった。住んでいる約5千人のうち半数が外国人で、その大半が中国人だという。果たして友達はできるのか。(宮野佳幸) ◇ 正直、気が重かった。ネットで団地名を検索すると「汚物が落ちている」などの悪評がちらほら。現場への足取りも重くなる。 団地はJR蕨駅から徒歩10分ほどの場所にある。緊張して足を踏み入れた。入り口の住民向け掲示板などには日本語、英語、中国語の掲示物があり、外国人住民の多さが分かる。 少し歩くと、「あれ、きれいじゃないか」。ネットによる先入観とは随分違う。敷地内に幼稚園やスーパー、書店もある巨大さで、遊具では子供たちのにぎやかな声が響いている。談笑する住民の姿もある。ただ、聞こえてくる言葉のほとんどは中国語だ。 ◇ いきな