KTS鹿児島テレビが制作したドキュメンタリー映画『テレビで会えない芸人』が1月14日の鹿児島での先行上映に続いて1月29日から東京のポレポレ東中野ほか全国公開された。ポレポレ東中野では予想通り初日満員御礼の盛況だ。 映画は芸人・松元ヒロさんの半生を追ったもので、ヒロさんの舞台での芸もふんだんに映されており、エンタテインメントとしても楽しめる。だからヒットして当然とも言えるが、ここで私が指摘したいのは、これをほかならぬテレビ局が製作したことの意味だ。 タイトルからもわかるように、これは松元ヒロさんの芸を公開できないテレビメディアのあり方をも問うた映画だ。ある意味ではテレビ批判とも言える作品をテレビマンがどんな思いで作り上げたのか。そこには今のテレビ界の苦悩が反映されている。テレビ界の現状について疑問を感じながらなかなか変わらない現実に悩む現場の思いが、この映画の背後から伝わってくる。 そうい