兵庫県は神戸市と共同で、1868年(慶応4年、または明治元年)に同市兵庫区に設置された初代の県庁を、当時の所在地近くに復元する検討に入った。廃藩置県より3年早く誕生し、神戸港開港ともゆかりが深い県の史料も展示する計画で、来年7月の県政150周年までに具体案をまとめる。過去にも同様の構想が持ち上がったが、用地問題などから立ち消えになっていた。 初代県庁が置かれたのは新暦で68年7月12日。兵庫城跡にあった江戸幕府直轄領の出先機関「大坂町奉行所兵庫切戸町勤番所」(兵庫勤番所)の建物が使われた。初代知事はまだ20代の伊藤俊輔(俊介とも表記)、後の初代内閣総理大臣・伊藤博文で、現在の神戸・花隈にあった住居から通勤していた。 当時の県庁所在地は75(明治8)年に完成した兵庫運河の一つ・新川運河の底に当たる。現在は運河のほとりに「兵庫城跡 最初の兵庫県庁の地」と記した石碑が立つのみだ。 同市兵庫区は県