最新のファッションやサブカルチャー、IT(情報技術)、超高層のオフィスビル群など、東京にはさまざまな顔があるが、江戸の昔から脈々と続く「職人の町」もその一つだろう。道具をつくり、素材を整え、ゆっくりした時間のなかで日々、手を動かしている職人たち。技術革新や大量生産で安価な製品が増えたり、生活様式が変わって使われなくなったりして、昔ながらの手仕事は縮小の一途だが、後継者問題に頭を悩ませながらも、職人たちは新たな道を模索している。一方で、手仕事のぬくもりにひかれて路地裏の工房を訪ね歩く若者や海外からの観光客が増えるなど、その魅力が再発見され始めてもいる。東京の伝統工芸の職人を訪ね、匠(たくみ)の技を紹介する。