朝方、空は白む直前、夜通し遊んだ帰り道だろうか、3人の若者を乗せたタウンエースが疾走し、トンネルに差し掛かる。そこで、若者は或る女に遭遇する。女は何故か靴を履いていない。 「幽霊かな?」 「いや、足あったから幽霊じゃないでしょ」 終電を逃し、歩いて帰宅している途中に、靴ずれを起こして途方に暮れている女。若者は親切にも女を車に乗せ、更には別れ際に、その足にビーチサンダルを与える。その後、女は前述の問答通りさならがら"幽霊"のように神出鬼没に現れ、3回もの偶然でもって、若者と再会する。しかし、記憶など持ち合わせていないという態度で、”ビーチサンダルの朝”をなかったかのように(文字通り)煙に巻く女。永作博美のなんて画になる煙草の吹かし。完璧なるファム・ファタール、ユリは魅力的な”赤”をまき散らし、若者を誘惑する。喫煙所にて、「Light My Fire」と言わんばかりにハート型のライターを手渡す