「本の雑誌」創刊者で弊社前社長の目黒考二(めぐろこうじ)が、2023年1月19日10時、肺がんのため永眠しました。享年76歳。みなさまには生前のご厚誼に心から感謝いたしますとともに、ここに謹んでお報せ申し上げます。 葬儀は近親者のみにて家族葬として執り行います。誠に勝手ながら、御香典、御供花、御供物の儀はご辞退申し上げますことをご了承ください。後日、お別れの会を執り行う予定です。 目黒考二は本名のほか、文芸評論家・北上次郎、競馬エッセイスト・藤代三郎の名でも幅広い執筆活動を続け、エンターテインメント書評という新しい分野を確立しました。社員一同、故人の遺志を継ぎ、「本の雑誌」をみなさまからより愛読される雑誌にしていく所存です。 なお、大変恐縮ではございますが、ご遺族および椎名誠氏へのお問い合わせや取材につきましては差し控えてくださいますよう、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます
『いかに終わるか: 山野浩一発掘小説集』 山野浩一,岡和田 晃 小鳥遊書房 2,750円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto これは好企画。1960年代に英米で巻きおこったニューウェーヴSF運動に呼応して、日本SFに独自の境地を拓いた山野浩一の短篇集で、これまで雑誌に発表されたまま埋もれていた作品や未発表作品などを集めている。ちなみに山野の短篇代表作は、『山野浩一傑作選Ⅰ 鳥はいまどこを飛ぶか』『同Ⅱ 殺人者の空』(創元SF文庫)の二冊にまとめられている。現在は電子書籍版が入手可能だ。 さて、この新しい短篇集、「発掘小説」といってもけっして落ち穂拾いではない。たとえば、巻頭に収められた二篇、「死滅世代」と「都市は滅亡せず」は、山野がめざしたSFのありかたを体現し、きわめて重要な作品である。 「死滅世代」は、全世界で動乱と犯罪が激化し、ひ
『墓標都市 (創元SF文庫)』 キャリー・パテル,K,Kanehira,細美 遙子 東京創元社 3,246円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 2014年に発表された、ポストアポカリプスSFの新作。〈大惨事〉として記憶されているできごとで旧文明が瓦解してから数百年後、人類は地下に新しいインフラと社会を築いていた。地下都市はひとつひとつが国家であり、そのあいだに細々と連絡はあるようだが、基本的にあるところで生まれた人間はその都市のなかで一生を終え、外の世界にふれることはない。原題はThe Buried Life。これに「墓標都市」という邦題をあてたのはじつに巧い(書店で手に取りたくなる)。「Buried」を辞書で引くと、「bury(葬る・埋葬する・埋める)の過去・過去分詞」のほかに、「終身刑(長期刑)に服している」「独房に監禁された」と
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