<KEY PERSON INTERVIEW> ◇経済成長以外の幸せを--非電化工房代表・藤村靖之さん(66) 発明家で非電化工房代表の藤村靖之さんは長年にわたり「電気に頼りすぎない生活」を提唱してきた。しかし、今の電力供給量不足に対応する「節電」の大合唱には、「このままでは単なる“節電ブーム”に終わってしまう」と危機感を募らせている。【聞き手・鈴木敬吾】 --東京電力福島第1原発事故をどう受け止めましたか。 ◆ ずっと健康と環境をテーマに活動してきたので、原子力発電には当初から反対でした。40年以上、反原発の活動を続けてきて、事故を食い止められなかったことに、心身ともに打ちのめされてしまい、アメリカ先住民族の長老が、征服者の白人のやり方について語ったという言葉が思い浮かびました。 「人間が最後の木を切ったとき、最後の川を汚してしまったとき、そして最後の魚を焼いてしまったとき、やっとそのこと