ブックマーク / sorae.info (8)

  • 研究史上最古、37億年前の地磁気の証拠を発見 強度は現在並

    地球は固有の強い磁場を持つ天体の1つです。陸上に棲む多くの生物にとって欠かせない存在であるこの「地磁気」は、地球誕生から徐々に強くなっていったと理解されています。ただし、その正確な時期はよくわかっていません。 マサチューセッツ工科大学のClaire I. O. Nichols氏などの研究チームは、グリーンランドから産出した極めて古い岩石を調査し、約37億年前の地球に地磁気が存在した証拠を見つけました。これは最も古い時代の地磁気の証拠です。また、その強度は現在と比べてもそれほど弱くない値であることから、地磁気の形成や、古代の生命がどのように進化し、数を増やしたのかを探る上でも重要な発見となります。 【▲ 図1: 有害な太陽風を遮断する地磁気は、生命と大気の両方にとってシールドの役割を果たします。(Credit: NASA)】 ■「地磁気」は生命と大気の両方に重要 方位磁石が北を向くことからも

    研究史上最古、37億年前の地磁気の証拠を発見 強度は現在並
  • 約7億年前の全球凍結「スターティアン氷期」はなぜ起きた? その謎に迫る研究

    地球はその歴史の中で、表面全体が氷河に覆われる「全球凍結(スノーボールアース)」が何度か起こったと推定されています。しかし、なぜ全球凍結が起きたのか、またどのように “解凍” されたのかについてのメカニズムはほとんど分かっていません。 約7億年前に起こったとされる全球凍結レベルの極端な氷河期「スターティアン氷期」の発生原因を、地質記録とシミュレーションによって調査したシドニー大学のAdriana Dutkiewicz氏などの研究チームは、火山からの二酸化炭素放出量が少なくて岩石の風化による二酸化炭素の吸収が多かったために、大気中の二酸化炭素濃度が現在の半分以下まで減少したことが原因であると推定した研究成果を発表しました。興味深いことに、この状況は遠い未来に地球で起こる状況と似ています。 【▲図1: 全球凍結した地球の想像図(Credit: Oleg Kuznetsov)】■赤道すら凍りつく

    約7億年前の全球凍結「スターティアン氷期」はなぜ起きた? その謎に迫る研究
  • 月の中心部に固体の「核」を発見 過去の大規模なマントル転倒の証拠も

    地球唯一の自然衛星である「月」の内部構造は、惑星科学における長年の謎でした。20世紀前半までは、月の内部は地球のような層ごとに分かれた構造をしているのか、それとも火星の衛星フォボスやダイモスのように均質な構造をしているのかすらも不明だったのです。この謎に大きな進展があったのは、NASA(アメリカ航空宇宙局)の「アポロ計画」によって月面に地震計が設置されてからでした。 地震波の性質(速度、屈折角、減衰の度合いなど)は、通過する物質の性質(密度、温度、固体か液体かなど)によって変化することが知られており、地球の内部構造は地震波の観測を通して推定されています。月にも「月震」と呼ばれる地震活動があることが地震計の設置により判明したため、測定された地震波のデータを元に月の内部構造を推定することができます。これにより、月には地球と同じような層状の内部構造があるらしいことが明らかにされました。 ただし、

    月の中心部に固体の「核」を発見 過去の大規模なマントル転倒の証拠も
  • 中世に起きた大規模噴火の時期を皆既月食の暗さから推定

    14世紀半ばから19世紀半ばにかけて、地球は平均気温が低い「小氷期」と呼ばれる期間にあったと推定されています。小氷期は様々な原因が推定されていますが、大規模な火山噴火がその1つであったことは間違いないと考えられています。大量の火山灰と火山ガスを放出する火山は、鉱物粒子や硫酸を大気の上層に送り込みます。これらは何年も落下することなく空中を漂い続け、太陽光を遮断・反射するため、地表の気温が下がるのです。 しかしながら、小氷期が始まるきっかけになったかもしれないと推定される、14世紀半ばよりも前の噴火記録ははっきりしません。過去の噴火を推定する時は、一般的に南極やグリーンランドの氷床に閉じ込められた火山由来の物質が調べられますが、この時代の氷床記録はあいまいなのがその理由です。 【▲ 図1: 1992年12月9日(左)と2018年1月31日(右)に発生した皆既月の写真。約1年半前の1991年6

    中世に起きた大規模噴火の時期を皆既月食の暗さから推定
  • けいおん!ゆるキャンに続け。TVアニメ「恋する小惑星」は天文ブームを巻き起こせるか

    2020年1月3日より、TVアニメ「恋する小惑星(アステロイド)」が放送開始されました。通称「恋アス」は、まんがタイムきららキャラットにて連載中の、天文や地質学を題材としたアニメ。主人公である「木ノ幡みら」は、幼い頃にキャンプで出会った男のコ「アオ」と星空を見ている際に、「ミラ」という星はあるものの「アオ」という星がないことに気付きます。そして、小惑星を発見して「アオ」を言う名前を付けるという約束をします。 それから年月が経ち、高校生となった木ノ幡みらは天文部に入部しようとしたところ、天文部は地質研究科と合併し「地学部」に・・・。作品では、小惑星の発見を夢見る主人公と、地学部に所属する女子高生の活動を描いたものとなります。 天体望遠鏡や双眼鏡などをリアルに再現する為、総合光学機器メーカーのビクセンが制作に協力しており、資料などの提供を行っているとのこと。ビクセンによると、コラボレーション

    けいおん!ゆるキャンに続け。TVアニメ「恋する小惑星」は天文ブームを巻き起こせるか
  • エンケラドゥス、生命存在の可能性高まる。噴出した水溶性の有機化合物を発見

    土星の衛星「エンケラドゥス」から宇宙空間へ噴出した氷粒に、これまで未確認だった有機化合物が含まれていたことがわかりました。NASAのジェット推進研究所(JPL)と欧州宇宙機関(ESA)から10月2日付で発表されています。 カッシーニが撮影した土星の衛星「エンケラドゥス」の疑似カラー画像(Credit: NASA/JPL/Space Science Institute)■アミノ酸につながる有機化合物の存在を確認見つかったのは、窒素を含むアミンや、酸素を含むカルボニル基を持った有機化合物です。これらの化合物は、地球ではアミノ酸の生成にも関与することが知られています。 今回見つかった有機化合物は、Nozair Khawaja氏らの研究チームによって、2017年にミッションを終えた土星探査機「カッシーニ」による土星の「E環」と呼ばれる環の観測データを解析することで発見されました。 E環は土星の環の

    エンケラドゥス、生命存在の可能性高まる。噴出した水溶性の有機化合物を発見
  • ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開

    ブラックホールの見え方をシミュレートした想像図(静止画)NASAは9月26日、ブラックホールの見え方を視覚化した一連のシミュレーション動画を公開しました。こちらはそのひとつで、ブラックホールを横から観察するとどのように見えるのかをシミュレートしたものになります。 ■見えているのは「吸い込まれかけたガス」が輝く降着円盤といっても、光さえも抜け出すことができないブラックホールを直接見ることはできません。オレンジ色に輝いているのは、ブラックホールに吸い込まれかけている高温のガスなどが高速で周回する「降着円盤」と呼ばれるもの。円盤と名付けられてはいますが、その中心にはブラックホールがあるので、実際には幅の広い輪のような構造をしていると考えられています。 動画では、左向きに回転している降着円盤をやや斜め上から見下ろしたときの様子が再現されているのですが、右からブラックホールの裏側に回り込んでいくはず

    ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開
  • 木星のコアは誕生直後に破壊され、今もその影響が続いている可能性が浮上

    米ライス大学は8月14日、およそ45億年前に誕生したばかりの木星のコアが巨大衝突によって破壊され、今もその状態が続いているとするShang-Fei Liu氏らの研究成果を発表しました。自然科学研究機構アストロバイオロジーセンターの堀安範氏も参加した研究内容は論文にまとめられ、同日付でNatureのオンライン版に掲載されています。 原始惑星と正面衝突した若き木星の想像図(Credit: K. Suda & Y. Akimoto/Mabuchi Design Office, courtesy of Astrobiology Center, Japan)■木星のコアは密度が低かった現在木星ではNASAの木星探査機「ジュノー」が周回探査を行っています。数多くのクローズアップ画像で私たちを驚かせてくれるジュノーですが、外からは見えない木星内部の構造を明らかにすることも重要な任務のひとつです。 ジュノ

    木星のコアは誕生直後に破壊され、今もその影響が続いている可能性が浮上
  • 1