安倍政権時代に憲法9条の解釈で与野党が激しく対立した安保関連法案をめぐる国会審議。参院平和安全法制特別委員会で行われた採決では、野党議員らが委員長に詰め寄り、激しくもみ合った=平成27年9月17日、参院第1委員会室(斎藤良雄撮影)ウクライナ侵攻や中国の脅威のせいか最近は自衛隊違憲論の憲法学者は息をひそめていたが、防衛費倍増や敵基地攻撃能力をめぐる議論では再び、憲法第9条を盾に反対する声が高まってきた。日本は相変わらず9条のくびきから解かれることがない。 しかし、そもそも憲法が戦争放棄、軍隊の不保持を定めているという認識は、正しいのか。 元城西大教授の杉原誠四郎氏9条1項には「国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあるが、条文をよく読めば分かるように、戦争放棄はあくまで「国際紛争を解決する手段とし