先見日記 - いとうせいこう | 新しい音楽の自由区新しい音楽の自由区 浅草にて CCCDは時代に逆行したほんとに異常なシステムだった。コピー・コントロールド・CDですか。コピーを恐れるあまり、パソコンでの再生さえ保証しないというソフト形態。 音楽業界はあの頃、断末魔に近い状態だったのだと思う。聴き手はオーディオなんかで聴くよりマシン上で聴く、もしくはiPodで情報を持ち歩くのが普通になってきていたのである。それを完全に無視してCCCD。 さすがにこの反動的な制度はなくなったとはいえ、業界はまだまだ「音楽の情報化」というものに脅えを隠さない。 テープに録って聴く時代だって友人との貸し借りはあったにもかかわらず、デジタル音源のやりとりでは劣化がないということを理由に、例えばネット番組で音楽を流すことが出来ずにいたりする。まあ、そこで録音されて不法販売されれば確かに大きな痛手だから、神経質になるのはわかる。だが、時代の流れからして
