Webアクセスに使われるプロトコルであるHTTPに、新しいバージョンである「HTTP/3」が加わる。従来よりもWebアクセスを効率化するのが特徴だ。HTTP/3が登場した背景やその詳細を図を交えて解説するとともに、TCPやHTTPの基礎知識をおさらいする。
米Dish Networkは2022年に米国の一部地域で新たに5G(第5世代移動通信システム)サービスを開始する新興通信事業者だ。同社は、コアネットワークから無線アクセスネットワーク(RAN)に至るまでをAmazon Web Services(AWS)のパブリッククラウド上に構築するという世界初の取り組みに挑む。初期投資を極小化し、展開スピードを加速するのが狙いだ。 「世界初の真にオープンでクラウドネイティブ†な5G(第5世代移動通信システム)ネットワークだ。米国におけるゲームチェンジャーになるだろう」─。 †クラウドネイティブ=最初からクラウド基盤上で動くことを前提にクラウドならではの特性を生かせるように設計されたシステム。システムの負荷に応じて、リソースを増減させられたり、機能を分離したりできる仕組みが取り入れられている。コンテナベースのクラウド基盤を使い、マイクロサービスとして実装す
スウェーデンのEricssonや中国の華為技術といった大手通信機器ベンダーの独壇場である4Gや5Gなどの通信機器分野に、ソフトウエア化とオープンソースの波が訪れている。ITの世界から遅れて通信機器市場に訪れたソフトウエア化とオープンソースの波は、通信インフラ市場を飲み込み、通信機器ベンダーの聖域を崩して価格破壊をもたらす可能性を持つ。 わずか数万円で5G(第5世代移動通信システム)ネットワークを構築可能に─。 スウェーデンのEricssonや中国の華為技術(Huawei Technologies)といった大手通信機器ベンダーが支配する4G(第4世代移動通信システム)や5Gなどの通信機器分野に、ソフトウエア化とオープンソースの波が訪れている。ITの世界に訪れたソフトウエア化とオープンソースの波は、Linuxに代表されるように、誰もが低価格で大規模コンピューティングシステムを利用できるというコ
2021年12月、京都大学のスーパーコンピューターがトラブルに見舞われた。学術論文に使う重要データなど、実に77テラバイト(TB)分のファイルが消失した。ITベンダーの担当者が実行中のスクリプトを不用意に更新したのが原因だった。本来はログ削除の処理が利用者のファイルを削除する誤動作を引き起こした。ミスを犯したITベンダーも問題だが、監督不十分だった京都大学の責任も重い。 「弊社100%の責任によりLustreファイルシステムのファイル消失の重大障害を来し、多大なるご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます」 京都大学が2021年12月28日に公表した「スーパーコンピュータシステムのファイル消失のお詫び」のお知らせには、大規模なデータ消失を引き起こした日本ヒューレット・パッカードが同大学宛てに提出した報告書がリンクされていた。「弊社100%の責任」という説明は、ITベンダー側の「完全降伏
新型コロナウイルスの影響が続く2021年。多くの企業はリモートワーク環境の整備を進め、ゼロトラストといった考え方が浸透した。どこからでも利用できるシステムを目指し、クラウドサービスの利用を拡充した企業も少なくない。 では2022年はどのようなインフラ技術が台頭するだろうか。日経クロステックは5人の有識者を招き「ITインフラテクノロジーAWARD 2022」を選出した。 左から石田裕三氏(野村総合研究所 産業ITグローバル事業推進部 上級アプリケーションエンジニア)、漆原 茂氏(ウルシステムズ代表取締役社長/アークウェイ代表取締役社長)、佐藤一郎氏(国立情報学研究所 情報社会相関研究系 教授)、新野淳一氏(Publickey 編集長/Blogger in Chief)、森 正弥氏(デロイト トーマツ コンサルティング 執行役員)(写真:陶山 勉) 選考会に参加したのは、野村総合研究所(NRI
200回を超えた本連載ではIT以外のテクノロジーもたびたび紹介してきた。IT専門家はIT以外にも目を向けることで本来の仕事ができる。様々なテクノロジーの本質をつかみ、経営者や事業部門と対話しよう。 前回で本連載は200回を迎えた。そこで今後数号にわたって第1回(2014年1月6日号)以降の記述を振り返ってみる。200回分は日経クロステックの記事として公開されており目次を眺めていると色々な発見がある。 IT以外を知ることが重要 今回は「IT以外のテクノロジーを知ることの重要性」について述べる。『IT専門家の対話術』と題したにもかかわらず200回の中でIT以外のテクノロジーに関する記事がかなりあった。 例えば米グーグルや米アップルなどについて『GAFAMはIT企業にとどまらない 社会基盤を担いウイルスに対峙』(第165回)で「5社の事業ポートフォリオを医療、生活、働き方、教育に分けて展望する」
パナソニックは車載事業に関する合同取材会を2021年10月に開催し、次世代コックピット向けの統合ソリューションを発表した。車載情報システム(IVI)やメーター、HUD(ヘッドアップディスプレー)、電子ミラー、先進運転支援システム(ADAS)などを束ねる統合ECU(電子制御ユニット)「コックピットドメインコントローラ」を開発する。 現在、自動車業界で起きているECUの統合化やSDV(ソフトウエア定義車両)への移行は、かつての携帯電話機からスマートフォンへの変化に似ている。統合ECU開発を指揮するパナソニックオートモーティブ社常務CTO兼開発本部本部長の水山正重氏は、過去に携帯電話機の技術責任者を務めた経験を持つ。 「スマートフォンへの変化では、我々だけでなく日本の多くの携帯電話機メーカーが出遅れた。IT企業との連携よりも、自分たちで良いものを作ることに固執しすぎた。世の中がどんどんエコシステ
新型コロナ禍におけるSE営業は、顧客との接触方法が以前のように対面にはならず、ほぼオンラインになった。メールや日報などのテキストでの確認や報告が増えている。3回目は報告書の文章を取り上げる。架空のキャラクター、新米SE営業の江水くんと先輩の白鳥さんに登場してもらい、報告書の言葉から読み取れる「商談のリスク」を押さえよう。 なおここに挙げる内容は著者の体験に基づいており、あくまで一例だという点をあらかじめお断りしておく。 「違和感」を意識する 江水くんの会社でも、テレワークが中心の仕事スタイルになると、以前に比べ上司への報告を口頭よりもテキストで実施するケースが増えています。 先輩の白鳥さんは毎日、報告書を数多く読んでいます。それぞれの担当者が案件ごとに訪問など動きがあるたび作るので、結構な量になるのです。江水くんは横で見ながら「読むのが大変だろうな」と思っていました。ところが、白鳥さんは全
以前、この「極言暴論」などで大胆な予測をして赤っ恥をかいたことがある。何の話かと言うと、「SIerは5年で死滅する」という記事を書いたことだ。私がそれを最初に書いたのは2015年3月の記事。経緯を知らない読者なら、もうこれだけで「木村ってバカだな」と嘲笑するはずだ。この記事は「記者の眼」として掲載したが、その後は極言暴論に舞台を移して何度か言及した。いわゆる恥の上塗りである。 何でそんな話を始めたのか不審に思う読者もいることだろう。そりゃそうだ。今やSIer、そして下請けITベンダーなど人月商売のIT業界は、我が世の春が続いている。そんな状況のなかで、「かつて『2020年ごろにはSIerが死滅する』などと書いた」と告白するのは、全くもってアホウである。こういうときには、おとなしくしているに限る。では、なぜ言い出したかというと、改めて言うべき「時」が訪れたからだ。 あっ、断っておくが、ざんげ
委託したシステム開発が頓挫したとして、野村ホールディングス(HD)と野村証券が日本IBMを相手取って計約36億円の損害賠償を求めた裁判。プロジェクト失敗はベンダー側に非があるとした2019年3月の一審判決から一転、2021年4月の控訴審判決はユーザー企業側に責任があるとした。工数削減提案に十分に応じなかったり、プロジェクト途中で追加要件を多発したりした野村側の姿勢を東京高裁は問題視し、逆転敗訴の判決を下した。 関連記事 野村HDが日本IBMに逆転敗訴の深層、裁判所が問題視した「X氏」の横暴な変更要求 野村HDが日本IBMに逆転敗訴のワケ、「工数削減に応じず変更要求を多発」と指摘 東京高裁が特に問題視したのが、システムの仕様を策定するうえで重要な役割を担っていた野村証券のユーザー部門「X氏」の振る舞いだ。 当時、投資顧問事業部(判決文では「投資顧問部」)の次長だったX氏は、パッケージソフトに
ジャパンケーブルキャストと同社子会社である沖縄ケーブルネットワーク(OCN)は2021年5月31日、パナソニック システムソリューションズ ジャパンの技術を活用し、FTTHインフラに適したIP放送のソリューションとして業界標準のACASを利用する共同実証実験を実施すると発表した。実証実験は、OCNが2021年夏に構築するFTTHエリアで行う。 実証実験では、ジャパンケーブルキャストが2019年に提供を開始したJC-HITS(ACAS)の信号(多チャンネル放送のケーブルテレビ局への配信信号)を、OCNの局舎に設置するパナソニックの開発システムでIP放送方式の信号に変換する。FTTH区間では、IPv6マルチキャストで伝送される多チャンネルIP放送の信号と、以前からのRF伝送で送られる地上波やBS放送などの信号を送信する。加入者宅では、パナソニックのセットトップボックス(STB)1台でIP放送と
SI事業の変革待ったなし――。システム開発を生業とするシステムインテグレーター(SIer)が主力としてきた受託開発ビジネスの先行きが不透明になっている。「従来型のご用聞きによるシステム開発では立ちいかなくなる」というのが業界全体の共通認識だ。そうした中、大手SIer各社はご用聞きから脱して、ユーザー企業と共に新たな製品やサービスを創出する取り組みを始めている。受託思考を取り払い、真の意味でユーザー企業のITパートナーへと脱皮できるか。SIの「ニューノーマル」を目指す専業各社の今を追う。今回は伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)の取り組みを見る。 伊藤忠商事グループのシステムインテグレーター(SIer)である伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)。通信事業者向けのコアネットワークや流通・製造業向けの基幹業務システムの構築などで強みを持つが、顧客企業とのビジネス共創を目的とする拠点「Inno
日本を代表するAI技術者集団、Preferred Networks(PFN)。同社が注力する技術の1つに、ロボットがある。2018年には部屋を自動で片付けるサービスロボットを披露し、21年3月には建築現場用の自律清掃ロボットを発表した。PFNは何を見据えて技術開発を進めているのか。ロボット事業を担当する執行役員の海野裕也氏に聞いた。 PFNではロボットをどのように定義しているのでしょうか。 ロボットの定義は立場によって異なると思います。我々は、「1台で複数役をこなせる汎用性を持たせた機械」をロボットと位置づけています。産業用ロボットの動作には、ティーチング・プレイバックがベースにあります。つまり、同じ動作を毎回同じ精度で繰り返してくれる、間違った動作をしないということが強みです。 ただ、こうしたロボットの問題は、環境が変わると、まったく精度が出ず、使えなくなることです。そこで我々は、これに
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