緊急経済対策として1人あたり10万円を配る「特別給付金」の給付にあたり、京都市などはオンライン申請のためのシステム開発に乗り出している。同じ特別給付金を配る機能を、なぜか自治体ごとに開発しているのだ。 行政のITシステムに必要な機能は、どの自治体でもさほど変わらない。ソフトウェアであれば一瞬で複製でき、ほとんど複製コストもかからないはずだ。しかし、なぜか日本の自治体はそれぞれシステムを独自に開発してきた。原因は日本の悪癖である「自前主義」だ。 現状維持に金が溶ける自前主義システム 標準化できるシステムを独自に開発してしまう悪癖は、強すぎる現場の裏返しのようなものだ。自治体でいえば、住民の相談を受ける窓口の担当者のような現場の担当者による業務の効率化意識が強く、行政システムに対して要望を口にする。 しかし、こうした要望は「自身が所属する現場」だけを見た効率化の希望の場合が多い。そこには他の自