フィリピンのトゥバタハ岩礁自然公園で、サンゴの上を泳ぐウミガメ。(PHOTOGRAPH BY DAVID DOUBILET, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 約2億5200万年前のペルム紀(二畳紀)末、地球には超大陸が一つだけあり、周囲の海には装甲で覆われたような魚や、人間ほどの大きさのウミサソリが生息していた。また、三葉虫などの節足動物や、二枚貝のような見た目だが貝ではない腕足類、アンモナイトの仲間などが深海を支配していた。 現在では、これらの生物は化石記録から知られている。ペルム紀の終わりに、海洋生物の90%が絶滅する地球史上最大の絶滅現象が起こった。その原因はおそらく、シベリア・トラップと呼ばれる地域の火山活動による、二酸化炭素の大量放出だったと科学者たちは考えている。最も多かった死因について、2018年12月に学術誌「サイエンス」に発表された論文は、海の温暖化と