天守が現存する城は全国に12しかない。それ以外の城の「歴史的価値」は無いのだろうか。歴史評論家で城マニアの香原斗志さんは「鉄筋コンクリート造の城にも名城はある。例えば名古屋城や広島城の天守はおおむね旧観を再現している」という――。 ホンモノの天守を持つ城は12しかない 数年来の城ブームは、新型コロナウイルスの流行によって一服していたが、昨年から各地の城に観光客が戻っている。とくに外国人観光客は円安の影響もあって激増し、すでにコロナ禍を上回っている城も多い。観光客のお目当てはシンボルである天守であることが多いが、じつは天守にはホンモノとニセモノがあるからやっかいなのだ。 明らかにホンモノなのは、現存12天守である。 弘前城(青森県弘前市)、松本城(長野県松本市)、犬山城(愛知県犬山市)、丸岡城(福井県坂井市)、彦根城(滋賀県彦根市)、姫路城(兵庫県姫路市)、備中松山城(岡山県高梁市)、松江城