国内に数あるアマチュアサッカー大会の一つに、全国自衛隊サッカー大会がある。1年に1度行われる、全国に点在する自衛隊の基地、駐屯地で活動するチームの日本一決定戦だ。 選手、審判、運営委員を基本的にすべて自衛官が務めるという点で、異彩を放っている。世間がゴールデンウィークを迎える直前の4月26日、味の素フィールド西が丘では独特の雰囲気の閉会式が行われていた。普通であれば、優勝チームのはじけるような笑顔が式を彩るものだが、コの字型に整列した4チームは、泰然自若そのもの。その様子には、ほんの少し前までピッチで繰り広げられた歓喜も悲嘆も見られない。表彰式になると、サッカー選手から自衛官へと表情を変えるのだ。 1人の号令に全チームが従い、選手は肘を腰に付けるようにした駆け足で表彰台へ向かった。今年の第49回大会は、海上自衛隊下総航空基地が25年ぶり12度目の優勝を飾り、第3回を数えた女子の部は、陸上自