芥川賞だけ、なぜモテる?2009年11月14日 「文学賞」大国、日本。出版社や地方自治体だけでなく、書店が選ぶものなど、『最新文学賞事典』によると466件もある。2千万円もの高額賞金の賞もあるけれど、知名度ナンバー1はやっぱり「芥川賞」だ。 受賞作を手に、誕生した芥川賞と直木賞の作家がカメラにポーズ。フラッシュがたかれ、テレビが全国放送する。二つの賞の中でも、すでに知名度のあるエンターテインメント系の作家が受賞することの多い直木賞に比べ、純文学で「新進作家」が対象となる芥川賞は注目度が高いといえる。受賞作一覧は教科書に載ることも。まさに「国民の文学賞」が芥川賞だ。 8月に芥川賞を受賞した磯崎憲一郎さんの「終(つい)の住処(すみか)」。受賞決定わずか12日後に単行本化され、16万部も発行された。純文学は数千部が相場なのに。 賞の力は、作家の生活をも変える。05年に「土の中の子供」で受賞した中