『CONTINUE Vol.38』(太田出版)の「『墓場鬼太郎』大特集」の京極夏彦さんへのインタビュー記事より。インタビュアーは、おーちようこさんです。 【京極夏彦:ちなみに水木(しげる)さんが貸本まんが家としてデビューする1年前に柳田國男が『妖怪談義』という本を出しています。でもこの本に載る妖怪は、僕らが知る妖怪とはちょっと違う。水木先生はそれを絵にし、キャラクターにした。そして鬼太郎の『週刊少年マガジン』連載にあたって、江戸時代の化け物絵なんかと併せて作品に登場させたわけです。それを大伴昌司さんなんかが、怪獣と対比させる形でどんどん世に出した。そしてようやくいまでいう妖怪が誕生した。つまり『墓場鬼太郎』の時点では、妖怪概念は確立されていないんです。だいたい、鬼太郎って妖怪じゃなくて、地球の先住民族である幽霊族なんですよね。彼らは人間に逐われて地下で暮らしていたという設定ですね。それを見