富士フイルムは、来年春をめどに映画の撮影と映写に使うフィルムの生産をやめることを決めた。デジタルカメラでメモリーカードに記録し、デジタルプロジェクターで映写する方式が主流になり、需要が大幅に落ち込んでいるためという。国内で映画用フィルムを作る会社はなくなる。 同社は1934年の創業時から映画用フィルムを作っており、米イーストマン・コダック、仏アグファとともに映画用フィルムの「3強」だった。海外の2社は今も生産を続けており、富士フイルムも、デジタル撮影した映画を保存するためのフィルムに限って生産を続けるという。 富士フイルムによると映画撮影は75%、映画館での映写も7割程度がデジタル化されており、映画用フィルムの需要は2007年をピークに激減している。12年度の世界での需要予測は、前年の半分以下に落ち込む見通しという。