スーザン・ソンタグと大江健三郎の往復書簡がまだ続いている。ソンタグのロジックの危険性についてはすでに別の処に書いたので繰り返さないが、改めてこの人の発想法が根本的に「アメリカ的」だということがよく分かった。 自分はNATO軍によるセルビア爆撃を支持する。それしかミロシェビッチによる「ジェノサイド」を阻止する方法はなかったからだ、とソンタグは書いている。 「かつてユーゴスラビアだった地を、スロボダン・ミロシェビッチが破壊し続けるのを食い止めるには、軍事介入しかないと考えたからです。ミロシェビッチが1991年に戦争を始めたそのとき、もし軍事介入が行われていたら、多くの、実に数多くの生命が失われずにすんだことでしょう。あの地域全体の物理的、経済的、文化的な破壊も阻止できたでしょう。」 これはアメリカ政府の公式ステートメントとほとんど同文である。 彼女が気にしているのは、おもに「助けに行くことで生