「ほしいのは熱狂ではなくそれぞれの実感でたどり着いたNO WAR。そして言葉にすることには確かに意味があると認め合いたい」 - GEZANのマヒトゥ・ザ・ピーポーによる『No War 0305』ステートメントより
批評家・佐々木敦の著作『ニッポンの音楽』でも指摘されていたことだが、はっぴいえんどから渋谷系、小室哲哉、中田ヤスタカに至るまで、日本のポップ音楽史を先導してきたのは、リスナー体質のミュージシャンだった。膨大で多様な聴取体験=インプットを武器に、彼らは元ネタを独自に解釈して質の高い音楽を作り上げてきたわけだ。しかし、知識がなくともいいと思った音楽を感覚で拾い上げて、直感的に良質な音楽を作っているミュージシャンもいる。例えば、その代表格として小島麻由美を挙げることもできるのではないか。インタビューを終えて真っ先に思ったのは、そんなことだった。 今年デビュー20周年を迎えた彼女の最新作は、カバー曲を集めた『Cover Songs』だが、自分の曲でも人の曲でも、分け隔てなく楽しんで歌える彼女のスタンスがここで顕在化している。越路吹雪の名唱でお馴染みの“ろくでなし”で幕を開け、スピッツ“夏の魔物”、
人工的に作り出した心臓の細胞に、架空のキャラクター「初音ミク」のDNAを組み込んで、生命と非生命の境界線を問い直す。サイエンスに関する深い知見を武器に活動をするアーティスト集団「BCL」による、そんな挑戦的な展示『Ghost in the Cell:細胞の中の幽霊』が、金沢21世紀美術館で2016年3月21日まで開催されている。 ゲオアグ・トレメル、福原志保、吉岡裕記、フィリップ・ボーイングの四人からなるBCLは、2004年の結成。死者の遺伝子を樹のDNAに保存して「生きた墓標」を作る『Biopresence』、遺伝子組み換えからなる青いカーネーションのクローン培養を行って自然界に還す『Common Flowers / Flower Commons』など、技術の発展によって生命に対するあらゆる操作が可能になった時代の「生と死」「自然と人工」の意味を問いかけてきた。 近年では現実空間でのライ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く