新型コロナウイルス感染症が5類相当になり、リアルタイムでデータを確認するのが難しくなっています。報道もめっきり減る中、実は今回、過去最高の流行規模になっています。理論疫学者、西浦博さんの最新分析を聞きました。
新型コロナウイルスワクチンの接種によって、国内の2021年2~11月の感染者と死者をいずれも90%以上減らせたとの推計結果を京都大・西浦博教授(理論疫学)らのチームがまとめた。この期間の実際の感染者は約470万人と推計され、死者は約1万人だったが、ワクチンがなければ、それぞれ約6330万人と約36万人に達した恐れがあるとしている。 国内では21年2月から始まったワクチン接種に、どの程度の効果があったのかは十分検証されていない。今回の推計では、接種のペースが実際よりも14日間早ければ感染者と死者を半分程度に抑えられ、14日間遅かったら感染者は2倍以上、死者数は約1.5倍になっていたとの結果も出た。 西浦教授は「結果的にワクチン接種はうまくいったと言えるが、それで終わりにしてはいけない」と指摘。「将来の感染症対策のためには、接種を進めつつ、感染状況の推移をリアルタイムで予測し、政策を決める人や
東京都の定点観測データを見ると、今年8月に感染者数が急増している。この第9波は、過去最大規模だった第8波に近い値を推移しているが、社会へのインパクトは大きくなかった。すでにピークは過ぎており、現在の感染状況は落ち着いている 中国・武漢での最初の感染から約4年が経過し、10月の訪日外国人観光客はコロナ禍前を超え、仕事もプライベートも以前の生活に戻りつつある。でも、これって5類移行によって報道が減り、僕らが気づいてないふりをしているだけで、実は医療の現場はヤバかったりする? というか、この夏の第9波は来ていたの?この「コロナが終わったような感じ」は本当に信じていいんですか......? ■第9波は来ていた! そして去っていた!2019年末、中国の武漢からコロナ禍が始まってから約4年。繰り返されるパンデミックの波を乗り越え、今年の5月8日に、新型コロナの感染症法上の分類は季節性インフルエンザなど
2019年に発見された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の起源については、記事作成時点でも見解が分かれており、中でも初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が確認された中国・武漢にある研究所から流出したという「人工説」に関する国連の調査は中国政府の非協力的姿勢により頓挫しています。この説について調査を進めていたアメリカの捜査官による調査報告から、武漢ウイルス研究所では中国軍と協力してコロナウイルスを組み合わせる研究が行われていた実態が浮かび上がったと、イギリスのニュースメディア・The Sunday Times紙が報じました。 What really went on inside the Wuhan lab weeks before Covid erupted https://www.thetimes.co.uk/article/inside-wuhan-lab-covi
約1億人を調べた結果です。 デンマークの国立血清研究所(SSI)をはじめとした国際研究によって、新型コロナウイルスワクチンの健康リスクが示されました。 9900万人を対象とした史上最大規模の研究で、主としてファイザーとモデルナの開発したmRNAワクチンおよびアストラゼネカが開発したウイルスベクターワクチンの3種類でみられた、副反応13種が調べられています。 なお今回の記事はワクチンの有害性を強調するものではありません。 また最終的な結論として、ワクチン接種の利点が健康リスクを上回っていたことも、あえて先に述べてさせて頂きます。 その上で、新たに判明した副反応を報告します。 対象となる副反応は、心臓にかんする「心筋炎(MYO)、心膜炎(PER)」。 脳脊髄や末梢などの神経系にかんする「ギラン・バレー症候群(GBS)、横断性脊髄炎(TRM)、顔面麻痺(BP)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、熱
佐賀大学は、酒を飲むと顔などの皮膚が赤くなる体質の人は、新型コロナウイルスの感染に対して防御的である可能性があることがわかったとする研究成果をまとめました。 佐賀大学医学部の松本明子准教授らの研究グループは、飲酒後に顔などの皮膚が赤くなるかや、新型コロナにいつ感染したかなどについてインターネット上でアンケート調査を行い、およそ800人から得た回答を分析してきました。 その結果、新型コロナの感染拡大が始まった2019年12月から2023年5月までの間、飲酒後に顔が赤くなる人は発症が遅い傾向にあり、感染に対して防御的である可能性があることがわかったということです。 特に、ワクチンを2回接種した人が国内で人口の半数ほどにとどまっていた2021年8月までの期間に絞り込むと、飲酒後に顔が赤くなる人が新型コロナに感染した割合はそうでない人に比べて、およそ5分の1にとどまったということです。 飲酒後に顔
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症した患者の中には、疲労感や息切れ、認知機能の低下といった症状が感染から数カ月以上も継続する「ロングCOVID」という後遺症に苦しむ人が多数いることが報告されています。新たに、ペンシルベニア大学の免疫学者アンドレア・ウォン氏らの研究チームが、ロングCOVIDに苦しむ人はセロトニンが不足している可能性があることを発表しました。 Serotonin reduction in post-acute sequelae of viral infection: Cell https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(23)01034-6 A Crucial Pattern Behind Long COVID May Have Been Identified : ScienceAlert https://www
新型コロナウイルスの「JN.1」はオミクロン株の一種で、2022年に国内でも広がっていた「BA.2」系統のウイルスがさらに変異したものです。 世界各地でこの変異ウイルスが検出される割合が急増していることから、WHO=世界保健機関は、12月18日に「VOI=注目すべき変異ウイルス」に指定しました。 日本国内でも11月頃から増加し、国立感染症研究所によりますと、「JN.1」が検出される割合は12月3日までの1週間で11.6%でしたが、今週の時点では31%に急増していると推定されています。 新たな変異ウイルスの特徴について、WHOは免疫を逃避する能力が高まっている可能性があるとしている一方、入院や重症化のリスクが高くなっているという報告はないとしています。 海外の感染状況に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「JN.1の割合が増えている国では感染者数が急に増えているところもある。国内でも感染者
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから8日で1か月ですが「定点把握」による全国の感染状況は、4月以降、緩やかな上昇傾向が続いています。 厚生労働省は「今は比較的低い水準だが、夏に懸念される感染拡大に備え、今後の感染状況を注視するとともに、場面に応じて必要な感染対策をとってほしい」と呼びかけています。 新型コロナウイルスの「5類」移行後、厚生労働省は全国およそ5000の医療機関からの週1回の報告をもとにした「定点把握」で流行状況を把握しています。 それによりますと、1つの医療機関当たりの平均の患者数は ▽5月14日までの1週間では2.63人 ▽5月21日までの1週間では3.55人 ▽5月28日までの1週間では3.63人と増加が続いています。 「定点把握」で集計し直した去年10月から今月7日までの感染状況と合わせて推移をみてみると、「第8波」のピーク時だった去年12月
沖縄県内では、今月25日までの1週間で病院に搬送された新型コロナの患者は157人と前の週のおよそ1.3倍に増え、感染が急拡大しています。 沖縄県内の新型コロナ専用の病床はほぼ満床となっていて、多くの病院の救急部門で新たな患者の受け入れが難しくなっています。 このうち、沖縄本島南部の豊見城市にある友愛医療センターでは、27日の朝に開かれた院内の会議でコロナ専用の病棟が満床だと報告されました。 また、救急外来では隣接する那覇市消防局の救急隊員から「高齢者施設でコロナに感染した患者の容体が悪化したものの、かかりつけの病院を含め5か所に受け入れを断られたので受け入れてほしい」という連絡が寄せられていました。 担当の医師が入院が必要だと判断し、容体が改善した別の患者を自宅に帰して病床を空けるなどのやりくりをして、なんとか受け入れることができました。 友愛医療センター救急科の山内素直部長は、「去年の地
新型コロナが「5類感染症」に移行してから、「やれやれこれでコロナ禍も終わった」と思っている人が多いかもしれません。私も、どこかそういう期待を持ちながら、コロナ禍前の診療モードに移行しようとしていたのですが、無視できないほど感染者が増えてきました。 第9波の実態が把握できないマスメディアでは「緩やかな感染拡大」と報道されていますが、全数把握ではなく定点把握に移行しているので、実際はすでに「急速な感染拡大」が起こっている懸念があります。 また、「5類感染症」に移行したことで、検査を受けていない感染者が水面下に相当数存在すると考えられています。 これに加えて、非常に地域差が大きく、現在の波の実態を掴みにくくしています。 沖縄県の医療逼迫このウイルスがいやらしいのは、その高い感染性です。重症度はそこまで高くありませんが、ワクチン接種終了から時間が経過した高齢者で、再び肺炎を目にするようになりました
千葉県の熊谷俊人知事(45)が6月12日、自身のTwitterで新型コロナの感染対策についての考えを投稿したが、その内容が波紋を呼んでいる。すでに削除されているが、その内容は以下の通りだ。 《医療関係者の中には繰り返す感染の波に疲弊し、できれば多くの人等が自分たちが病院の中でしているように強い感染対策をして欲しいと思うかもしれません。「医療従事者に感謝を」の言葉の繰り返しの中で医療従事者が最優先される風潮に慣れてしまったかもしれませんが、この3年以上もの間、観光・宿泊含め、多くの人たちが職を失い、生活を犠牲にしてでも、医療を最優先に感染対策に協力してきてくれました。 頑張ってきたのは医療従事者だけではありません。雇用を失い、借金をしてきた人達、青春の貴重な経験を失った子供・若者のことも忘れないで欲しいのです。 私は「医療従事者に感謝を」だけは言いません。必ず「医療従事者を始め、協力頂いた事
宝塚歌劇に角CEO「罹患者が3分の1」「代役公演は積極的に」株主との一問一答 拡大 阪急阪神ホールディングス(HD)株式会社の「第185回 定時株主総会」が16日、大阪市内で行われた。エンターテインメント事業のひとつである宝塚歌劇団において、生徒の体調不良のためにコロナ5類以降後も休演が相次いでいることに、株主からの不満が噴出した。 株主と角CEOの一問一答は以下の通り。 女性株主「本当は1時から宝塚星組公演を見る予定だった。代役公演はできないものなのでしょうか。他の舞台は歌舞伎では(市川)猿之助さんが一家心中騒ぎしても休演は1日かそこらだった。宝塚は1組70、80人がいたら、残りで公演できないでしょうか。休演も詳しい経緯の説明がない」 角CEO「大量に罹患者が出たのが原因です。初日が開くまでの間、かなり無理をして稽古をして、初日何とか開けたんですが、初日公演が終わったあと、重要な役の生徒
Published 2023/07/25 17:11 (JST) Updated 2023/07/25 17:29 (JST) 全国の新型コロナウイルス感染者12万人超の電子カルテを基に後遺症について調べた結果、発症初期に頭痛や倦怠感、味覚障害があった人の約1割が後遺症となり、2週間以降も症状が継続したと、医薬基盤・健康・栄養研究所(大阪)などのチームが25日、記者会見で発表した。うつ症状は約2割、心肺や消化機能低下などの「廃用症候群」は約5割が後遺症となっていた。 10万人規模のコロナ後遺症の調査は、国内初という。 2020年1月~22年6月、徳洲会グループ(東京)が運営する病院で診察を受けた0~85歳の患者のカルテに記載された病名などを調べた。
新型コロナウイルス、体内から追い出せず後遺症? 感染後に潜伏するヘルペスと類似 大阪大教授が指摘(2023年6月20日掲載) 免疫学の第一人者で、大阪大免疫学フロンティア研究センター招へい教授、宮坂昌之さん(75)=上田市出身=が、感染後に体内に残存し続ける「ヘルペスウイルス」と新型コロナウイルスの類似性を指摘している。新型コロナに感染してから長期間経過しても抗原やRNAが検出される事例が海外で報告されているとし、回復後も体調不良が続く新型コロナの後遺症とみられる症状にはこうした「持続感染」が影響している可能性があるとみている。 宮坂さんによると、シンガポールでは2022年、新型コロナの後遺症を訴える患者を別の病気の治療で手術した際…
石垣市は発熱など新型コロナの症状を訴えて病院を訪れる人が急増して通常の診療や手術に支障が出始めているとして、28日から電話相談の窓口を再開して病院に行く前に相談するように呼びかけています。 石垣市では発熱など新型コロナの症状を訴えて市内に3つある病院を訪れる人が急増していて、民間の「かりゆし病院」には、27日、およそ60人が訪れ、検査の結果、およそ9割が陽性だったということです。 各病院では増え続ける患者の対応で、通常の診療や手術に支障が出始めているとして、市はことし3月まで設けていた電話相談の窓口を28日から再開し、病院に行く前に相談して、症状が重くない場合は自宅での療養を勧めています。 「かりゆし病院」では市の電話相談で受け付けをした人を対象にドライブスルー方式での抗原検査も28日から再開し、検査の結果を受けて解熱剤などを処方しているということです。 市の医療アドバイザーでもあるかりゆ
事業再構築補助金の事務局が入るビル。補助金を支給するために必要な業務を約3400人体制で実施している=東京都千代田区で2023年12月30日、遠藤修平撮影 新型コロナウイルス禍で打撃を受けた企業の業態転換を促す事業再構築補助金を申請した企業の中に、政治家と関係する「議員案件」が存在することが分かった。補助金事務局で審査を担当した元従業員が毎日新聞の取材に証言した。新型コロナ対策では政府系金融機関の融資で国会議員が口利きした議員案件の存在が発覚して問題となったが、血税を原資にした補助金事業にも政治家が群がる構図が浮かび上がった。 【図解】事業再構築補助金って? 事業再構築補助金は2021年3月に創設され、1社あたり最大5億円を支給する仕組み。政府はこれまでに約2兆4400億円を予算化しており、事務局業務は人材派遣大手パソナに委託している。 元従業員の証言によると、「議員案件」と記したエクセル
自民党女性局の一行がフランス研修中の写真をSNSに投稿して批判を浴びた問題をめぐり、立憲民主党の泉健太代表は2023年8月4日の定例会見で「コロナは確かに明けました。だけれども...」などと述べた上で、一人一人の議員が「ちゃんと身を律すること」が必要だと話した。 現地で撮影した写真をアップロードすることの是非に議論が集中する中、国外への「研修旅行」に出かけること自体にも、ある程度抑制的な姿勢を示したとも言えそうだ。 プライベートの旅行なら「別に何がどうこうっていう話ではないわけですから」 泉氏は、事案について問われて 「それは国民の皆さんが、ちゃんと判断されていることではないかなと思いますね。おかしければ、やっぱりおかしいという声が上がると思います」 と応じた。会見終盤で改めて見解を問われると、新型コロナウイルスの5類移行後も課題が山積していることを念頭に、次のように話した。 「コロナは確
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