首相官邸は24日、内閣官房参与の高橋洋一嘉悦大教授の同日付の退職を発表した。高橋氏は国内の新型コロナウイルス感染状況を「この程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」などとツイッターに投稿して批判を浴びていた。
28日の東京外国為替市場では、日銀が大規模な金融緩和策を維持し、長期金利の上昇を容認しない姿勢を明確にしたことを受けて、円相場は1ドル=130円台後半まで2円以上急落し、20年ぶりの円安水準を更新しました。 28日の東京外国為替市場は、午後に入って円安が一段と進む展開になりました。 きっかけは、日銀が今回の金融政策決定会合の結果を公表し、今の大規模な金融緩和策を維持したうえで、長期金利の上昇を容認しない姿勢を鮮明にしたことでした。 金融引き締めを急ぐアメリカのFRB=連邦準備制度理事会との金融政策の違いがより強く意識されたことで、円相場は一時、1ドル=130円70銭台まで2円以上急落し、2002年4月以来、20年ぶりの円安水準を更新しました。 午後5時時点の円相場は、27日と比べて2円61銭円安ドル高の1ドル=130円59銭から60銭でした。 一方、ユーロに対しては、27日と比べて1円87
13日の外国為替市場では円相場が1ドル=147円台まで値下がりし1998年以来、およそ24年ぶりの円安水準を更新しました。 13日、アメリカの先月の消費者物価指数が発表され、前の年の同じ月と比べて8.2%の上昇と、市場予想をわずかに上回りました。 このため、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が大幅な利上げを続け、日米の金利差がさらに拡大するという見方から円を売ってドルを買う動きが強まりました。 政府・日銀は先月22日に1ドル145円台後半まで円安が進んだ際に、ドル売り円買いの市場介入を行いましたが、円相場はその水準よりもさらに値下がりし、市場には介入に対する警戒感も広がっています。
日銀はいまの大規模な金融緩和策の修正を決め、これまで0.25%程度に抑えてきた長期金利の上限を0.5%程度に引き上げることになりました。日銀が金利の上昇を許容することとなり外国為替市場では事実上金融引き締めにあたるという受け止めから円高ドル安が加速しました。 日銀は20日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、いまの大規模な金融緩和策を一部修正することを決めました。 これまで短期金利をマイナスにし、長期金利をゼロ%程度に抑えるとしたうえで、長期金利は「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で推移するよう調節するとしてきましたが、この変動幅をプラスマイナス0.5%程度に変更しました。 欧米の中央銀行がインフレを抑えるため利上げを続け、日本でも長期金利の上昇圧力が高まる中、日銀はこれまで0.25%を上限に金利の上昇を抑え込んできました。 今回、長期金利の上限を0.5%程度まで引き上げ、変動幅
「自国通貨を発行できる国は、財政赤字が膨らんでも破綻しない」。アメリカ発の「現代貨幣理論(MMT)」の主張が、今、日本でも議論になっています。財政赤字の拡大を容認するこの理論は、「天下の暴論」なのでしょうか。その提唱者、ニューヨーク州立大学のステファニー・ケルトン教授が7月、初めて来日し、NHKの単独インタビューに応じました。(経済部記者 山田奈々) 7月16日の昼すぎ、ケルトン教授の姿は、東京・永田町にありました。そこにやってきたのは、自民党の西田昌司参議院議員と安藤裕衆議院議員、公明党の竹内譲衆議院議員。1時間半余りにわたって会談し、本などの情報からではわからない、MMT=現代貨幣理論に関する疑問を直接、ぶつけていました。 さらに、この会談のあとに行われた、ケルトン教授の講演会には、主催者の発表でおよそ750人が集まるなど、日本での関心の高さが伺えました。
リーマンショック後、大胆な金融緩和を実施する米欧に対して、日銀が十分な金融緩和に踏み切らなかったことで、日本経済は大幅な円高に苦しめられることになった(写真:ロイター/アフロ) コロナ禍に伴う対応の結果、先進国で最悪水準にあった政府債務はさらに膨れあがっている。財務省の矢野康治財務次官が月刊誌への寄稿を通して政府債務の増大に警鐘を鳴らしているが、与野党ともに、給付金の支給や国債の増発を厭わない姿勢を見せており、名目GDPに占める政府債務残高はさらに悪化することが確実だ。 増え続ける政府債務と傷ついた経済の再生について、アベノミクスの立役者の一人であり、『21世紀の経済政策』を上梓した経済学者・浜田宏一氏に話を聞いた。(聞き手:長野 光、シード・プランニング研究員) ※記事の最後に浜田宏一さんのインタビュー動画が掲載されていますので是非ご覧下さい。 ──先日、財務省の矢野康治事務次官が「文芸
MMT(現代貨幣理論):その読解と批判 最近、MMT(現代貨幣理論)が内外で注目を集めている。MMTの信用創造に関する理解は通説より説得的であるなど、その見解には見るべき部分もあるが、「インフレにならない限り、財政赤字に悪影響はない」といった主張は受け容れられない。MMTは会計論に終始し、価格や均衡の概念を欠くところに本質的な弱点がある。なお本稿では、米国主流派経済学者の間で高まっている財政政策重視論についても検討を加える。 2019年7月1日 MMT(現代貨幣理論)が内外で注目を集めている。もともとは、地球温暖化阻止を目指したグリーン・ニューディールや、多額の学生ローンを背負った若者の救済を訴える、米国民主党左派のアンドレア・オカシオ・コルテス下院議員(通称AOC)らが、その財源に関して「財政赤字を心配する必要はない」とするMMTを支持したことから、これまで殆ど無名だったMMTを巡って米
外国為替相場の円安進行が引き続き物価上昇圧力となる中、日本のインフレに対する投資家の期待値を示す指標が過去最高水準に並んだ。 新発10年国債から物価連動債の利回りを差し引くことで将来の物価上昇予想を示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は今年に入り約25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し、8日に1.418%に達した。これは、日本が初めてインフレ連動債を発行した2004年までさかのぼったブルームバーグのデータによると、過去最高だった昨年11月6日と同水準だ。 豪ウエストパック銀行の金融市場戦略責任者、マーティン・ウェットン氏(シドニー在勤)は日本の「ブレーク・イーブン・インフレ率の上昇は恐らくエネルギー価格の高騰と円安によるものだろう」と指摘。インフレ期待の高まりは既に債券価格に反映されているものの、インフレが収まらなければ、「短期的には名目金利の上昇リスクが依然として
日銀の黒田総裁は20日、総理大臣官邸を訪れて岸田総理大臣と会談し、急速に進む円安を踏まえ「今後も為替市場の動向を注視し政府と連携して適切に対応したい」と述べました。 日銀の黒田総裁は、20日政府がまとめた今月の月例経済報告の関係閣僚会議に合わせて総理大臣官邸を訪れ、岸田総理大臣と会談しました。 会談後、黒田総裁は記者団に対し、世界経済や金融・資本市場の動向についての定期的な説明を行ったとしたうえで、為替相場は経済金融のファンダメンタルズ=基礎的条件を反映して安定的に推移することが必要であるという考えを改めて示しました。 そのうえで「急速な円安の進行については、企業の経営計画に対していろいろな不確実性をもたらすので、好ましくないと申し上げた。今後も為替市場の動向を注視し政府と連携して適切に対応したい」と述べました。 日銀は先週開いた金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの影響から回復途上の日
自民党の萩生田政務調査会長は、訪問先の台湾で講演し、台湾への軍事的な圧力を強める中国をけん制しました。また、日本の防衛費の増額で不足する財源をめぐり、国債の償還費の一部を充てることも検討に値するとして、増税以外の財源をさらに追求すべきだという認識を示しました。 与党・自民党の三役として、19年ぶりに台湾を訪問した萩生田政務調査会長は11日朝、日本と台湾の関係をテーマにした会合で講演しました。 この中で、萩生田氏は、「台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事である」という安倍元総理大臣のことばに言及したうえで、台湾への軍事的な圧力を強める中国をけん制するとともに、日本、台湾、アメリカの間の連携のさらなる強化を訴えました。 そして、日本の取り組みを紹介し、「NATO諸国と同様のGDP比2%以上を念頭に、5年以内に防衛力の抜本的な強化を進めていく。財源は、歳出改革のほか、場合によっては、国債償還
はらだ・ゆたか/1950年東京生まれ。名古屋商科大学ビジネススクール教授。1974年東京大学農学部卒。経済企画庁、財務省などを経て、大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを歴任。著書に『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)、『デフレと闘う』など。 原田泰 データアナリシス 日銀審議委員等を歴任し、現在は名古屋商科大学ビジネススクール教授である原田泰氏が、日本の社会で日々起こるさまざまな事象を数字で読み解いていく。長年にわたって経済・金融政策立案の最前線に身を置いてきた原田氏ならではの鋭い視点で、日本の深層に迫る。 バックナンバー一覧 一部報道などで、「悪い円安論」がはやっているようだ。しかしこれらは、間違い、あるいは重要な点を見逃している議論である。なぜ間違っているといえるのか、さまざまなデータをもとに分析する。(名古屋商科大学ビジネス
大学入学共通テストに導入される予定の英語民間試験について、萩生田光一文科相がBSテレビの番組で行った発言が、ツイッター上などで波紋を広げている。 萩生田氏は一方で、負担軽減に努めたいと説明したが、地方の受験生などへの配慮が十分ではないという声も多いようだ。 「故郷から出てね、試験を受ける、そういう緊張感も大事」 「そういう議論もね、正直あります」。2019年10月24日夜放送のBSフジ「プライムニュース」で、萩生田氏は、キャスターの反町理さんの指摘にこう反応した。 英検やTOEFLなど民間試験を使うことについて、反町さんが「お金や場所、地理的な条件などで恵まれている人が受ける回数が増えるのか、それによる不公平、公平性ってどうなんだ」との声があるとして、その部分についての見解をただしたときだ。 萩生田氏は、議論を認めながらも、お金の懸念について、こう説明した。 「それ言ったら、『あいつ予備校
日銀が先月買い入れた長期国債の合計額が16兆円を超え、1か月としては過去最大になったことがわかりました。長期金利の上昇を抑え込むため、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる措置を毎日実施したことなどが主な要因です。 日銀は7日、市場に供給しているお金の量を示す「マネタリーベース」を公表しました。 それによりますと、先月買い入れた長期国債の合計額は16兆2038億円で、1か月としては過去最大となりました。 これまで最大だった2016年4月の11兆円余りを、大きく上回った形です。 アメリカの金融引き締めなどの影響で日本の国債も売られやすくなり、長期金利が大規模な金融緩和の一環として日銀が示している「0.25%程度」の上限の近くまで上昇したため、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指値オペ」と呼ばれる措置を毎日実施したことで、合計額も大きく膨らみました。 この結果、長期金利の上昇は抑えら
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