2022年に大統領選挙で勝利して日本やアメリカとの距離を近づけてきた尹大統領と与党「国民の力」だが、前回の2020年総選挙では野党に過半数を大きく上回る180議席を奪われた。与党にとってはその「ねじれ国会」を解消するミッションがかかった屈辱戦と言える。 当初は野党の内紛などもあり与党側は「与党がどれだけ議席を伸ばすのかが焦点」(保守系紙記者)と楽観的だったが、このひと月あまりで状況は一転した。 実刑を受けた元法相が新党「祖国革新党」を立ち上げ 潮目が大きく動いたのは3月初旬。台風の目となったのは、元法相の曺国氏だった。 2019年に法相に指名されるも、検証過程で娘の不正入学疑惑が浮上し、35日という史上最速で退任に追い込まれた。尹大統領は当時検事総長としてこの捜査を主導し、大統領への道を開くきっかけとなった。 曺元法相はその後、娘と息子の不正入学のために文書を偽造した「公文書偽造」など12