国の持続化給付金事業で再委託や外注が繰り返された問題で、不透明な業務や支出の無駄がないかを検査していた経済産業省は12日、最終結果を公表した。事業に関与した企業は564社(受注額100万円以上)に上り、下請けは最大9次まで及ぶことが明らかとなったが、経産省は「手続きや取引の適切性を確認した」と結論づけた。(皆川剛)
安倍政権がコロナ不況への緊急経済対策として打ち出した「持続化給付金」。約2兆3000億円の予算がついたこの事業を経産省から委託された一般社団法人が、実体のない“幽霊法人”だったことが「週刊文春」の取材で分かった。社団法人の代表理事が「週刊文春」の取材に対し、「何も活動がない」と認めた。 持続化給付金事業は、昨年より収入が減った中小企業等の法人に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を上限に現金を支給する制度だが、入金が遅れるなどトラブルが相次いでいる。 担当する中小企業庁のホームページによれば、同事業を受注したのは「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、「サービス協議会」)」で、アベノマスクの予算を300億円も上回る769億円で契約している。 登記簿に記載されている所在地は、東京・築地にある9階建てのオフィスビルだ。記者が実際に訪ねてみると、確かにエントランス
はじめに 2兆3,176億円という壮大な予算額を計上し、2020年5月1日より受付が開始された政府の「持続化給付金」。所管は経済産業省(正確にはその外局たる中小企業庁)ですが、経産省はその執行にあたって「民間団体等に委託する」旨を、当初から明らかにしてきました(画像1)。 ※経済産業省関係令和2年度補正予算の事業概要(PR資料)p.13より引用。 民間団体への委託規模としては、類例を見ないほどに巨額のお金(しかも国費)が動く、今回の持続化給付金。しかも委託先にはその事務費(手間賃)として約769億円が支給されます(記事の⑤をご覧ください)。政府による布マスク配布事業の2倍近いお金が、一団体に流れ込むというのです。 令和2年補正予算案のもう一方の目玉であった10万円の一律給付(特例定額給付金/総務省所管)については市区町村を介しての給付となりましたので、民間委託はこちらのみ。委託先はどこが選
メッセージは5月24日、持続化給付金事務局のSlack内でTOWの責任者から一斉送信された。その文面は〈*責任者の方以外社外秘でお願いします〉という注意書きの後、次のように言及する(以下原文ママ)。 〈今後電通がある理由で受託に乗り出さないコロナ対策支援策があります。具体的には家賃補助の給付事業です。この話は電通がやりたくない、かつ中企庁(編集部注・中小企業庁)もいろんなところに相談をして全て断られ、最終的に博報堂が受注の可能性があるものになりそうです〉 「家賃補助の給付事業」とは、売り上げが減った中小事業者へ家賃を給付する家賃支援給付金事業のこと。メッセージの送信日は同事業の公示日より前で、電通の競合他社への警戒ぶりが窺える。文面はこう続く。 〈そのため、電通傘下で本事業にかかわった会社が、この博報堂受託事業に協力をした場合、給付金、補助金のノウハウ流出ととらえ言葉を選らばないと出禁レベ
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業などを支援する持続化給付金事業をめぐり、支給事務の委託や外注が繰り返される不透明な実態が9、10両日の衆院予算委員会の審議を通じて明らかになった。 「再々々々委託」まで広がる構図を指摘する声も上がるが、政府は全容を把握し切れていない。野党は「国のチェックが行き届いていない」と批判を強めている。 支給事務は、一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が769億円で政府から受託。これを749億円で広告大手の電通に再委託した。電通はグループ5社を経由する形で、人材派遣大手のパソナや印刷大手の大日本印刷に外注した。 10日の衆院予算委ではさらに、国民民主党の玉木雄一郎代表が「孫請け」「ひ孫請け」の先の「やしゃご請け」に当たる大日本印刷の関連会社に外注されていたと、同社で働く派遣社員の証言を基に追及。梶山弘志経済産業相は「先の事業者については初めて聞い
政府の緊急経済対策の柱となる事業で、手続き業務全体が769億円で民間団体に委託されていたことがわかった。この団体は業務の大部分を、大手広告会社の電通に749億円で再委託していた。経産省や団体、電通は詳しい経緯や金額の根拠などについて公表していない。 事業をめぐってはコールセンターがつながりにくいなど問題が相次ぐ。巨額の費用をかけて民間委託していたことの是非が問われそうだ。 769億円で受託→749億円で電通に 問題となった事業は、中小企業向けに最大200万円を支払う経済産業省の「持続化給付金」だ。経産省中小企業庁によると、「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」に、給付金の手続きやコールセンター事業などをまとめて委託した。 この協議会は2016年に、電通や人材派遣大手のパソナ、ITサービス業のトランスコスモスなどがかかわって設立された。これまでに今回を含め、経産省の「サービス等生産性向上
「持続化給付金」の事業を国から委託された社団法人が、業務のほとんどを大手広告代理店に再委託していることについて、梶山経済産業大臣は問題はないという認識を示しました。 これについて、梶山大臣は2日の記者会見で「いろんな業務が混じっている。ウェブでの申請に限っていて、どういう人材をどこに張り付け、どういう手順を踏んで支給するかという中で、こういった形を取った」と述べました。 そのうえで、電通に直接委託しなかった理由について、梶山大臣は「過去に電通が直接補助金などの交付事務を受託した際に、受け取った人から国の制度に応募したのに振り込み元が『電通』だったことから、問い合わせが集中したことがあった。そのため電通からは直接受託しないことを原則としていると聞いている」と述べ、再委託に問題はないという認識を示しました。 経済産業省は、業務を民間に委託するために公募を行い、競争入札の結果、「サービスデザイン
男性が全身にやけどを負った状態で見つかったとんかつ店=東京都練馬区で2020年5月1日午後4時54分、鈴木拓也撮影(画像の一部を加工しています) 4月30日夜、東京都練馬区のとんかつ店で火災があり、店主の男性(54)が全身やけどで死亡した。男性は東京オリンピックの聖火ランナーに選ばれていた。新型コロナウイルスの感染拡大で大会は延期されたうえ、店も営業縮小に追い込まれ、先行きを悲観するような言葉を周囲に漏らしていた。遺体にはとんかつ油を浴びたような形跡があり、警視庁光が丘署は出火の経緯を慎重に調べている。 30日午後10時ごろ、同区の鉄筋ビル3階建ての1階に入るとんかつ店から出火した。煙に気づいた近所の住民の119番で消防隊員らが駆けつけると、床と壁の一部が焼けており、客席付近で男性が倒れていた。搬送先の病院で、約1時間半後に死亡が確認された。同署は現場の状況から男性が油をかぶった可能性があ
中小企業に最大二百万円を支給する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会から事業の再委託を受けた広告大手の電通がさらに、人材派遣のパソナやIT業のトランスコスモスに業務を外注していたことが分かった。法人の設立に関与したこの三社が給付事業の大部分を担っており、実体に乏しい法人を経由して、国の委託費を身内で分け合う不透明な構図が浮かんだ。(森本智之、桐山純平) 経済産業省が一日、国会の野党合同ヒアリングで明らかにした。法人の職員全員が、三社を含む設立に関与した企業からの出向者であることも判明。給与は法人と元の企業の双方から出ており、野党議員からは法人の存在意義を問う声が強まった。 法人から七百四十九億円で業務の大部分の再委託を受けた電通は、給付金の申請の受け付け業務を四百五億円でパソナに外注、トランスコスモスにもコールセンターの運営を任せていた。給付金の振り込み業務についても、法
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><!-- /news/esi/ichikiji/c6/default.htm -->","naka6Sp":"<!-- BFF3053 SP記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 -->","adcreative72":"<!-- BFF920 広告枠)ADCREATIVE-72 こんな特集も -->\n<!-- Ad BGN -->\n<!-- dfptag PC誘導枠5行 ★ここから -->\n<div class=\"p_infeed_list_wrapper\" id=\"p_infeed_list1\">\n <div class=\"p_infeed_list\">\n <div class=\"
首相官邸のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)運営を担う4人の内閣官房「広報調査員」のうち1人を広告大手の電通から受け入れていることが判明した。前任者も電通からの受け入れで、安倍政権のネット情報発信には電通が深くかかわっているようだ。広報調査員とは、どんな仕事なのだろうか?【大場伸也】 事実上の「電通枠」か? 内閣官房の内閣広報室によると、広報調査員は2001年8月27日に小泉純一郎首相(当時)が決定した「内閣広報室に広報調査員を置く規則」により置かれた。これまでの総人数は確認できないが、現在は4人が発令され、うち電通から1人を受け入れているという。立憲民主党の辻元清美衆院議員の質問に文書で回答した。 この電通からの職員は今年2月20日~3月6日に公募し、応募のあった4人の中から書類選考、面接を経て4月1日付で採用…
「さらに今回、持続化給付金事業を所管しているのも前田氏がトップを務める中小企業庁。つまり、これまでに前田氏が責任者だった部署から計1100億円以上がサ協に流れています。経産省内で囁かれているのが、前田氏とサ協の実質運営者である平川氏との関係。その象徴がテキサス州で開催されている『サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)』の視察旅行です」(経産省関係者) 前田氏の知人が明かす。 「2017年から前田氏は、テキサスで開かれる音楽、映画、新興企業の見本市が一体となった世界最大のイベント『SXSW』に参加しています。前田氏は、会場近くの一等地にアパートの一室を借り上げ、『前田ハウス』と命名。知り合いを集めパーティを開いていている」 「前田ハウス」内でのパーティ 「週刊文春」は関係者から当時の資料であるパンフレットや内部写真を入手。 〈前田House in SXSW Austin〉と題されたパンフレ
国の持続化給付金事業を担う一般社団法人サービスデザイン推進協議会が設立から四年で、同事業を含め十四事業を計千五百七十六億円で経済産業省から委託されていた。うち九件を、広告大手の電通や人材派遣のパソナなどに再委託していたことも判明。残りの五件でも事業の大半を外注していた例があり、法人本体の実体の乏しさがより浮き彫りになった。 (森本智之) 過去の再委託の事例は経産省が国会議員に示した資料で明らかとなった。法人が再委託をした事業九件のうち、電通グループに七件、パソナには二件と法人の設立に関与した企業を中心に事業を回していた。 法人の不透明さが発覚する発端となった持続化給付金では、委託費の97%に当たる七百四十九億円が再委託費として電通に流れている。電通が設立に関与した法人から電通に事業が再委託される経緯について、両者はこれまで「回答を控える」としている。経産省は現時点で、持続化給付金以外の事業
持続化給付金事業を実体のない“幽霊法人”が受注していた問題で、この法人が設立からこれまで、経済産業省の最高幹部が在籍している部署から累計1300億円を超える発注を受けていたことが、「週刊文春」の取材でわかった。 今回、769億円で持続化給付金事業を受注した「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(以下、サービス協議会)」は2016年に設立された。サービス協議会を実質的に運営していたのは、電通社員(当時)のA氏で、名目上のトップだった代表理事(当時)は「経産省の方から立ち上げの直前に代表理事を受けてもらえないかという話があって、それで受けた」と証言するなど、経産省が設立に関与していた。この時、経産省は肝いりで始めた「おもてなし規格認証」事業の公募を開始。不可解なことにサービス協議会が設立されたのは、公募開始日と同じ日だった。
新型コロナウイルス対策の国の給付金をだまし取ったとして、警視庁が東京国税局職員の塚本晃平容疑者(24)(横浜市)ら20歳代の男女7人を詐欺容疑で逮捕したことがわかった。7人は投資仲間で、名義人に不正受給させた約2億円の大半を暗号資産に投資していたといい、警視庁が金の行方を調べている。 ほかに逮捕されたのは、塚本容疑者と同期入庁だった東京国税局元職員の男(24)(詐欺罪で起訴)ら。警視庁は2月頃にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに出国した30歳代の男が中心メンバーだったとみて行方を追っている。 捜査関係者によると、7人は2020年8月頃、埼玉県に住む当時17歳の少年(詐欺容疑で書類送検)がコロナ禍で収入を減らした個人投資家だと偽り、中小企業庁から持続化給付金100万円をだまし取った疑い。塚本容疑者は黙秘しているが、一部のメンバーは容疑を認めている。 7人のうち塚本容疑者ら複数のメンバーがオ
国から持続化給付金の業務を受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、2016年の設立以降、法律で定められている決算公告を一度も出していなかったことが3日、わかった。 協議会をめぐっては、電話番号が明示されていないなど、運営の実態がはっきりしないとの指摘が相次いでいた。新たに財務情報を公開していなかったこともわかり、不透明な民間団体に巨額の公的事業を発注した経済産業省の対応が問われる。 一般社団法人は「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づき、定時社員総会などの終了後、遅滞なく貸借対照表を公告しなければならない。法人の財務情報をきちんと知ってもらうためだ。しなかった場合は、「百万円以下の過料」という罰則もある。 衆院経産委員会で経産省は野党の質問に対し「協議会に確認したところ、設立年度である16年度以来、3カ年分の決算は適切に行われているものの、決算公告は行われていない」と
広告大手の電通が、持続化給付金事業を受託した「サービスデザイン推進協議会」(サ協)以外にも、経済産業省の事業を受託した別の一般社団法人の構成企業に名を連ねていたことが分かった。この法人の代表理事はサ協の設立時の代表理事と同一人物で、事業を電通に再委託する手法も同じ。定款の作成者名も経産省内部の部局で、サ協と同様、経産省が設立に関与したことをうかがわせる状況となっている。 (森本智之、大島宏一郎) 電通が設立していたサ協とは別の法人は、一般社団法人「環境共創イニシアチブ」。信用調査会社によると、電通が省エネに関する国の補助金交付事業を手掛けるため、グループ企業やエネルギー団体とともに二〇一一年に設立した。構成する企業は電通、電通ライブ、電通国際情報サービス、トランスコスモス、大日本印刷など。給付金事業に関わる企業が名を連ねた。 梶山弘志経産相の十二日の国会答弁によると、一七〜一九年度の三年で
新型コロナウイルス感染拡大の影響で売上が半減した中小企業などを支援する「持続化給付金」事業について、経済産業省から委託された一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」と電通が8日、都内で記者会見を行った。同協議会は769億円で事業を受注し、うち97%にあたる749億円で電通に再委託された。 【会見ノーカット】「持続化給付金」委託先の社団法人と電通が会見 電通はさらに、複数のグループ会社に業務を委託していた。会見で、電通の榑谷典洋副社長は、グループ会社への委託は「われわれができ得る限りの品質」を追求したためと説明した。 この事業の利益率について問われると、同副社長は「経済産業省のルールで管理費は10%か電通の一般管理費率の低い方で計上するようにと指導されている。我々の一般管理費率は10%を超えているので、今回はルールに則り10%とした。われわれが通常実施している業務に比較すると低い営業利益に
経済産業省の家賃支援給付金事業の民間委託で、広告大手の博報堂が入札に参加し落札できなかったことが24日わかった。この事業をめぐっては、ライバル関係にある電通の管理職が、博報堂の事業には協力しないよう下請け企業に圧力をかけた問題が判明している。 衆院経産委員会で、野党側が家賃支援給付金事業の入札関係書類を明らかにした。入札には博報堂と人材サービス大手のリクルートが参加。落札したのはリクルートで入札価格は693億円だった。博報堂の入札価格は公表されていない。経営規模などをもとにした評価指標の「等級」は、リクルートはCで博報堂はそれより上のAだった。野党側は、委託先選びの経緯を詳しく明らかにすべきだと迫った。梶山弘志経産相は、「総合評価方式ということで価格のみならず様々な提案について採点した」と説明した。 家賃支援給付金事業をめぐっては、電通社員がイベント企画大手「テー・オー・ダブリュー」(TO
さて、今回は今話題の『一般社団法人サービスデザイン推進協議会』を取り上げましょう。 一般社団法人サービスデザイン推進協議会は、中小企業などに最大二百万円を支給する持続化給付金で、経済産業省から769億円分、委託されますが、実際は委託費の97%に当たる749億円で電通に事業を再委託。電通から、人材派遣のパソナや電通子会社など法人の設立に関わった企業に非公表で外注されていました。 野党議員たちが所在地を確認しても誰もおらず、一六年五月の設立から、社団法人に関係する法律で義務付けられている官報などへの決算開示をされておらず、ホームページすらない、代表電話も設置されていない、実体の乏しいこの法人に多額の税金が渡っている構図なのです。 さらに不思議なのは、この胡散臭い民間団体「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」が、過去に経済産業省の計14件の事業(総額約1600億円)を受託していたというのです
マイナンバーカードを使ったポイント還元事業の事務を総務省から受託した「一般社団法人環境共創イニシアチブ」が、実務の多くを広告大手の電通に再委託していたことがわかった。経済産業省の事業では、持続化給付金など複数の事業で電通への大規模な再委託が行われていたが、同じ構図が他省でも明らかになった。 環境共創は2011年2月に設立。経産省などからエネルギー・環境分野で補助金事業などを請け負ってきた。メンバーには、石油連盟や電気事業連合会などのほか、電通やトランスコスモスなど、持続化給付金事業を請け負った「一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ推協)」のメンバーと同じ企業も名を連ねる。 消費活性化などを狙うマイナポイント事業は今年9月から7カ月間、カード保有者に買い物で使える「マイナポイント」を配る。 総務省によると、この事業で環境共創に支払われる金額は現時点で350億円。そのうちキャッシュレス決
DOL特別レポート 内外の政治や経済、産業、社会問題に及ぶ幅広いテーマを斬新な視点で分析する、取材レポートおよび識者・専門家による特別寄稿。 バックナンバー一覧 首相“直撃”の相次ぐ不祥事 揺らぐ政権基盤 「桜を見る会」や「検察人事」で揺れた安倍政権だが、現職国会議員の「河井克行・案里夫妻の逮捕」という不祥事にまたもや見舞われた。 側近だった克行議員を法相に任命したのは安倍晋三首相だったし、公職選挙法違反(買収)の容疑がかけられている案里議員の参院選出馬を強引に進めたのも首相と菅官房長官だった。 政権直撃のスキャンダルが相次ぐ中で、とりわけ致命傷になりそうなのが、新型コロナウイルス対策の給付金をめぐる“税金横流し”の疑惑だ。 過去、「森友・加計問題」などの不祥事が起きると、経済や雇用の好況をアピールすることで支持率回復につなげ求心力を維持してきたが、“給付金スキャンダル”はアベノミクスのど
持続化給付金「再々々々委託」 政府も全容把握できず 2020年06月11日07時15分 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた中小企業などを支援する持続化給付金事業をめぐり、支給事務の委託や外注が繰り返される不透明な実態が9、10両日の衆院予算委員会の審議を通じて明らかになった。「再々々々委託」まで広がる構図を指摘する声も上がるが、政府は全容を把握し切れていない。野党は「国のチェックが行き届いていない」と批判を強めている。 サービス協議会が事務所公開 PC十数台、5人が勤務 支給事務は、一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が769億円で政府から受託。これを749億円で広告大手の電通に再委託した。電通はグループ5社を経由する形で、人材派遣大手のパソナや印刷大手の大日本印刷に外注した。 10日の衆院予算委ではさらに、国民民主党の玉木雄一郎代表が「孫請け」「ひ孫請け」の先の「やしゃご請け
持続化給付金の民間委託問題をきっかけに、経済産業省が多数の事業を広告大手電通に任せていた実態が明らかになった。大規模な業務を「仕切る」ノウハウがある電通と経産省の相互依存が浮き彫りになっている。情報公開は十分とはいえず、税金が適切に使われているのか疑問視されている。 東京・築地にある9階建てのビル。この2階に経産省から給付金事業を委託された「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」の事務所が入る。2016年に電通が中心となって設立。電話番号は公表されず、入り口のインターホンは取り外されている。 協議会は給付金事業について大半の業務を電通に再委託。電通はそれをさらに電通ライブなど子会社5社に外注している。 このビルの2階と3階のオフ…
経済インサイド 民間委託のあり方が問われるきっかけになった持続化給付金の問題。経済産業省は見直しをアピールするが、業務を担う業者を2割しか明かさず事業の全体像はいまも見えない。過去の民間委託をめぐり、経産省が税金の使い道を示す資料に業務を担う広告大手電通の社名を記載していないケースがあることも判明した。持続化給付金の委託先は9月1日に変わったが、問題の解明はこれからだ。 「どういうビジネスモデルになっているのかと行政事業レビューシートを集めたが、外注先として電通の社名が出てこない」 2日の衆院予算委員会で、立憲民主党の川内博史氏はこう経産省を追及した。 経産省の民間委託において、電通はサービスデザイン推進協議会など複数の一般社団法人を通じて再委託・外注を受けている。この5年余りで少なくとも72事業約1415億円に上る。多額の事業を担っているのに、お金の流れなどを記す資料「行政事業レビューシ
審査を担当する派遣社員が身に着ける名札やIDカード。勤務地や本人の名前などが記載されている=一部画像処理 国の持続化給付金事業は、実体に乏しい一般社団法人を経由して委託・外注が重ねられ、業務の運営が不透明だとの批判が上がっている。「ひ孫請け」にあたる企業の子会社で給付金審査を担当する派遣社員は、無駄の多さや目まぐるしく変わる審査基準など現場の実態を語った。 (嶋村光希子) 【関連記事】持続化給付金、1万件超が未払い 5月開始2日間の3・5% 【関連記事】給付金受託法人の事務所また無人に 前日に内部公開 【関連記事】給付金の不透明な業務委託 安倍首相説明尽くさず 「『資料を読んでください』と指示され、ほぼ一日、何もしなかった」。東京都北区にある審査現場で働いていた男性は、五月一日の申請初日から数日間のことを振り返った。後に、初日は申請が殺到したことで経産省中小企業庁のホームページにアクセスし
新型コロナウイルス対策の持続化給付金事業をめぐり、事業に関わる業者の全体像を示す資料を経済産業省が受け取ったのが8日だったことが、明らかになった。梶山弘志経産相が9日の衆院予算委員会で答弁した。大半の事業が再委託され、多数の下請けが絡む構図が不透明と批判されているが、同省が全容を把握していない状況で事業が進められていたことになる。 同省は、持続化給付金の事務を769億円で「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」に委託。協議会は、受注額の97%に当たる749億円を広告大手の電通に再委託している。 同省の内規では、一部の事業であっても再委託を禁じているが、下請け、孫請けといった委託先の全体像を示す「履行体制図」を提出した場合は、再委託を認めている。今回の事業も、体制図提出の対象だ。 「少し錯綜したことは申し訳ない」 協議会が4月末に提出した体…
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く