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  • 手取り19万円の栄光の終わりに

    舵のない舟 かくて早くも彼の心は、洗練された隠遁の地、心地よき無人の境、人間的愚かさの絶えざる氾濫を遠く逃れた、びくとも動かぬ、なまぬるい方舟を夢みつつあった。 ユイスマンス『さかしま』 さかしま (河出文庫) 思えばおれの人生というのは舵のない舟に乗って川を流れてきただけだ。みすぼらしい帆や、壊れかけのエンジンはついていたかもしれない。ただ、流れてくるように、流れてきた。 おれは人生に興味がなかった。正確にいえばおれはおれの人生に興味がなかった。明日、どうしよう。五年後、どうしよう。大人になったら、どうしよう。なに一つ向き合ってこなかった。 親だとか誰かだとかにいわれるがままに、適当に流れてきた。意思というものがなかった。 べつに親だとか誰かだとかを信じていていたとか、そんな話もない。自分は確固たる意思をもって、意思を持たずに生きてきた。 人生の岐路に立って自分で道を選んだという覚えもな

      手取り19万円の栄光の終わりに
    • 今のJ-POPって意味のあること歌い過ぎじゃない?

      米津玄師とかヨアソビとか聞いていると頭痛くなる 歌詞がめちゃくちゃ文章じゃん 5W1Hありすぎ 情報詰まりすぎじゃない? 最近のJ-POPって全部そう 言葉でなにか伝えようとしているし、言葉の表現を凝ろうとしているのがすごい伝わってくる だから売上が下降しているんだよ、今のJ-POPは 90年代のJ-POP黄金期の歌詞ってなにも考えずに聞けたもん ラルクは「早く走ったら気持ちいい~」だし、グレイは「別れって悲しい~」ぐらいのことしか言ってない スピッツなんて文章にすらなってなくて聞いて気持ちいい単語を並べましたって感じだしな リスナーはそれを電車に乗りながらとか「なんか気持ちいい~」ぐらいの感覚で聞き流していたのよ 今のJ-POPってパソコンの前に座って歌詞見ながら聞く前提になってない? こだわりのラーメン屋みたいになってるよ 腕組みした職人気取りが「俺の歌詞どやっ!」って迫ってくる感じ

        今のJ-POPって意味のあること歌い過ぎじゃない?
      • 全俳句データベース

        ぜんぶの俳句のデータベースです

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        • YOASOBI「アイドル」の歌詞が小学生にふさわしくないので運動会で使ってほしくないって投稿を見て、自分が子供の頃「好きな男の腕の中でも~違う男の夢を見る~~~」と嬉々として歌ってたのを思い出した

          深爪@「親になってもわからない」好評発売中 @fukazume_taro YOASOBI「アイドル」の歌詞が小学生にふさわしくないので運動会で使ってほしくないって投稿を見て、自分が子供の頃「好きな男の腕の中でも~違う男の夢を見る~~~」と嬉々として歌ってたのを思い出した。 2023-11-05 15:41:59 深爪@「親になってもわからない」好評発売中 @fukazume_taro 子供の頃、テレビを観ながら母親に「『みせられて』って何を見せられたの?」とか「『ちょっとだけよ。あんたも好きね~』って何が好きなの?」みたいなことをちょいちょい聞いてたけど、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。 2023-11-05 15:59:17

            YOASOBI「アイドル」の歌詞が小学生にふさわしくないので運動会で使ってほしくないって投稿を見て、自分が子供の頃「好きな男の腕の中でも~違う男の夢を見る~~~」と嬉々として歌ってたのを思い出した
          • 関東平野の学校って近隣に山とかないけど校歌どうしてるの?→地域の特徴や無理矢理感が面白い「いくらなんでも遠すぎだろ、って」

            リンク Wikipedia 武蔵野 武蔵野(むさしの)は関東の一地域を指す地域名。 「どこまでもつづく原野」として、あるいは「月の名所」として、古来さまざまな文芸作品、美術・工芸作品に題材とインスピレーションを与えてきた。 名称に「武蔵野」を持つ地名、作品、その他については以下に記載。 武蔵野の範囲について明確な定義はないが、広辞苑によれば「荒川以南・多摩川以北で、東京都心までの間に拡がる武蔵野台地」であり、また広義には「武蔵国全部」を指すこともあるとされる。 またたとえば、江戸後期に出版された『江戸名所図会』(後述)は、「南は多摩川、北は 5 users 16

              関東平野の学校って近隣に山とかないけど校歌どうしてるの?→地域の特徴や無理矢理感が面白い「いくらなんでも遠すぎだろ、って」
            • お寿司の幸せパワーはすごいという話

              スーパーのパックのお寿司で幸せになれる これ全部私の寿司なんだぜという気持ち スーパーのお寿司はちゃんとシャリにわさびついてるんだけどもそれでもわさび醤油で食べるのが好き 十個くらい別々のお寿司が入ってるやつ それを好きな順番で食べる なんかセオリーとかあるのかもしれないけど知らん パックのお寿司だよ そこに礼儀など求めるのは逆に無礼ではないか なんも知らねえから穴子からいったんだ 普段は好きなものは最後に食べる派なんだけどもパックのお寿司は色々入ってるので好きなものから始めて好きなもので終われるんだよなあ それがまた幸せなんだよなあ 熱いお茶をお供にしていくのもいいが酒でもいい 今日はなんか気分的におちょこで日本酒飲んだ 合うのか合わんのかもわからない マリアージュってなに? 半分くらいになったあたりで並べ直してパックをお寿司のお立ち台にするのが好き さあ今から好きなお寿司のランキングを

                お寿司の幸せパワーはすごいという話
              • ノーベル文学賞を受賞した作品が日本語訳がなく書店に並ばない状況が起きている

                WAKEMI Akira @awakemi 京都にある大谷大学の教員。手持ちの時間と能力とを無視した好奇心に振り回されて、しばしば義務の履行を忘れる。基本的に独り言で、色んな性質のものがゴッチャです。あまり他人様にお見せできるようなものではないかも知れません。真宗大谷派恵日山長光寺の住職でもあります。 https://t.co/uc5p6MEwVA WAKEMI Akira @awakemi 今回のノーベル文学賞発表の報道で印象的だったのは、受賞者発表されても日本には書店に並べる日本語訳がないという状況だった。 ノーベル文学賞を受賞するほどの人は既にいくつもの賞を受賞していたりノミネートされていたりする。そういう人の作品が日本語に訳されていないというのだ。 2023-10-06 07:30:36 WAKEMI Akira @awakemi 文学は、外国語が日本語に最も翻訳されやすいジャンル

                  ノーベル文学賞を受賞した作品が日本語訳がなく書店に並ばない状況が起きている
                • 文フリに現代の「文学とは何か」を見た

                  11月11日(ポッキーの日)、かねてより見物したいと思っていた「文学フリマ」に参加した。おのぼりさん感覚、文化祭感覚、そしてかつて開いていた僕の本屋「フィクショネス」感覚を、存分に味わうことができた。誘っていただいた破船房の仲俣暁生さん(当「マガジン航」の編集発行人)に、まずは感謝する。現場でも仲俣さんは大奮闘なさって、おかげで僕は楽ができた。 開場は12時の予定で、準備は10時からということだったが、僕たちが到着した時(つまり開場2時間前!)には、すでに来場者が行列を作っていた。東京流通センターをフルに使った会場は広かったが、個々のブースは狭かった。破船房もひとつのテーブルを半分だけ使うことができて、そこに仲俣さんや僕の本を、なるたけ見栄えよく並べて客を待った。 テーブルの残り半分を占める隣のブースは、11時を過ぎても人が来なかった。大きな段ボールがいくつも積んであるばかりで、他人事なが

                    文フリに現代の「文学とは何か」を見た
                  • “言葉”の意味が変わっていく ウクライナを訪ねて | NHK | WEB特集

                    「風呂」は「避難場所」に変わり、「きれい」は「危険」を意味するようになった―。 戦禍のウクライナで、詩人が市民から聞きとった言葉が、今世界に広がっている。 「戦争語彙集」と名付けられた1冊の本。 その英訳をネットで目にした、日本文学研究者のロバート・キャンベルさんは「自分で翻訳して日本へ届けたい」という強い衝動に駆られた。 そして初夏、ウクライナへ向かい、編著者の詩人や証言した市民たちと対話を重ねた。 ロシアによる軍事侵攻から1年半。 キャンベルさんが現地で直面したのは、“戦争によって言葉の意味が変わる”という現実。 そして文学者の使命とは何かという問いだった。 2週間におよぶウクライナへの旅に、私たちは同行した。 (仙台放送局 ディレクター 堀越伶) 今年5月にウクライナで出版された「戦争語彙集」。 すでに10か国語での翻訳が決まるなど、異例の早さで世界に広がっている。 本を開くと、アル

                      “言葉”の意味が変わっていく ウクライナを訪ねて | NHK | WEB特集
                    • カナダの詩人ルピ・クーア氏、ホワイトハウスへの招待を拒否 イスラエル擁護に抗議

                      著名なインド系カナダ人の詩人、ルピ・クーア氏が米ホワイトハウスへの招待を拒否した/mpi04/MediaPunch/IPx/AP (CNN) インド系カナダ人の詩人、ルピ・クーア氏はこのほど、米ホワイトハウスがヒンドゥー教の祭典「ディワリ」に合わせて開催するイベントへの招待を断ったことを明らかにした。バイデン米政権のイスラエル擁護が理由だと説明している。 今年のディワリは今月12日。イベントはインド系のハリス副大統領が主催する。 クーア氏は声明で、子どもたちを含む民間人への「集団的懲罰」を支持する機関からのいかなる招待も拒否すると表明。米政権はパレスチナ人のジェノサイド(集団殺害)を正当化し続けていると非難した。 クーア氏はインド生まれで、SNSに投稿する詩が絶大な人気を呼んでいる。ディワリは「偽りでなく正義を、無知でなく知識を」たたえる行事で、米政権の立場はその正反対だと批判した。 ディ

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                      • 詩と言葉  奈々子に <吉野弘>

                        赤い林檎の頬をして 眠っている奈々子。 お前のお母さんの頬の赤さは そっくり 奈々子の頬にいってしまって ひところのお母さんの つややかな頬は少し青ざめた お父さんにも ちょっと 酸っぱい思いがふえた。 唐突だが 奈々子 お父さんは お前に 多くを期待しないだろう。 ひとが ほかからの期待に応えようとして どんなに 自分を駄目にしてしまうか お父さんは はっきり 知ってしまったから。 お父さんが お前にあげたいものは 健康と 自分を愛する心だ。 ひとが ひとでなくなるのは 自分を愛することをやめるときだ。 自分を愛することをやめるとき ひとは 他人を愛することをやめ 世界を見失ってしまう。 自分があるとき 他人があり 世界がある お父さんにも お母さんにも 酸っぱい苦労がふえた 苦労は 今は お前にあげられない。 お前にあげたいものは。 香りのよい健康と かちとるにむづかしく はぐくむにむ

                        • 【現代詩】「風にしなる」 ただ立ち尽くす男のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                          風にしなる 枝も葉も 何もかも 落としてしまった 竹のような男が 風に吹かれ しなる しなる 風を切る音を あたりに 撒き散らして 足を地面に踏みしめて しなる しなる 湿った 雨をはらんだ風に 煽られて 太い うなり声を 吐きながら しなる しなる しなる 枝も葉も 何もかも 落としてしまった 竹のような男が 地面を踏みしめ 雨に濡れ 風に煽られて ただ、しなる しなる しなる ***** 折れないし、倒れない、そんな男のイメージです。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

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                          • 【現代詩】「気 配」 自然との境界が揺れているイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                            気 配 夜の 暗闇の中で 息を潜めていた その時 身体の表面を ざわざわと激しく 波立たせたのは 深い底から 沸き上る瞬間を ひっそりとうかがう 黒い毛皮の 獣の (…ケハイ… ***** 自然と人間の生活との境界が振動しています。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

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                            • 【現代詩】「鞄」 手放せたもののイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                              鞄 不意に 足が重くなり 乗り込むつもりの 電車に乗り遅れてしまう プラットフォームで 次の電車を待っていると もう電車は来ないとアナウンスがある あきらめて 立ち去ろうとすると 僕の鞄を持った男が 急ぎ足で階段を上っている 声をかけようとしたが なぜか口が開かない その鞄には とても忌まわしいものが 入っているのだ そう教えてあげようとしたが その男には 僕の声はもう届かないだろう ***** 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

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                              • 【現代詩】「それは華だろうか」 部屋の隅で囁くもの 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                それは華だろうか 足元に散り積もった 色とりどりの 僕の傍にいつもある ノスタルジーの塊を チクチクと刺激する 落ち着かなくさせる そしてあの部屋の隅に 引き込んでしまう それは華だろうか 季節の変わり目の 雨を呼ぶだけの 雨を呼ぶだけの… ***** 目の端だけで見ることができるものって、ある気がしています。 けっして真正面からでは見えないもの。 そんな感じで見えている華があるようで。 それは、明るい部屋ではなく、過ぎ去った時間を押し込んでおくところでだけ、見えるもの。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

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                                • 【現代詩】「脆いものの底に」 時の流れのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                  脆いものの底に 流行するとは やがて廃れるということだ 先頭に立つということは やがて追い抜かれるということだ 目立ってしまうと 皆にいじられ汚れていく 千年、二千年、三千年の時間に洗われ 角が取れ、鈍く光る 触れると冷たいが 次第にさわやかな風を身体の中に送り込むものが それら脆いものの底に 確かに、ある 小魚のように群れ泳ぐ言葉たち 静かに、笑っているような… ***** 時間の底に堆積しているものが、確かにあるように感じています。 変わり続ける一つきりのもの。 変わらない一つのもの。 同じものを、別の面からみているのかもしれませんが。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                    【現代詩】「脆いものの底に」 時の流れのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                  • 【現代詩】「また、一歩」 戸惑いと決意の間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                    また、一歩 僕は、ついさっき考えていたことの上に立っている さっき、していたことの上に立っている さっきまであったものは すべて、僕の足の下にあるのだ そして、僕の前には 真っ暗な、底の見えない闇があるだけ どこに向かって足を進めたらいいのか まるでわからないのだ 不安になって振り返ってみても 今、立っている、この高い柱のようなものの他に ほの明るい空間が見えるだけで 踏みしめていたはずのところはどこにもない 幸い、ここに立ち続けることはできるようだが ここにずっといたならば もう誰にも会えない気がする 家族にさえも ここに立ち尽くすことも 進むことも、すべて僕が決めることだ ここまで進んできたのだ 暗闇に目を凝らし 底の見えない空間に向かって また、一歩… ***** 暮らしていくということは、いつも戸惑い、なんらかの選択をするということの繰り返し。 時間は逆戻りできないので、後悔するこ

                                      【現代詩】「また、一歩」 戸惑いと決意の間 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                    • 「マイクが音を"拾う"」「エラーを"吐く"」最初に言い出した人メンタルが詩人だなと感じる言葉たち

                                      真ん中 @man_naka__ @tankakayo えー!絶対そうですね! 落ちたことある人にしかできない表現、、 ロマンチストって感じですね そういえば、「落ちる」って恋の時にしかいい意味で使わない気もします 面白いです、! 2023-12-09 22:17:50

                                        「マイクが音を"拾う"」「エラーを"吐く"」最初に言い出した人メンタルが詩人だなと感じる言葉たち
                                      • 【現代詩】「雪の処方箋」 暗い空から剥がれ落ちる白い雪のかけらのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                        雪の処方箋 雪を処方 いたしましょう 雲から剥がれた 淡雪を 月のきれいな 静かな夜に 一粒目尻に 置くのです その冷たさが 盛り上がり 温もりになって 流れたら 明日の朝に 目覚めるための 静かな夢を 見てるでしょう ***** 今回の詩は、以下の詩集の表題作です。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                          【現代詩】「雪の処方箋」 暗い空から剥がれ落ちる白い雪のかけらのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                        • 【現代詩】「殻」 ここ、ではない場所へ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                          殻 硬い殻から 冷たい雨の中に 連れ出され 置き去りにされた 犬よりも悲しい目を しているのではないか 雨雲を 見上げることが 出来ない それすら 僕の目には 眩し過ぎるのだ あの 硬い殻は もうすぐ飛び立ってしまう ***** 2007年の12月に書いた詩です。 それが曇り空であっても、そこに向かって飛び立ちたい。 そんなことを考えていたようです。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                            【現代詩】「殻」 ここ、ではない場所へ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                          • 【現代詩】「地下茎」 深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                            地下茎 ここ、に この地下に溜まる 巨大な爆縮が持ち去った 触手の時代の空洞 あるいははじめからなかったもの 後退する凍土が置き去りにした湿地 涯からの響きに応えるのはこの地下に並ぶ灰色に膨れ上がる腹を抱えた箱舟の群暗い窓に浮かぶ口不ぞろいな歯に肺が潰れもう息を吸い込むことの出来ないがための窒息する叫び 北の、西の、南の、東の 炭鉱を、灰色の男達が、女達が取り囲み 赤い提灯を掲げて、回り始める とろけるようにゆがむ遠い涯に陽が落ち 水から上がったばかりの月が光を滴らせると 男達が提灯の火を互いの背に押し付け 腐臭を漏らす 女達が下腹に零れ落ちる塊を 乳飲み子のようにあやす その時、不意に燃え上がる駅舎 響き渡る呱々の声 北の地の、いくつもの坑道口から噴出す炎 そのなかでのたうつ 地下茎 絡まりあう紐帯 激しい風が呼び込まれ 影が、赤い光の中に消える、と (…忍び込む、涯… 「私」は地下の腐

                                              【現代詩】「地下茎」 深い地底で醗酵する古代の遺物のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                            • パレスチナ人詩人Refaat Alareer氏、ガザの空爆で死亡

                                              Refaat Alareer氏がXで発表した詩「もし私が死ななければならないなら(If I must die)」は何万回もシェアされた。(提供) Alareer氏はガザのイスラム大学で英文学の教授を務め、シェークスピアなどを教えていた ガザ:みずからの体験を英語で書くことを選択した若い作家たちのリーダーの1人であったパレスチナ人詩人Refaat Alareer氏がイスラエル軍の空爆で死亡したと7日夜、友人たちが語った。 「私の心は傷ついている。友人であり同僚のRefaat Alareer氏が数分前に家族と殺された」と、友人でガザの詩人Mosab Abu Toha氏はフェイスブックに投稿。 「信じたくない。私たちは一緒にイチゴを摘むのが大好きだった」 ハマス当局によると、イスラエルは7日夕方、ガザ地区北部でさらなる空爆を行った。 Alareer氏は、イスラエルが10月に地上攻撃を開始した数日

                                                パレスチナ人詩人Refaat Alareer氏、ガザの空爆で死亡
                                              • 【現代詩】「港と駅のある街で 1」 北の街の一夜の情景 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                港と駅のある街で 一 雪の激しく降る夜 誰もいなくなった駅に ひっそりとたどり着いた列車から 灰色に膨れ上がり 眼球の溶け落ちた男たちが 何人も、何人も降り立ち 暗い改札口を抜けて 雪の降り続く街の中にさまよい出るのだ ***** 冬の夜の幻想。 風の音が、遠く、近く。 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                  【現代詩】「港と駅のある街で 1」 北の街の一夜の情景 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                • 李志、电声与管弦乐 12.回答

                                                  原诗:北岛 曲、唱:李志 编曲:陈伟伦、徐梧桐 演奏:李志乐队与靳海音管弦乐团

                                                    李志、电声与管弦乐 12.回答
                                                  • 【現代詩】「夜 見 島」 砂州の先にある暗い島のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                    夜 見 島 予感(…ぎっしりと詰まった白色の空間搾り出されるいくつもの黄色い目砂を重く詰め裏返し熱く濡れた冷たい夜 振動する石英の微粒子 降りはじめる雨 秋の日の 砂浜の 穴 衣服から滑り水に落ち溶ける救いのない獣の動き黒くぬるい底流された服に手が届かない不意に(…前歯が抜け落ち深く ふかく 黒衣の僧侶 祈る枝 擦り 青い 雪 落ちる 風 ぬるく 冷たく 濃く 赤く それは誰の 匂い だろう(…読まれているこのまま巻き込まれ漆黒の汽車は勢いを落とさずに深い緑と赤い熱風とそれは舞い上がる雪と立ち上がる根と枝と手 夜見島(…、ここ、 滑り抜け 祈る根 空中の都市 木造の巨大な建築群 と分断 やおろずの やよい やまたい やまと いと 不安にさせる黒く 毒を吐く 崩れかけ 石に埋もれた 腐朽船 あの穴は あの 鴉は(… 遠い 西の しかし 空間に(…ここ、に 重く 手応え なにか(…ここ、に あ

                                                      【現代詩】「夜 見 島」 砂州の先にある暗い島のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                    • 谷川俊太郎 未来を生きる人たちへ - プレミアムA - :朝日新聞デジタル

                                                      谷川俊太郎たにかわ・しゅんたろう 1931年、東京生まれ。52年に詩集「二十億光年の孤独」を刊行してデビュー。「日々の地図」で読売文学賞、「世間知ラズ」で萩原朔太郎賞、「トロムソコラージュ」で鮎川信夫賞、「詩に就いて」で三好達治賞、95年度に朝日賞など受賞歴多数。詩作のほかに絵本、エッセー、翻訳、作詞も手がける。

                                                        谷川俊太郎 未来を生きる人たちへ - プレミアムA - :朝日新聞デジタル
                                                      • 【現代詩】「重なる街」 いつまでも私たちを待ち続けている場所のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                        重なる街 歩きなれたはずの歩道が 不意に揺れる 表面がふるふると ゼリーのように震え その下に、もっと硬い何か もっと古い何がが 隠れていたことを 僕に知らせる ああ、ここ、にあったのか 僕たちが恥ずかしげもなく 厚く重ねてしまった 埃だらけの層の下に そして 僕がここで倒れ込むことを ずっと待っていたのか 重なり続ける 街は 僕の故郷は… 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「重なる街」 いつまでも私たちを待ち続けている場所のイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩 ランキング参加中雑談・日記を書きたい人のグループ

                                                          【現代詩】「重なる街」 いつまでも私たちを待ち続けている場所のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                        • 【現代詩】「秋の駅/豊沼」 渦を巻く季節の中心にある故郷のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                          秋の駅/豊沼 空間を埋めるいくつもの勾配から そのざわめきから 瞬間に凝り、ゆっくりと とてもゆっくりと 滑り落ちる小さな無数の滴の群を その静かな流れを 層流状態に落とし込むのは 冷ややかな激しさ 滴は加速する螺旋を描きながら寄り集まり 青い球状の塊になり表面に漣を走らせる そして強度の変化域に捕らわれ 激しく揺すぶられると 歪みながら縮み 黒変した後 弾ける その時に失われる わずかな質量が その涯を、ここ、に手繰り寄せる その風は、線路の上を あの日の「私」の後を 追って、行った そして、何度もここに帰り、 ここから始める この、「私」への収縮 あの春、の、さびしげな背中と あの夏、の、 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「秋の駅/豊沼」 渦を巻く季節の中心にある故郷のイメージ 現代詩の

                                                            【現代詩】「秋の駅/豊沼」 渦を巻く季節の中心にある故郷のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                          • 【現代詩】「隙」 記憶の溜まるところ、あるいは湧き出すところのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                            隙 身体が動くと、意識が遅れる 意識が身体の中に拡がろうとしても 浸透しきれない、暗闇が阻み 身体はまた、意識を置き去りにする どうしても埋めきれない隙間に ヌルい湿気が満ち、震えている それは涙でも、臓器でもなく 幼い笑い声、あの、春の日の 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「層 音 界」 物理化学教室のノスタルジーと重たい液体のイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩

                                                              【現代詩】「隙」 記憶の溜まるところ、あるいは湧き出すところのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                            • 【現代詩】「溶け残る街」 溶けて大地に浸み込んだものだけでできた夜の街のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                              溶け残る街 (…足元の影が薄くずれる… (…きっと… (…ずっと 前に… (…「私」達は始めていた… 空間を切り分ける目盛りが わずかの気配に震え 濁りのない雨が凝り落ち (…膨張し… 地面を転がり 「底」からの微かな音に揺れる 臆病な「私」達を温かく濡らし窒息させる …宙を走る文字はどこでも構わない… …「今」を「物」にして… …それがいつなのか、と… …誰のものにでもなれる声で呟き… 熱すぎた界面は冷め 「私」達は再び固く重なり (…軋み… 高い空からの「声」を練り込む風に 乾きながら、「同じ」夢の中にヌルク沈む …その巨大な砲台は休むことなく… …重く詰まった筒を打ち上げ続ける… …暗い駅… …遠い「過去」の涯で… …渦を巻き、炸裂する枯葉… 日陰の雪のように しかし、「ここ」にある「過去」が (…斑に… 立ち上がる高層建築の「底」や 地下道に溶け残る …書き記された「言葉」が滑り…

                                                                【現代詩】「溶け残る街」 溶けて大地に浸み込んだものだけでできた夜の街のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                              • 【現代詩】「男鹿線」 東北を一人旅したときの旅情にのせて 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                男鹿線 かたん かたん と走る 列車の中に どこからか 晩秋の北国の 冷たい風 と、通路をはさんだ 向かいの座席に ぽつんと一人 制服の少女 きっと さっきまで にぎやかに おしゃべりをしていた その 一人 本を読む 一人旅の僕に その声は 遠く 聞こえていた 友達はみんな 途中でおりて 一人の少女は ゆっくりと 縮んでいるようにみえた でも それが 彼女が 自分と 向き合った時の ほんとのおおきさ 少し開けた窓から なにかを探している 吹き込む風に 少女の髪が 揺れる と どこからか とんぼが飛んできて ふっ と 彼女にとまった 彼女は とんぼを 見つめると そっと手のひらで包み 窓から 逃がした ふいに 僕の中の 冷たい/銀色の 液体が きぃん と 揺れた ああ 君は そのままで その やさしさを いつまでも 僕は 旅を続ける つづける から ***** 秋田県内を一人旅したことがある

                                                                  【現代詩】「男鹿線」 東北を一人旅したときの旅情にのせて 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                • 【現代詩】「「底」/の」 卵生の「ヒト」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                  「底」/の /展開/ /…あ /あ… * 激しく 滑ら、かに 巻き 戻される 果たさ れなかった 「… …私…」 落下… し 底に溜 まる 動詞の群 底の「 獣 」たち の匂 う胃を満、たす …精密に目盛られた大地に染みすら残せなかった たった一度の展開 たった一度の砲撃 薄く 頼り無く す…す…り泣く 切り刻まれた こ、る、ぷ、す… す… す… す… 水銀の 遠い十字架(神経の秤)を 叫ぶ… 彷徨う 鳥の 群 の 一塊 不意に 爪に 挟まる コバルトの 刺 ** 「姉(…私達を身ごもった、ただ一人の「姉」…)は淡い太陽の下で緑の厚い影を突き刺さる砂漠に吸われるまま立ち尽くしやがて千切れた枯れ草を高く吹き上げる巨大な蟻塚と交わる」溢れ出る蟻の群(…姉の子たち…)が全て「影がにじみ出るその背中」を覆い あ… あ… 青く… *** 「私達」は 目覚めた 砂と夜でできた この温かな 骨に包まれて

                                                                    【現代詩】「「底」/の」 卵生の「ヒト」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                  • 【現代詩】「坑 道」 熱い地下に眠り続ける人たちのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                    坑 道 餓えた男達は、黒く硬い層を噛み砕き、食らいながら掘り進む。 もう何年も眠らずに掘り続けたが、満たされることはなく、不意に襲いかかる「希薄さ」に、頼りなく窒息してしまう。 (…とろりとした脂に満ちた坑道と… (…巨大なボタ山をいくつも残し… 眠れない子供達は、涯の駅のホームで、それが自分達の父の死体が腐敗して流す毒の霧だと気づかないまま、時折霧が流れて姿を見せる巨大な山に、息を殺し、目を凝らす。 と、どこからか列車の近づく音が聞こえる。 (…暗い便所に逃げ込んだ子供に… (…それは一番先に訪れる… 祈る女達は、冷たい雨の下、炎を吹き上げるボタ山を見上げる。 そして、焦げながら笑う子供達が手をつなぎ、歌いながら踊るのを見つめ、不意に不穏な触手の束のような笑い声を上げる。 静けさが、狂ってしまった女の中で膨れ上がる。 (…女の身体と同じ形の空洞に… (…経典の言葉が満ち、溢れ… 雪の処方

                                                                      【現代詩】「坑 道」 熱い地下に眠り続ける人たちのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                    • 【現代詩】「推 進 機」 噛み合わない歯車が発熱し続けるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                      推 進 機 機能が麻痺した夜 意図が熱を吐き始めたので底に沈めた 緩やかに忍び込み 不意に襲う激しい痛み 引き起こされる動揺と滑落 ほんの少し引き剥がされる残像と ここ、だと思っている痩せた身体との わずかの隙間に影に似た粘る液体が流れ込み 逆らいようもなく強く身体を押すので 見下ろしている層間の私達が 騒がしく囁き始めるが ここ、からずれた 身体はどこか 欠けている 深い底で渦巻く糸に絡め 取られた動けない機械が 重く唸るその騒がしい夜 流れ込む他人の血が 無数の足で肌の裏を走り 絵の中の少年が笛を落とし 人を笑う猫がアスファルトに溶け 咽の奥で飲み込んだ獣の匂う肉が震え (…ああ、機械が、熱を吐く (…目の奥で、歯車が回る (…脂が、黒く染みだし (…遠い響きに、寝床の子供は怯え (…窓の外で、焦れた老人が、うろつき (…その、踊る影 (…その、縁の崩れる、穴に 落ち、 砂が、流れ込む

                                                                        【現代詩】「推 進 機」 噛み合わない歯車が発熱し続けるイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                      • 【現代詩】「そして、舞う雪…」 北の涯の凍りついたような砂浜と雪のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                        そして、舞う雪… (…底で騒ぐ突起の群… (…その、一塊が… (…不意に、沸騰する… (…そして、崩れた底のさらに下に… (…新たな「底」がのぞく… 浮上する泡は 表面が突起で覆われた 「まるで袋」のように 膨張を続けるのだ 打ち上げられるのは 北の、遠い涯の 雪の厚く降り積もった砂浜 白い鳥だけが見下ろしている 雪が風に舞う 波が凍る砂浜を齧る 遠い砂浜 科学にできることはもはやなく あるいは言葉はただたんなる窒息間際のうめきになり あとは「底」がいくつ現れるのかを 数え上げる子供の声だけが、必要なのだ それに気づくのも あの声の主 私が、あの遠い涯 あの北の暗い坑道に置き去りにしたままの (…置き去りにされたままの、子供… 砂浜に打ち上げられた 袋を蹴りながら駆けてゆく足跡が 雪原と波打ち際のわずかの境界を どこまでも続く そして、舞う雪 ***** 文学が好きな方なら、以下の詩集はお

                                                                          【現代詩】「そして、舞う雪…」 北の涯の凍りついたような砂浜と雪のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                        • 【現代詩】「発 熱」 深い地中で動き続けるマシンのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                          発 熱 それが動き始めた時のことを もう誰も覚えていない それが動いていることさえ もう誰も知らない 緻密に重なった 歯車と 腕と 細かな螺子と その中心で 静かに熱を吐いている 水晶の響きに 小さな螺子が震える とても滑らかに 触手を延ばす 複雑な器官 精密な機械 いつもその外側にあり 熱を送り続ける 黒体 発熱体 それはじっと すべての器官から 機械から 切り離され 落ちて/ずれて いく時を 待っている それを失って 機械は 速やかに 停止のための 変化を始める その変化のみが 法則となる 腐朽船群 (暖淡堂書房) 新品価格 ¥1,200から (2023/6/3 08:00時点) 【現代詩】「黒 点」 虚空に浮かぶ黒ずみのイメージ 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩

                                                                            【現代詩】「発 熱」 深い地中で動き続けるマシンのイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                          • 【現代詩】「変 域」 境界線上を滑落しながら発熱する液滴のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                            変 域 その白い膚に凝るように寄り集まる滴は 互いの境界を食い破りながら成長し 表面を泡立てながら発熱する 越境する水銀球になる それ、 は、 ゆっくり、 と、滑落しはじめる… 水銀球は 産毛の上を転がりながら 急激に発熱し不意に泡立つ転移点に到る 乱れる 表面では どの「私」への 収縮をも拒む「私」達が 表面を走る漣に乱されながら 球の内側から伸びてくる無数の紐に きつく縛り上げられて 生ぬるい底に 呑まれる 二つ目の水銀球は わずかな窪みをなぞりながら 耳、首筋、胸、腹、背、を辿り 急激な変域を介してその向こう側を震わせ 発熱させる、そして界面を埋め尽くす 赤く染まる熱い膚の冷たい汗 震える声は変域の両側で いずれも受動的に 強度を増す 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「地下茎」 深い地

                                                                              【現代詩】「変 域」 境界線上を滑落しながら発熱する液滴のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                            • 【現代詩】「何事もなく」 人を押しのけても得るものはないことを誰もが知っている 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                              何事もなく 大事なことがあるような顔が出来なくて 混み合った電車に乗り込むのに なんとなく気おくれがしてしまう それでもなんとか乗り継いで 人を押しのけるようにして出勤する人の 背中を見ていると 向かう先に大事なものがあるのではなく その、ふりが大事なのかと そんなことを思うと なんだかとても可笑しくて 身体が軽くなった気もして 無事仕事始めの一日を過ごせた ただ、何事もなく… 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「何事もなく」 人を押しのけても得るものはないことを誰もが知っている 現代詩の試み またお立ち寄りください。 どうぞご贔屓に。 dantandho にほんブログ村 ランキング参加中詩

                                                                                【現代詩】「何事もなく」 人を押しのけても得るものはないことを誰もが知っている 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                              • 【現代詩】「巡 回」 眠らない湿った金属の機械のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                                巡 回 夜の工場では眠れない どれほど多く 湿った物影があっても どれもが大きすぎ 間隙を すぐに生温かい 獣の息が満たすので しかし眠れない夜 迷い込むのは 遠い工場 なつかしく 影が揺れ スチームが 雲のように流れ 地面には 大きな穴がいくつも あいていて そのどれかに 僕のなかの 僕ではなかったものを ひねりだし 軽くなった身体で 高い煙突から見下ろしていて 工場は いつも急かされる 灰色の道の先 海に突き当たるところ 昼間はトラックが 腹を揺らして走り込み 排泄物の山を築く、が 夜は静かで 小さな虫の声 堤防で耳をすますと ほら ここなのだ と、ささやく声も聞こえて 朝、までの 迷い 雪の処方箋 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 Amazon 腐朽船群 (暖淡堂書房) 作者:暖淡堂 暖淡堂書房 Amazon 【現代詩】「巡 回」 眠らない湿った金属の機械のイメージ 現代詩の試み またお

                                                                                  【現代詩】「巡 回」 眠らない湿った金属の機械のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂
                                                                                • 【現代詩】「異和/虜囚の目」 ここ、をいつも満たしにくる「私」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂

                                                                                  異和/虜囚の目 …侵入するものよ… …食らいつく貪欲な意味達よ… 無数の薄層は匂い豊かに濡れ砂を吐きながら崩れる 緩く波打つ白い肌の表面に凝るかに感じる鉛の短針 微かな接触に不確定の波動は遅延し虫達の群が崩れ メニスカスに意識を集め音もなく重なりながらずれ (…揺れる襞となりその強度の… (…滑らかな面に折り重なり… //侵入する虫達、層を永遠に分かち、その層間に砂を撒く、異和、「底」に棲み 打ち寄せる冷たい枯れた草原が 立方体の「ここ/個々」を満たす前に …息苦しく… …不意に身をよじる… …寒気に泡立つ血の駅を走り抜けた… …「底」の声達… //読むな、囚われの目達よ// //その弱い肌をなぞるな// //「私」達は、「底」に投げ返される// //…縁の溶けた札束などではない…// …肌を… …その供義のような悲しみで突き刺すな… …穢す目よ… …この煮えた油を… …、、その、目に注ぎ

                                                                                    【現代詩】「異和/虜囚の目」 ここ、をいつも満たしにくる「私」のイメージ 現代詩の試み - 安心感の研究 by 暖淡堂