かつて、企業で働くビジネスパーソンにとって管理職への昇進は、社内での自らの地位が上がり業務権限が増えるのでとても喜ばしいことでした。 しかし昨今は「出世しなくてもよい」と考えるビジネスパーソンが増えています。特に、若年層のビジネスパーソンに管理職を打診しても断られるケースが見受けられ、企業によっては後任者を据えるのに苦労することもあります。 しかし、社員の意思や都合を優先してばかりでは人事がうまく回りません。この場合どうすればいいのでしょうか。 事例 甲社は従業員数300人。主に精密機械の販売を行う企業で、都内にある本社の他大阪に営業所がある。9月上旬、本社の営業課長であるA(40歳。以下「A課長」)は、10月1日付で大阪営業所の所長(部長待遇)に昇進することになった。そこで自分の後任者としてB主任(35歳)を推挙することにした。 次の日の朝。A課長はB主任を呼び、大阪営業所長として赴任す