芸鵠書店の連安洋店長。店内には抗議デモに関する書籍も多く並べられている=香港・湾仔で2020年7月7日、福岡静哉撮影 香港中心部を走るヘネシーロード沿いの古ぼけたビル。最上階の14階でエレベーターを降りると、2019年6月から続く政府への抗議デモに連帯を示すたくさんのステッカーが目に飛び込んできた。「香港に自由を」「最後まで闘おう」――。 「文字すら禁止される」 このフロアにある「芸鵠(げいこく)書店」の連安洋店長(36)が「デモ参加者が次々と貼っていったのです」と教えてくれた。書店はデモに好意的なことで知られ、行進ルート上にあることから多くの人が店内で涼をとり、喉を潤していったという。 広々とした店内には文化、芸術、社会学、哲学など幅広い分野の書籍が並ぶ。「自由の6月」「香港抗争」。抗議デモについての本も少なくない。 連さんは学生時代、美術や絵を学んだ。民間企業でイラストレーターとして活