日本でトヨタ生産方式(TPS)の話をすると、「またか」と感じる人が多いし、「どうせ製造業の話だろう」とか、中には「工場でしか通用しない」と間違った理解をしている人は少なくない。これは勉強すれば済む話だし、そもそも経営やマネジメントに興味を持っていない人にとっては仕方がないことかもしれない。ただ、気になるのは、40歳代から70歳代の人にこうした傾向が顕著に見られることだ。 これは、高度経済成長期に仕事をしてきた人にとっては、生産性を高められる唯一の手段が技術だったからではないか。逆に言えば、「技術が遅れている=競争に勝てない」という図式が出来上がっているのだ。しかし、今でも技術が進化しているとはいえ、それよりも現在は優れたアイデアや発想でビジネス価値を創造していける状況になっている。 トヨタはトヨタ生産方式の考えをマネジメント・経営に昇華させて成長を続けている。この事実を知る海外企業はトヨタ