石川議員が秘書として仕えた小沢氏はまさに当事者だが、小沢氏の口からはこの日も、自身が政治的、道義的責任をどう取っていくかが語られることはなかった。 「辞めろー!」 11日午前、栃木県日光市内の鬼怒川温泉のホテルで開かれていた民主党の福田昭夫衆院議員のパーティーで演説した小沢氏にヤジが飛び、会場は一瞬静まりかえった。 小沢氏は気にしない様子で話し続けたが、パーティーの主役の福田氏は、小沢グループ「一新会」のメンバー。小沢氏は入場の際に大きな拍手と「イチロー」コールで迎えられていただけに、たった一人のヤジは、党内の「声なき声」を代弁するかのようで、かえって痛烈に響いた。 当初、石川被告は12日の離党届提出を予定していた。それが11日に繰り上がったのは、この日が建国記念日の休日であることに加え、12日に衆院予算委員会の集中審議で「政治とカネ」の問題が取り上げられるため、批判をかわすねらいがあった