三島由紀夫からユーミンまで、数々の芸術家や文化人が通い詰めたイタリアン・レストラン「キャンティ」。数々の舞台や公演を手掛けるなど日本と海外の文化交流に奔走した川添浩史が妻の梶子と立ち上げた伝説的な店である。 作曲家/音楽プロデューサーの村井邦彦が日本経済新聞社編集委員の吉田俊宏とともに著した『モンパルナス1934』は、川添浩史の若き日々を綴った小説だ。川添は1934年に21歳でパリへ渡り、ロバート・キャパや岡本太郎、坂倉準三など多くの芸術家と交流を持ち、国内外に人脈を築き上げる。 ユーミン、YMO、吉田美奈子、カシオペアなど数々の才能を世に送り出した村井は、10代で過ごしたキャンティの日々、そして川添浩史からの影響が自分のキャリアの原点にあるという。前後編インタビューの後編では、川添浩史が築いた文化交流の基盤について、そして海外に通用する日本のポップカルチャーを発信する秘訣について語っても