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※この記事は、あくまでも緊急記者会見を実施する側の視点のみで書いたものです。被害者の気持ちとか、ファンの気持ちとか、タレントの立場とかを重視する方は読まないでください。 先日、ジャニーズ事務所が、性被害に関連して再度の記者会見を開いた。 記者会見の様子はYoutubeで配信されていて、これも今でも見れるようである。 前回の記者会見を総括した記事が一部の方に受けたので、今回も記者会見を総括してみたい。 1 会場の設営 相変わらず、関係者とプレスの入口を分けるとか、カメラ席を後ろに記者席を前に設置すなど、記者会見のセオリーをキッチリ守っていた。 今回は、弁護士は2人になってCCO(どっちの会社の?)の山田弁護士と木目田弁護士がタレント(社長)2人を挟む形で座っていた。 通常は、弁護士を並べることが多い(こそこそやりとりしたい)ので、何か意図があるのかなと思ったが、カメラの画角以外に特に意図は無
ガマンの判決、医業の遺業、タトゥー裁判控訴審逆転無罪判決、タトゥー事件最高裁判決と取り上げ続けている裁判であるが、 最高裁決定が裁判所のHPにアップされていた。 裁判例 というわけで、前に言っていたとおり、解説してみたい。 といっても、この事件、医行為とはなんぞや?という論点1つである。 検察官は、「医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生ずるおそれのある行為」と主張していて、 1審裁判所もそのように解釈して、さらに、「医師が行うのでなければ皮膚障害等を生ずるおそれがある」として彫り師を有罪とした。 この基準「おそれ」で足りるのがポイントで、刑事司法の世界では、ろくな立証がなくても裁判所が机上の空論で「おそれ」を認定してしまうのである。 ところで、「医者以外の者がやれば犯罪になる行為とは何?」という問に対して、 「医師が行うのでなければ保健衛生上危害を生じるおそれのある行為」と答えられても
誰かの写真をリツイートしたものは、著作権侵害なのだろうか? この問題について、最高裁が判断をした 最三判令和2年7月21日 最高裁の判断は著作権法19条1項の氏名表示権(著作者人格権)を侵害するというものであった。 第十九条 著作者は、その著作物の原作品に、又はその著作物の公衆への提供若しくは提示に際し、その実名若しくは変名を著作者名として表示し、又は著作者名を表示しないこととする権利を有する。その著作物を原著作物とする二次的著作物の公衆への提供又は提示に際しての原著作物の著作者名の表示についても、同様とする。 リツイートは、写真そのものを公衆送信するわけではないので、裁判では、リツイートが著作物の公衆への提供に該当するのかが争点となった。 裁判所は 同項の「著作物の公衆への提供若しくは提示」は,上記権利に係る著作物の利用によることを要しないと解するのが相当である。 と判断した。 また、ク
報告が遅れて申し訳ない。 そして、支援者の皆様には力不足をお詫びする次第である。 自ら作成した、少女の裸体に似たCGが児童ポルノの作成罪に該当するかについて、最高裁は一部有罪(一部無罪)とした東京高裁判決を支持して上告を棄却した。 裁判の詳細は裁判所のホームページで公開されているから興味があれば確認されたい。 児童ポルノ禁止法は、児童の保護を目的としているのであるから、作成時に児童で無いものは含まれないという弁護側の主張に対しては 同項の児童ポルノ製造罪が成立するためには,同条4項に掲げる行為の目的で,同法2条3項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した物を製造すれば足り,当該物に描写されている人物がその製造時点において18歳未満であることを要しないというべきである。 と判断したが、なぜ、必要でないかについては多数意見は言及していない。 東京高裁は
Attorney-at-lawは、Winny制作者金子勇(博士)と私を含む弁護団の苦闘と笑いを振り返ったスピンアウトブログです。こちらもご覧ください。
ブロッキング問題に関する意見書 平成30年8月5日 弁護士 壇 俊 光 弁護士 板 倉 陽一郎 弁護士 唐 澤 貴 洋 弁護士 神 田 知 宏 弁護士 清 水 陽 平 弁護士 中 澤 祐 一 弁護士 山 口 貴 士 弁護士 吉 井 和 明 私達は、日頃、インターネット上の権利侵害に対する被害救済に取り組んでいる弁護士です。 インターネット上の漫画海賊版サイトの問題について,インターネット・サービス・プロ バイダ(ISP)に対して著作権侵害を理由とする「サイトブロッキング」によるアクセス遮断 措置が検討がされていることについて、日々現場に関わっている弁護士の立場から海賊版サイト対策に対して以下のとおり意見するものです。 私達は、インターネット上での著作権侵害を放置することが許されるとは思っていません。ただ、現時点では、海賊版サイトが、本当に日本の著作権法を侵害しているといえるのか不明な点
東電OL事件を知っているだろうか。 東京のアパートの一室で、東電の幹部社員の遺体が発見された事件である。 捜査の末、1997年に1人のネパール人が逮捕された。 彼は、無罪を争い、長期の勾留生活を余儀なくされた。 努力の甲斐あってか、2000年に東京地裁は、現場に第三者がいた可能性が否定できないとして無罪判決をした。 しかし、検察は控訴し、さらに、勾留を求めたところ、東京高裁は、紆余曲折の末、一審が無罪であるにもかかわらず、東京高裁第4刑事部(高木俊夫裁判長、飯田喜信・芦沢政治裁判官)が勾留を認め、異議申立を受けた東京高裁(高橋省吾 青木正良 村木保裕)も勾留を支持し、最高裁(藤井正雄、遠藤光男、井嶋一友、大出峻郎、町田顯)も遠藤、藤井裁判官の反対もあったが勾留を認めた。 その結果、彼は再び長期の勾留生活を余儀なくされた。 その後、 東京高等裁判所第4刑事部は、逆転有罪判決を出し、2003年
記事 美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長は19日、民進党の大西健介議員が衆院厚生労働委員会での発言で同クリニックの名誉を毀損したとして、大西議員に加え同党と党代表としての蓮舫氏、国に対し、1千万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求める訴えを東京地裁に提起した。 訴状によると、大西議員が17日の厚労委で、エステ店が系列の美容外科に顧客を引き渡すビジネスが誇大広告で集客している実態について質問。その中で、「陳腐な」テレビCMを流しているとして、「皆さんよくご存じのイエス○○クリニックみたいに」と発言した。同クリニックは「悪徳美容外科であるかのような誤解を受け」、「この発言で社会的評価を低下させられる可能性が生じた」と主張している。 だそうである。 そもそも私が確認した範囲で言えば、クリニックの名誉毀損はないと思われるので、まわしに手が届いていない可能性がある。 仮に届いたして、次に問題になる
共謀罪の成立を巡って、いろいろあるようである。 記事 「共謀罪」の趣旨を含む組織的犯罪処罰法の改正案をめぐり、金田勝年法相は8日の衆院予算委員会で、「一般人は刑事告発をされても捜査の対象にならない」との見解を示した。「一般人は捜査の対象外」と強調する政府見解に合わせるあまり、捜査実務と矛盾した答弁を続ける金田氏に野党側は、「法務大臣の任にふさわしくない」と批判を強めている。 世の中に一般人という人はいない、だから捜査の対象にならないという趣旨であれば、間違ってはいない。 警察から捜査されない人を一般人と言うのだというのであれば、かなり強引な話ではあるが矛盾はしていない。 しかし、普通に生きていれば、捜査の対象にならないという趣旨であればそれは大嘘である。 今回の共謀罪は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の改正によるものである。 で、この組織犯罪処罰法は、そもそも、暴力団・
最近、日付の変わりかけた公園で、ゾンビみたいにスマホを持ってゆらゆらしている人達を見て慌ててインストールしたポケモンGOである。 ポケモンGOでは、いろいろと騒ぎになっているそうなので、ポケモンGOの法律問題をQ&A形式で適当にまとめてみた。 Q1 ポケモンGOをして、他人の住居に入ったときはどうなる? A1 私有地かを問わず立入り禁止場所に勝手に入ったら建造物侵入罪(刑法130条)です。 入るつもりはなかったって言い訳? 警察に通じるわけないです。 Q2 ポケモンGOの使用を禁止している施設で、ポケモンGOをしたらどうなりますか。 A2 施設管理権の範囲内かでケースバイケースです。管理権の濫用・逸脱にならない範囲で利用を禁止できます。この場合利用禁止に違反したら、不法行為(民法709条)が成立する場合があります。 Q3 ポケモンGOを使用しながら自動車を運転したら。 A3 自動車等を運転
大阪地裁が、他人に成り済まされない権利を「アイデンティティー権」として認めたという報道がなされた。 共同通信 SNSでは、ネット上の匿名性を背景に、他人名義のアカウントを作って成り済ました人物が勝手な発言をするなどの被害が問題化している。新たな権利が定着 すれば、このような行為の防止や早期被害回復が進むとみられる。原告代理人の中沢佑一弁護士によると、こうした権利を認めた司法判断は初。 ただ、この記事、限りなく飛ばし記事に近い類のものである。 なりすまし事案は、開示された発信者情報と照合しないとなりすましか明白にならないのじゃないかという理論的に難しい部分はあるにもかかわらず、ずっと前から発信者情報開示が認められている。 本人になりすまして愚かな発言をした場合は、名誉毀損として処理されていることが多いような気がする。 もっとも、名誉権の侵害である必要すらない。 発信者情報には権利侵害が要件に
コンピューターグラフィックス=CGで描いた少女の裸の画像が児童ポルノに当たるかどうかが争われた裁判で、昨日判決があった。 裁判所は、検察官が公訴の対象とした、34点のうち3点を児童ポルノに該当するとして、検察官の懲役2年罰金100万円の求刑に対して、懲役1年罰金30万円執行猶予3年の有罪判決を出した。 この判決、写真をトレースして作成された等の検察官の主張を退け、画像31点については児童ポルノと認められないという判断をさせることに成功している。 特に、例のおっぱい尋問が効を奏したのか、タナー法と統計を組み合わせた年齢判断について多くを信用出来ないと排斥しており、今後の捜査に与える影響は大きいと思う。 しかしながら、残る3点については力及ばず有罪判決となってしまった。 裁判所の述べた「作成経緯や動機を踏まえ、重要な部位において、一般人が実在の児童を忠実に描写したと認識出来る場合は、実在の児童
お巡りさんがGPS発信器を勝手につけて捜査に使った事件で、大阪高裁が「重大な違法とは言えない」としたようである。 記事 横田信之裁判長は、今回の大阪府警のGPS捜査について「重大な違法とは言えない」として、1審とは逆の判断を示した。ただ、懲役5年6月とした1審判決は支持し、被告側の控訴を棄却した。 なぜ、毎日新聞を選んだか? それは、判決が「重大な違法とは言えない」と違法であると言っているのに、 「令状なし」適法 と不勉強な見出しを書いたから晒しているのである。 この事件は、警察側は裁判所の令状をとらずに、関係者の乗用車、バイク計19台にGPS端末を取り付けて、バッテリー交換のため私有地に立ち入り、端末の取り付け、取り外し作業もしていたという事件と報道されており、そのとおりなら、お巡りさんやりたい放題である。 裁判所は、これに対して「捜査の経過などからやむを得ないところがあったといえる」と
2009年10月21日 検察が上告したニュースが入ってきた。 ちょうど、高裁判決の前に公開した記事がニュースになって、デスクが謝罪に来たりで慌ただしい状況が一段落ついたころであった。 予想していたことであったので、特に感想はなかった。 私は、ブログに書いた。 最後の闘いが始まった。 恐れも焦りもない。 私は、もう一度全てを懸けて戦い、もう一度無罪を勝ち取る。 それだけである。 ただ、彼がプログラマとして輝ける時間を、さらに無駄にすることだけが残念である… 勝負は、己の慢心で足下をすくわれるか否かだけであった。 検察から全文116ページの上告趣意書が提出されたのは、2010年3月23日である。 検察は、上告趣意書で、誰か1人でも悪いことをするかもしれないと認識していれば幇助犯が成立するという主張を始めた。 検察官が幇助の理論を明らかにしたのは、実は、これが初めてである。 これまでとは違うボリ
こと博士の素顔があまりにも面白いので、弁護人である私の目から、事件を振り返ってつれづれなるままに書きつづってみる、壇弁護士の事務室のスピンアウトブログです。 「金子君が、半年くらいブタ箱で臭い飯を食っても技術家としての生命を大切にしてあげたい!」 「いやいや、そうならないために私がいるわけで。。。。」 2005年3月3日に、私は、Winnyについて出版するということで、博士が所属する東京大学で関係者と話をしていた。 犯罪に問われた技術を、出版で公にするというのは、弁護人としては悩ましいところである。 メディアの人は出せば良いということで考えがちであるが、刑事弁護的にメディア露出はマイナスにしかならないことが多い。 というのも、刑事事件で重要なのは裁判所がどう思うかであって、マスコミや一般の人がどう思うかではないというのは、なかなか理解されがたい刑事事件の要素である。 もっとも、Winny事
すでに、 酒鬼薔薇の報道について で、やんわりとではなく、井垣元裁判官の批判をしているこの件である。 公益社団法人「ひょうご被害者支援センター」は15日、発行元の文芸春秋(東京)に雑誌の回収を求める抗議文を送ったそうである。 記事 記事 ひょうご被害者支援センターは、事件で次男(当時11)を亡くした土師(はせ)守さん(59)が監事を務めているので、遺族の意見とも言える。 「平穏な生活を取り戻しつつある遺族に、重大な二次被害を与える」として、回収を求めたことに対して、井垣元裁判官は「決定書は秘密の文書ではなく、新たに被害者を傷つけるものでもありません」との談話を出したと報道されている。 これが、本当なら看過し難い話である。 遺族が、傷つくと言っているのである。 傷つけるものか否かを決めるのは井垣元裁判官ではない。 彼は、そんなことも理解出来ないのか。 それとも、自らの自己満足に酔うがあまり、
かつて、少年の猟奇的犯行がクローズアップされて過剰な報道がなされた、酒鬼薔薇聖斗事件であるが、本日発売の某雑誌に、当時の審判のほぼ全文が掲載されたそうである。 というのも、担当裁判官が公表に関わったからだそうである。 神戸家裁の裁判官として決定を出し、公表に関わった井垣康弘弁護士は「公表される全文でも加害男性の名前は出ていない。少年法には触れない」と説明。「要 旨では男性の成育歴が大きくカットされた。事件の特殊性や、その後も重大な少年事件が相次いでいることにかんがみ、全文を国民に読んでもらうべきだ」と話 した。 共同通信神戸支局のデスクとして取材に関わった佐々木央氏が、審判決定の全文にあった成育歴の大半と精神鑑定主文の重要な部分が「要 旨」から抜け落ちていた、という事実を知ったのは10年ほど前だったという。佐々木氏は、事件を担当した井垣康弘・元判事に「ぜひ全文を開示してほしい」 と依頼、今
バヒド・ハリルホジッチ監督体制でもフリーキックはよく外れているが、監督の責任問題になってはいない。 しかし、フリーキックが外れて人がお亡くなりになれば、監督責任を巡って激しい訴訟になることもある。 最高裁は、近時、学校の校庭で、フリーキックをしていたところゴールを外れて校庭から道路に出たボールがバイクに当たり、バイクが転倒して運転していた男性が死に至った事案で、児童両親の監督責任を理由に損害賠償を求めた訴訟(市が補助参加している)で、監督責任を否定する判決をした。 判決 この判決は、児童らのために解放されていた校庭で通常の使用であり日常的な行為であることやネットフェンスが貼られていてボールが出るのが常態でないことから、フリーキックをすることが通常人身に危険が及ぶ行為ではないとした。 そのうえで、親の監督責任について 通常は人身に危険が及ぶものとはみられない行為によっ てたまたま人身に損害を
こと博士の素顔があまりにも面白いので、弁護人である私の目から、事件を振り返ってつれづれなるままに書きつづってみる、壇弁護士の事務室のスピンアウトブログです。 絶対馬鹿だ! でしょ! 博士が今まで作ってきたプログラムを見たときの会話である。 というのも、前(ミスターインターネット)で書いた様に、純ちゃんが理由で、証言予定の純ちゃんが来れなくなり、急遽、その日を彼が作ってきたプログラムに関する被告人質問にしたのである。 しかし、プログラムに関する被告人質問は、その場を繕うためのものではない。 当時、外野はWinnyの開発目的についていろいろ言っていた、でも、彼の生き方を理解せずに外から眺めても彼の意図を理解することは出来ない。 では、彼の生き方をもっとも表しているのは? そんなのプログラムに決まっているではないか! というわけでプログラム発表会にしたのである。 被告人質問の打ち合わせのために、
こと博士の素顔があまりにも面白いので、弁護人である私の目から、事件を振り返ってつれづれなるままに書きつづってみる、壇弁護士の事務室のスピンアウトブログです。 Winnyが動くところを見たい。 そう裁判所が言いだしたのは、お巡りさんの尋問が始まって間もない時期であった。 裁判所は、Winnyの機能を見たい、裁判所でインターネットに繋ぐと問題があるので、第三者のところで検証を実施したいと言いだしたのである。 弁護団は、操作方法よりも、まず客観的な機能を裁判所が理解するべきだと主張した。機能を理解せずにWinnyで遊んでも意味が無い。そもそも、検察は、Winnyの何が問題なのかを全く明らかにしていないし、裁判所でつなぐと問題があるようなことを裁判所が検証でやろうという感覚が全く理解できないのである。 しかし、相手は京都地裁である。弁護側の意見など聞く耳を持たない。逆に、事前に検証を公にすると妨害
こと博士の素顔があまりにも面白いので、弁護人である私の目から、事件を振り返ってつれづれなるままに書きつづってみる、壇弁護士の事務室のスピンアウトブログです。 K警部補は、正犯逮捕のときに、わざわざ博士のところに行って、博士を警察に同行させた人物である。このあとの話でもときどき出てくる。 彼の尋問は、Winnyはプロキシとの関係で故意の立証が困難だと思っていたこと、Winny2のBBS機能を通じた立件の手法、平成15年8月ころに検挙することを考えてたこと、ダウンロード専用Winnyを使ってなにもアップロード出来なかったこと等を述べて主尋問を終えた。 彼は、証言の各箇所で、博士が何を言ったかを述べたがっていた。しかし、私は、彼の言動と不敵な面持ちに違和感を感じていたが、その意味が解らなかった。 反対尋問の担当は私である。 私は、定番のお巡りさんの立場から聞き始めた。 「T警部補が、捜査の手法を
弁護団にとって、Winnyの技術的立証をどうするかは、ずっと懸案の問題であった。 なんとか人づてに紹介してもらえたのが、慶應大学の村井純教授であった。 当然、事前に打ち合わせをしたのであるが、 村井教授は予想を遙かに上回る漢であった。 「その理屈だったら、日本にインターネット引いてきた俺が幇助じゃん」 「KazaaっていうボロWinnyですらSkypeを生んだんだ。Winnyが何を生み出すかを見たかったんだ。俺は」 村井節に力づけられた弁護側の証人申請に対して、検察は反対してきた。彼は、技術者の代表ではないということらしい。 こいつら、日本にインターネット引いてきた人に何を言ってるんだ? 反対のための反対に徹する検察の意見に呆れた弁護団は、村井教授の著書「インターネット」「インターネット2」を疎明資料として裁判所に提出して、その必要性を論じ、その結果、なんとか証人尋問の期日が決まった。めで
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