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まだ確定できない 本稿を執筆している11月11日時点で、日米のオールドメディアは、民主党大統領候補のジョー・バイデン氏がまるで大統領に就任したかのような記事を垂れ流している。しかし、もちろんこれは大きな誤りである。 大統領就任式は来年の1月20日であり、それまではトランプ氏が「現役大統領」であるのは当然だ。また、その大統領就任式で「いったい誰が就任演説をするのか?」という問いに対する答えは、今のところ誰にも答えられないというのが、憲法を始めとする米国の法律にしたがって考察した結果必ず行きつく結論である。 いくら、「バイデン好き」で「トランプ嫌い」のオールドメディアがバイデン勝利を騒ぎ立て、大手SNSがバイデン氏に不利な情報に「拡散制限」をかけても、彼らが大統領を選ぶわけでない。 確かに、オールドメディアや大手SNSの情報に踊らされる国民もいるだろうが、「米国大統領は、国民が選んだ国会議員が
仕事でたまに見かけるこの漢字。「ああ、何か貼り付けてあるのね…」となんとなく意味は分かるものの、いざ自分で変換しようとしたら、読み方が出てこなかった…なんて人も多いのでは? 現在では、「てんぷ」も慣用読み(誤った読み方が広く一般的に使われること)として認められており、パソコンなどでは「てんぷ」でも変換で出てきますが、本来の読み方も覚えておきたいところ。 ちなみに「はりつけ」でも「はっぷ」でもありませんよ。 ちなみに似た漢字に「添付(てんぷ)」があります。メールなどで、「ファイルを添付しました」と使われるように、こちらは「書類などに、付け添えること」を指します。 こちらは、メール本文とは別に写真ファイルなどを「補足」として添えるという意味合いがあります。単に「貼り付ける」という意味の「貼付」と混同しないように注意が必要です。 間違って読んだり、子供に聞かれた時に答えられず、恥ずかしい思いをし
もしも私の空想に多少とも当たっている部分があったならば、やはりこの事件、「死刑判決」だけで終わってはならないと思うのだ。というのも、彼の信念の大半は、彼の内部から自発的に出てきた言葉ではなく、あらかじめ社会に漂っていたものを拾い集めて作られたものだからだ。(『パンドラの箱は閉じられたのか』175ページ) 「こう書いた後に松本さんは、『だからこそ我々はあの事件を自分の問題として考え続けなければいけない』と宣言します」 はい、と小声で言いながら松本はうなずく。この男はこの後に議論をどこへ持ってゆきたいのだろう、というような表情だ。 「基本的には僕も同じ思いです。でも社会に漂っていたものとは何か。真っ先に思いつくのは障害者差別、そして最近では在特会が体現する在日外国人への差別、あるいはヘイトクライム、女性蔑視やドメスティックバイオレンス、こうした要素は確かに社会に満ち溢れている。でも同時に、これ
謎めいた友人からの連絡 Twitter上の友人・シズカさん(仮)が、九州から東京に引っ越してきたという。同じボーイズラブ作品が好きという縁で10年ほど前に知り合った彼女は、私がそのジャンル用のアカウントでする萌え話には積極的に乗ってくれるが、自分の身の回りのことを話さないタイプだ。住んでいたのが九州だというのも、初めて知った。 私が登壇したトークイベントに来てくれたことはあったし、記事や書籍の感想をくれたりもするのだが、知人の中でも、一番謎めいた人かもしれない。せっかくなので、オンラインでおしゃべりしませんかと誘ったところ、こんな返事がきた。 「ひらりささん、この間『テレビの貯蓄特集で、出てきたシングルマザー女性の手取り年収が180万円だった。労働者って本当に使い捨てられている』というツイートをリツイートして、『そんなことになっているのか…』と書いていましたよね。その時メンションしようか悩
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 今回は、植松に「60回くらい」面会してきた、「創」編集長・篠田博之氏へのインタビューをお届けする。 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 「宮崎事件のときも精神鑑定は大きなテーマになりました」と篠田は言った。「でも最終的には、責任能力ありとなる。それは国家意思であると同時に、もしも責任能力がないと裁判所が判断したら国民感情が許さない、との判断が働いたことも確かだと思います。そしてあの判決以降、裁判所がこれを前提というか暗黙の判例にしてしまったことも確かです」 そう言ってから篠田は顔を上げる。ずっと視線を下に向けていた理由は、おそらく資料を読んでいたのだろう。長い付き合いだけど、Zoomで話すのは初めてだ。
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 「創」編集長・篠田博之氏へのインタビュー後編。 インタビュー前編はこちら: 植松聖の裁判が「死刑にするためのセレモニー」だったと言える理由 弁護人の顔が見えなかった 相模原事件の法廷は、過去に注目された大きな裁判と比べたとき、もうひとつの大きな特徴がある。弁護人の顔が見えないのだ。その名前もいっさいわからない。普通なら判決後に弁護団は記者会見を開くが、今回はそれもなかった。だから「弁護団について教えてください」と僕は篠田に言った。「ぜんぶで何人いるんですか」 「正式な数はわからないです。今回の弁護団はマスコミ取材に応じないし、名前や人数も公表していない。植松に聞いても、弁護団メンバーはそれぞれ一回だけ面会に来たらしいけれど、中心的な二人以外はよく知
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 植松の精神鑑定をどう見るか 「植松の精神鑑定について、発達障害をよく知る見地から郡司(真子)さんは、どのように評価しますか」 僕のこの質問に郡司は数秒だけ考えてから、「ASDスペクトラムや知的障害スペクトラムなど発達障害についての知識がある精神科医は、現状としてはとても少数派です」と答えた。「発達障害を専門にしている児童精神科医じゃないと、そこまでの知見や考えかたを持たないんです。精神科医が発達障害について関心を持ち始めたのはここ10年ぐらいです。いわゆる引きこもりになっている人たちの多くは、発達障害や知的障害スペクトラムの場合が多いと思います。でもその観点で見ないで
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 ALS嘱託殺人事件の衝撃 2020年7月23日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者に薬物を投与して死亡させたとして、京都府警捜査1課は二人の医師を嘱託殺人の疑いで逮捕した。学生時代に知り合って現在は東京と仙台でそれぞれクリニックを経営している二人の医師は、昨年11月30日に京都市に住む林優里さんのマンションを訪ね、大量に服用すれば致死量となる「バルビツール酸系」の薬物を投与して殺害した。安楽死の報酬は130万円。林さんから山本容疑者の口座に振り込まれていたことが確認されている。 被害者の(自分を殺害してほしいとの)意に沿うことが前提である嘱託殺人は、普通の殺人に比
直木賞を受賞しベストセラーとなった真藤順丈さんの『宝島』――現代ビジネス×小説現代「戦後75年共同企画」では、その外伝シリーズ「ブーテン」を8月15〜21日にかけて特別に配信いたします。 第1回はこちら:直木賞ベストセラー『宝島』で描ききれなかった「沖縄の英雄たちの物語」 三、オロクイサオの敗走 沖縄中部はオロクの故郷だけれど、そこはいまや幽霊の棲み処もさながらだった。 ありとあらゆる幸運に見放されて、それまでの生の営みすらもさかのぼって蹂躙するような戦争だった。 黒焦げの地肌。積もった瓦礫(赤瓦や石垣の石)。穴だらけの農地(さとうきびも田芋も今年は収穫なしさ)。首がもげた獅子像(そのつがいは胴体がなかった)。艦砲によって均された地形は、陸のどこにいても海岸線がはっきりと見通せるほどだった。アダンの森も、校庭ごとの寒緋桜も焼けてしまって(植物だって、珊瑚礁ですら無事ではなかった)、かつてそ
イギリスで30万部以上の大ヒットを記録したベストセラー『きみはスゴイぜ!』がついに日本へ! 科学的な自信のつけ方や成長のためのマインド・セットが盛りだくさんで、「こんな自分になりたい!」と思う子どもたちの背中を押してくれる。 クイズもテレビ出演も、勇気を持ってチャレンジし続けている東大卒クイズ王・伊沢拓司さんの解説文を特別に大公開! お手本があれば世界が変わる 楽屋に入る。衣装を選ぶ。ヒゲをそる。メイクをしてもらうあいだに台本を読む。共演者について調べる。歯を磨く。打ち合わせをする。話せそうな雑学を確認する。呼ばれてスタジオに入る。 テレビに出るとき、ぼくはこんなことをしている。毎回毎回だ。 これはおそらく、ほかの出演者も同じだ。人を笑わそうとしている人も、共感を呼ぶ人も、話を仕切る人も、かわいい顔のあの娘も。見る人がただただ「楽しい」と思ってテレビを眺められるよう、出演者やテレビマンたち
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か? 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 植松をめぐる二つの鑑定書 「精神鑑定においては、その人物の生育歴の調査と分析がとても大きな意味を持っています。犯行に至る性格や動機の形成がどうだったか、法廷でこれを解き明かすためには、絶対に不可欠な要素だから」と(ノンフィクション作家の)吉岡忍は言った。 「ところが宮崎勤の責任能力を認めた鑑定書では、両親や、(実家の)敷地内にあった印刷所の従業員の聴き取り調査すら行われていない。その部分は警察が短くまとめた調書の引き写しですよ。宮崎本人に対しては、いきなり犯行時の心境を聞いている。こんなの、専門家の鑑定と言えないよ」 そう言いきってしばらく沈黙してから吉岡は、「植松の
地震、コロナ、水害……すべての年代を襲う災害。こどものケア、見落とさないで! Go Toキャンペーンに振り回され、コロナも心配。夏の予定も決められない。こんな夏を1年前には想像しただろうか? 日本人入国禁止の国が177か国にのぼるだけでなく、今や県をまたいで移動することにも、心の重荷を感じる人も多い。 しかしストレスを感じているのは、大人だけではない。国立成育医療研究センターの調べでは、子供の75%がコロナ禍でストレスを感じているという。子供はうまく自分の気持ちを話せないことも多く、子供の心の痛みに大人が気づいてあげることは、とても困難だ。 愛する人の死が生きている人々をどう変え、何を残すのか? 今回の「初恋」は、そんな心の痛みをかかえた女子高生の物語だ。担当編集者は語る。 「ヤマモトさんの『柴ばあと豆柴太』というストーリーの主役は実は「虎太郎」という柴ばあの孫の男の子です。当時小学3年生
宮城県の古刹・通大寺では、人間に「憑依」した死者を成仏させる「除霊」の儀式が、今もひっそりと行われている—————。 2019年10月から2021年1月まで15回にわたり連載した記事に、大幅加筆、再構成をした『死者の告白――30人に憑依された女性の記録』(講談社)が刊行されました。これを記念し、記事のアーカイブを1ヵ月限定で再公開いたします。今回はその第1回です。 その日は、土砂降りの雨だった 私は宮城県栗原市にある「通大寺」の門前でタクシーを降りると、激しい雨の中を駆け足で門をくぐった。境内では盆踊りの準備をしていたが、この雨では無理だろう。しばらく雨宿りをすると、開け放しになっている玄関をくぐった。私がここへ来たのは、このお寺の金田諦應住職に会うためだ。 私が金田住職に会ったのは、「看取り先生」として知られた仙台の故・岡部健医師の紹介だった。震災の直後から、金田住職らは「カフェ・デ・モ
ツラすぎる「こづかい制」の現実 「日本のデフレもここまで来たか」「こんなことになるなら結婚なんかしたくない」「ホラーよりも恐ろしいディストピア漫画」などと、最新話が公開されるたびにSNS上で悲鳴が上がっているドキュメント漫画『定額制夫の「こづかい万歳」~月額2万千円の金欠ライフ~』(著/吉本浩二)。 漫画家・吉本浩二氏が自身のこづかい(月額2万1000円)の愉しみと苦労を語りながら、世のこづかい制の人々の「こづかい事情」を紹介するドキュメント漫画は、読み手によって「デフレ日本が生んだ絶望の象徴」に映ったり、「婚姻率を下げるホラー展開」として受け止められている。 著者の吉本氏が語る。 「悲惨な話だと思って描いてなかったので、SNS上での受け止められようには驚いています。悲鳴をあげられているのは、独身の方が多いようなので、『こづかい制』ということ自体に絶望しているという理由もあるのではないでし
日本と同じく家父長制的価値観が強い韓国だが、2019年の世界男女平等ランキングでは153カ国中108位と、121位の日本をとうとう抜いた。特に、国会議員、教育、政治家・経営管理職の分野では日本よりも男女格差が縮んているし、日本では盛り上がらなかった#MeTooは、韓国ではものすごい勢いで広がった。両国におけるこの違いはどこからくるのか。 6月20日より公開の映画『はちどり』は、ちょうど韓国女性が男女平等に向けて動き始めたと言われる1994年を舞台に、ソウルに住む14歳の少女ウニが「自分らしさ」を求めて成長するさまを繊細に映し出した珠玉の物語だ。 本国では「2019年度の『パラサイト』に次ぐ傑作」と称された本作を制作したのは38歳の女性、キム・ボラ監督。韓国の大学を卒業後、ニューヨークのコロンビア大学院で映画を学んだ彼女は、この作品で長編デビューを果たし世界中の映画賞に輝いた。そんなキム・ボ
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か。相模原事件はオウム事件の延長にある? オウム事件と麻原判決公判の光景から見えてきたこととは――。 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 麻原の異常な言動 オウム真理教の教祖だった麻原の一審判決公判が行われた2004年2月27日、僕は東京地裁104号法廷の傍聴席で、目の前の光景に唖然としていた。 刑務官たちに支えられながら被告席に座った麻原は、少し間を置いてから、奇妙な動作を始めた。しかも循環している。同じ動作の反復だ。頭を搔き、唇を尖らせ、何かをもごもごとつぶやいてから口のあたりに手をやり、それからくしゃりと顔全体を歪める。その瞬間の表情は笑顔のようにも見えるし苦悶のようにも見える。順番や間隔は必ずしも規則
映画監督・作家の森達也氏が3月19日、死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か。そして、元職員・植松聖とは何者なのか――。 第1回はこちら:相模原障害者殺傷事件とは何だったのか?「普通の人」植松聖との会話 植松聖の儀式 すべては一瞬だった。ふいに刑務官に右手を掴まれた植松聖は、抵抗するような素振りはまったく見せないまま、左手で外したばかりの包帯(のキャップ)を、右手の小指の欠損の上に素早く戻す。それを目視した刑務官は、無言のまま、掴んだ植松の右手を放して椅子に戻る。植松も一言もしゃべらない。透明なアクリル板越しにこの光景を眺めながら、まるで儀式のようだと思う。僕の隣に座る篠田博之(月刊「創」編集長)も、このときはずっと沈黙していた。 あとから篠田に聞いたが、面会中に植松が包帯を外して傷口を見せようとしたことは、これが初めてではな
ドキュメンタリー映画『A』『A2』でオウム信者の日常を映し、『FAKE』でゴーストライター騒動の佐村河内守の素顔に迫り、『i-新聞記者ドキュメント-』では東京新聞の望月衣塑子記者にカメラを向けた映画監督・作家の森達也氏。3月19日、森氏は死刑判決直後の植松聖と面会した。2016年、入所中の知的障害者19人が殺害されたあの事件の深層とは何か。そして、元職員・植松聖とは何者なのか――。 植松聖との面会 制服を着た刑務官が面会室の扉を開ける。三畳ほどのスペースは中央を透明なアクリル板で区切られていて、こちら側にパイプ椅子が3つ置かれている。月刊「創」の篠田博之編集長が右側の椅子に座り、僕はその左横に座った。 ほぼ同じタイミングでアクリル板の向こう側の扉が開いた。年配の刑務官とともに入室してきた植松聖は、立ち上がりかけた僕に視線を送ると小さく頭を下げた。右手の小指には包帯が厚ぼったく巻かれている。
2020年、TBS日曜劇場にてドラマ『半沢直樹』がカムバックする。2013年に社会現象となった人気作の続編だが、7年ぶりということもあって、「半沢直樹…どんな話だったっけ?」「そもそも見てなかったんだけど…」という方もいらっしゃるだろう。 本記事では、書評家の村上貴史さんに、『半沢直樹』の魅力を、ゆる~く解説してもらう。ドラマや原作未読の方も是非お楽しみください! ※4月1日現在、ドラマの延期が発表されました。続報が出次第、お知らせいたします。 五輪は延期になったけど… さてさてみなさん、春ですね。春なんですが、今年の春はただの春じゃないんです。2020年の春、そう、あの半沢直樹がいよいよお茶の間のブラウン管に――というかその進化形みたいなところに――帰ってくる春なんですよ。ワクワク。 とまあ私はワクワクしているんですが、もしかして“半沢直樹って?”とキョトンとされている方がいらっしゃるか
珍しい朝ドラ 『スカーレット』は滋賀県が舞台だが、琵琶湖が出てこない。 第一話冒頭にいちど出てきたが、その後、出てこない。琵琶湖“大橋”のことで話題になったが、風景としての琵琶湖はほぼ無視されている。 あまり「滋賀らしさ」を前に押し出してこないドラマである。 そして、不思議な展開を見せている。 ヒロインは自分のやりたいことをやりとおして陶芸家として成功したのだが、どんどん身のまわりが寂しくなっている。心にすきま風がすびゅうびゅう吹いているような描写が続く。 広い家に一人でつましく暮らす姿を見せてくれる。 なんか、これまでの朝ドラではあまり見たことのない不思議な風景である。若いころのヒロインが一人で食事をするシーンというのはこれまでもあったはずだが、功成り名を遂げた(それほどでもないが)ヒロインが、広い家でさびしげに暮らしているというのはちょっと珍しい。 これからの日本を象徴してるのかもしれ
新型コロナウイルスの感染拡大に関してWHO(世界保健機関)が緊急事態宣言を出すなど、中国にとってはまさに正念場となっている。WHOのテドロス事務局長は中国の取り組みに対して「これほど積極的に対策を講じた国は見たことがない」と手放しで賞賛しており、緊急事態宣言は中国に対する不信任投票ではないと述べている。 国内では中国への配慮をにじませるWHOに対する批判の声が高まっているが、中国の対応が立派なのかはともかくとして、国際社会が中国の動きに高い関心を寄せているのは事実である。その理由は、パンデミック(感染爆発)に代表される緊急事態への対処能力というのは、その国の戦争遂行能力と完全に一致しているからである。 中国は今回の危機への対処を通じて、米国と同じく「絶対に戦争してはいけない相手」と諸外国から見なされることを強く望んでいるはずであり、政治的なものも含めて、あらゆる手段を投入してくる可能性があ
軍や政府の「一億総特攻」のかけ声のなか、そのシンボルとなったのが、 特攻隊員、そして「竹槍」だった。現在公開中の映画『この世界の(さらに いくつもの)片隅に』にも登場する竹槍訓練を、人々はどのような思いで おこなっていたのか。話題作『特攻隊員の現実』の著者一ノ瀬俊也氏が 銃後の一億総特攻を描き出す。*以下の文章には、作品の内容に関する紹介が 含まれていますので、ご注意ください。 こうの史代の漫画『この世界の片隅に』はアニメ映画化され、現在その延長版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が上映中である。漫画には、主人公の北條すずが昭和19年、町内で行われた竹槍訓練に参加する場面が出てくる。女性たちは防空ずきんにもんぺ姿で下駄を履き、竹槍をかまえて敵兵に見立てたわら人形をかわるがわる突く。しかしすずは、夫の周作が本当に自分を愛しているのかについて思い悩んでいるため、訓練にちっとも身が入らない
衝撃の出生数90万人割れをもたらした若者の貧困化。この問題が露見せずに来たのは、親世代が多少なりとも蓄えた「家族マネー」の存在による。しかし、この先に待ち受けるのは、もはや家族のお金にも頼れない、本当の意味での日本社会の持続可能性の危機である――。 奨学金問題・ブラックバイト問題の提唱者にして現今の入試改革問題でも主導的役割を担う教育学者からの緊急提言! 出生数90万人割れの衝撃 厚生労働省が2019年12月24日に発表した2019年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は86万4000人となった。 前年比で5.92%減と急減し、1899年の統計開始以来初めて90万人を下回った。2016年に100万人の大台を下回ってから、わずか3年で90万人を割る事態となっている。
異常なオーストラリア森林火災 昨年秋から続いているオーストラリアの山火事は、南半球の大陸で例年見られる山火事とは規模が違うことが明らかになった。 当初は「オーストラリアでは毎年、山火事があることが普通で、異例のことではない」というニュースであった。 これまでに29人が死亡、2千軒以上の住宅が全焼し、数十億の動物や昆虫が犠牲になった。「スイスの面積に相当する山火事」から「韓国と同じぐらいの面積が消失」と山火事は拡大する一方となり、現時点で1180万ヘクタールの面積が燃えたとされている。 こうした事実が報道されるにつれて「これは異常事態だ」と世界中から注目されるようになった。 推定8万頭といわれるコアラのうち、3万頭以上が死亡し、カンガルー島では絶滅した昆虫種もあるとされる。実際にどのくらいの被害があったかは、南半球で夏が終わり、火事が収束してから現地調査をしてみないとわからない。 一方、今年
「過労死が起きるほど、日本人は働きすぎています。しかし、これから人間はどんどん暇になるでしょう。AI(人工知能)が普及するからです。では、暇な世界は我々にとって幸せなことでしょうか?」 『動物と機械から離れて: AIが変える世界と人間の未来』(新潮社)を上梓した編集者・菅付雅信氏は問いかける。 AIはこの世界をどう変えたのか? 人間を幸福にするのか? この10年で人間は脆弱になった? 研究者でも起業家でもない書き手による「異色のAI本」が突きつける、現実と未来とは――。 (取材・文:佐藤慶一、写真:杉山和行) ケインズが予測した「100年後の世界」 2030年、人々の労働時間は週15時間になる――。 21世紀の最大の課題は、増えすぎた余暇である――。 経済学者のケインズは1930年、そのような予測をした。働きすぎの日本ではまだ現実味がないと感じるかもしれない。しかし、世界は少しずつ変化して
ミセスコンテストの「ミセス」とは? 2019年12月、第10回「国民的美魔女コンテスト」(以下、「美魔コン」)の最終選考会で、52歳の女性がグランプリを獲得し、話題となった。 「美魔コン」以外に、中年以上の女性が“美”を競うコンテストに、「ミセス・インターナショナル(日本代表)」「ミセスジャパン」「ミセス日本グランプリ」などがあるが、これらは「ミセス」を冠するので、“既婚者”のコンテストということになる。この点が、独身、既婚を問わない「美魔コン」との大きな違いである。 とはいえ、ミセスコンテストの「ミセス」の定義は独特である。 まず、「ミセス・インターナショナル」は、アメリカで開催される「ミセス・インターナショナル・ページェント」の日本代表を選ぶコンテストだが、そこでは、「家庭の中で母そして妻として大切な役割を果たしながらも、それぞれの活動の分野で最大限の貢献をすることに生き甲斐を感じ、さ
人口減少、供給過剰、信用収縮……転換期を迎えている不動産業界。これからの時代を生き残るには、今の常識をアップデートする必要がある。不動産コンサルタントで、新刊『不動産2.0』を発表した長谷川高氏によれば、大手企業・老舗企業が今、続々と不動産賃貸業に進出しているという。彼らの「生き残り戦略」の実態について語ってもらった。 本業だけでは厳しい時代 私はこれまで、いくつかの出版社と仕事をしてきました。かつては出版業界に関する知識がまったくなかったため、出版社の人と知り合うたびに、「貴社ではどんな小説を出しているのですか?」という質問をしていました。出版社といえば、文芸小説を出版するものと思っていたからです。 ところが、あるとき、とある出版社の方に質問をしたところ、「うちは小説は出せないんです」という答えが返ってきました。 というのも、ビジネス書はある程度の部数が売れるという見込みが立つそうですが
もしもツイッターがあったら ツイッターについて。私は大学や日本史学といった〝業界〟のトレンドを知るのに使っている。多くのアカウントが私の知らない知識のみならず、本音をご本人が意識しているかどうかは別として、140字でぶちまけてくれるのでとても面白い。面白すぎて研究が手につかないくらいだ。 そんな時にふと思うのが、近代の日本にツイッターがもしあったらどうなるだろうか、ということである。ツイッターの華は、いわゆる炎上である。意見が分かれる問題について、何の気なしに、あるいは意図的に書いたことが多くの人の怒りを招き、罵詈雑言がえんえんと書き込まれる。 近代日本には、炎上必至と思われる事件や出来事がいくつも起こった。私のみるところ、最大の炎上を招いたに違いない出来事は、1945(昭和20)年8月15日に昭和天皇がおこなった、いわゆる玉音放送だろう。 この放送で、天皇はみずからの肉声により、国民に米
「PB黒字化」の目的、わかってますか? 12月9日の本コラム「消費増税の『悲惨すぎる結果』が判明…日本の景気、打つ手はあるのか」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/69044)でも紹介したように、各種統計によれば、昨年10月の消費増税が日本経済を悪化させていることが明らかだ。 今週も、12月の百貨店売上高、全国スーパー売上高などの統計が公表される予定だが、それらもあまり期待できない。結局、10-12月の日本経済は「かなり悪かった」という結果になるだろう。 2019年10-12月期のGDP(1次速報)の公表は2月17日だが、その前に補正予算は成立しているので、政府としても手を打っているとはいえる。しかし、過去の本コラムで指摘したように、本来であれば昨年の臨時国会で補正予算を成立させておくべきであった。これは与党だけでなく、「桜を見る会」などに国会の議論
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