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「サービス業」の意識ゼロ 週刊現代8月11日号の連載「それがどうした」で、伊集院静氏はこう綴っている。 〈小娘に舐められ、挙句、支払いでまた待たせられて、人間に対する扱いではない。 どこの大学病院とは書かぬが、新橋のG恵大学病院の関係者よ、こういうやり方を当たり前と考えているなら、天罰が下るよ〉 伊集院氏は、目の治療のため診察に訪れたところ、いつまでたっても受け付け番号を呼ばれず、結局1時間45分も待たされたという。 さらに火に油を注いだのが、受付の事務員や医師の不遜な態度だった。待っている患者たちの目の前で、受付の若い女性事務員は笑いながら話しているし、診察に当たった医師は「暑い折に、長い時間お待たせしました」の一言もなく、人として当然の気遣いすら見せない。 治療のために訪れた患者を、待たせて当然という態度が許せなかったのだろう。 怒っているのは伊集院氏だけではない。読者からも「伊集院さ
ぶら下がり記者に塩対応 5月27日19時すぎ、菅総理が官邸エントランスでぶら下がり取材に応じた。翌日の専門家会議と緊急事態宣言再延長について、各社の総理番は一言でも引き出そうと躍起だ。NHK記者が口火を切った。 「あす専門家に諮るのは、9都道府県に出されている緊急事態宣言の延長ということでしょうか」 だが、菅総理は再延長には触れず、「緊急事態宣言、まん延防止措置、そうしたことの取り扱いについてお諮りする」とそっけない。 他社も続いて質問を浴びせ、最後に再びNHKが「宣言解除もあり得るのか」と聞いたが、総理は「専門家の皆さんにお諮りする」と合計7回も繰り返して立ち去った。結局、再延長に関しては「ゼロ回答」で、記者たちはうなだれた。 あたりが騒然となったのはその直後だ。菅総理が去った後、外務省出身の首相秘書官・高羽陽氏がつかつかと戻ってきた。そしてNHKの記者を呼び、「更問(=複数回質問するこ
高まる「信頼していない」の声 国内でのグルメサイト離れが止まらない――。飲食店に予約・顧客管理システムの開発・提供等を行う株式会社テーブルチェックが全国のグルメサイトユーザーの男女1112名と、全国の飲食店勤務の男女588名を対象に実施した「グルメサイトに関する消費者意識調査」が今年1月6日に発表となった。 国内大手のグルメサイトといえば、飲食店の店名や住所、電話番号といった基本情報はもちろん、来店客によるレビューや評価が掲載されているほか、近年では直接お店の予約可能なサービスも増えてきている。 こう聞くと、年々その利便性が上がっていることから、利用者も増加傾向にあると予想されるが、実情は全く異なっている。 調査結果によれば、グルメサイトの評価や表示順位を「信頼していない」と答えたユーザーの割合は、実に3割近くに達するという。その理由としては、「自分好みのお店が見つからない」などお店選びの
「田中ファミリー」 日本初の危機管理学部を創設したのがブラックジョークとしか思えない、日本大学の遅くて稚拙な対応に対し、関西学院大学のクオーターバックの選手を負傷させたアメリカンフットボール部の宮川泰介選手(20)が行なった謝罪会見は、その真摯で誠実な受け答えと合わせ、負傷した選手と家族、関西学院関係者、そして騒動を知る国民を、十分に納得させるものだった。 本来、危機管理とは、何を守り、何を守らないかを迅速に判断したうえで、公表すべきは公表し、謝罪すべきは謝罪するもの。許されないのは、保身に走って情報を小出しにし、謝罪や会見を後回しにすること。そうすれば、対応が後手に回って炎上する。 今の日大がまさにそうだ。まして「責任は俺が取る」と、宮川選手に試合後、語り、「すべては私の責任」と、19日の会見で述べながら、「責任」の中身に言及せず、宮川選手が前に出ざるを得ない状況に追い込んだのは内田正人
ハーバードの学生が書いたウィキペディアのコピペレポート 「おおすごいレポートじゃないか?よく調べたね」--私はある学生が書いたレポートに驚いた。ハーバードの学部生とはいえ、著作の引用も多彩で的確、データも豊富だ。論旨もしっかりしている。 「ネットで探した文献のコピペ(コピー・アンド・ペースト=ネット上の文献やデータを引用・切り貼りしたもの)ですよ。今の教授たちはわれわれがウィキペディアでレポート書いているなんて思ってませんよ。へへへ」と彼は笑った。 ハーバードの政治学部生が比較政治について書いたレポートで相談に来た時の話だ。日本のウィキペディアと違い、本場のそれには、あらゆるテーマについて大量に、そしてけっこう正確な情報が詰まっている。これを切り貼りするだけで内容の豊富なレポートが書けそうだ。 「教授たちから何も言われない?」と問うと、「問題は内容ですよ。ハーバードの先生は学生の論文
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元禄15年12月14日、大石内蔵助をはじめとする四十七士が吉良上野介を討ち取る「赤穂事件」が起こった。これに至る顛末を描いたのが「忠臣蔵」だ。かつてはよくドラマや映画になった「忠臣蔵」だが、最近では映像化される機会も格段に減ってきている。いったい、なぜなのか…? 時代劇研究家の春日太一氏の新刊『忠臣蔵入門』から、その理由を紹介しよう。 実は「一大プロジェクト」だった 忠臣蔵の映画やドラマが長いこと作られてきた背景として、作り手側にも大きな事情がありました。 「忠臣蔵」は大きな見せ場だけで六つあります。それぞれ屋内が主な舞台になるため、セットを作る必要があります。 「松の廊下」であれば、かなり長い廊下で襖に大きな松が描かれている。「大評定」の広間は赤穂藩の藩士全員が入る広いスペースになります。それから、祇園で大石が遊ぶ遊郭に「東下り」の宿に瑤泉院の屋敷。さらに討ち入りで使う吉良邸のセットも、
外見が良くて得なのは女より男…? 女性は世界の人口の約50%を占め、世界の総労働時間の3分の2近く働いているが、手にするのは世界総収入のわずか10分の1であり、世界の総資産の1%以下しか所有していない、という。ハンフリー公共問題研究所の報告である。 とはいえ、「女の魅力」があることで美しい女性はより得をしている、と考える人も多いかもしれない。「美人はそうでない人よりも生涯年収が何千万も高い」と見積もった人もいる。 実際のところはどうなのだろうか? 性的魅力を持っていることと仕事上の評価や成功との関係は、そうクリアカットには決まらない。複数の研究が、「女性では容姿の良さがマイナスに働き、美人は平均的な女性よりも損をしてしまうことがある」としている。 外見が良いことで性的類型化が起こりやすくなる。このことは男性では有利に働く。外見の良い男性では性的類型化が起これば「男性的」に見られる、すなわち
最初は起業を考えていたけれど 「学生時代から、会社員として働き続けるのではなく、いつかは独立したいと思っていました。ただ、いざ独立しようと心に決めても、起業がいかに難しいかということも分かっていたので、なかなか踏み出せなかった。他の選択肢はないものかと思っていたところに、『会社を買って、経営者になる』という方法があることを知り、熟考の末、思い切って会社を買うことにしました。 『経営者』になって3ヵ月。業務の改善や経営の合理化を進めた結果、会社の収益は向上していますし、なにより、自分が決めたことが経営に直結することに、大きな責任とやりがいを感じています」 こう語るのは溝口勇樹さん。大学卒業後、約一年半勤めた日立製作所を退社し、今年7月から京都の製造所「美山精機」の社長に就任した。弱冠25歳。その若さで社長になる、というのもなかなかだが、溝口さんの場合、家業を継いだわけではなく、美山精機を「買
広がる「ヒトラーは社会主義者だ」の認識 近年、右派勢力の間で「ヒトラーは社会主義者だ」という主張が広がりはじめている。事実、そうした主張はアメリカのオルトライト(新右翼)や共和党の一部の常套句となっていて、敵対陣営である民主党左派を攻撃するのに多用されている。 日本のいわゆる「ネット右翼」の間でも、ナチズムを社会主義と同一視して、これを左翼批判に用いる発言が目立つようになっている。社会主義的・左翼的な主張を唱える者はみなナチスであって、人々を戦争やホロコーストに導こうとする者だというわけだが、こうした粗雑な主張はもちろん、歴史の実態にはそぐわない。 ナチ党は正式名称を「国民社会主義ドイツ労働者党(Nationalsozialistische Deutsche Arbeiterpartei)」という。党名に「社会主義」と「労働者」が含まれているので、ナチズム=社会主義=左翼と短絡してしまいが
長野県に移住を決めた いつかは小鳥のさえずりで目を覚まし、夜は虫の音を聞きながら星空を眺めて…。 アメリカに駐在していた頃のように、日本でもそんな生活をと夢見ていた元商社マンのAさん(64歳)は、子会社役員の任期も終え、長野県は佐久平に1500万円ほど遣って居を構えた。 「佐久を選んだ理由は、何かあれば東京まで新幹線ですぐに行けること。病院も近く、移住者らも多く住んでいるので、自治体も都会目線での移住者対応にも慣れていることも大きかった」 米国駐在時代は、ニュージャージーの自宅にも鹿が現れるなど、「自然に囲まれながら都会の生活」に仕事の疲れも癒やされた。 そんな思い出を忘れられず、コロナ禍が始まる前に、長野県・佐久に居を構えた。 「軽井沢にも近いので、アウトレットや買い物など、都会の雰囲気が恋しくなればすぐに足を延ばせるのも魅力でした」 なぜ、軽井沢ではなかったのか。問うと、Aさんはこう答
Suicaはなぜ世界標準にならなかった?もったいない日本の技術力 「海外で勝てない技術」からは離れよう (以下の文章は書籍の一部を編集部で編集・再構成したものです) 「技術も意欲も能力もある日本の企業が、アメリカのGAFAや中国のBATHのようなテクノロジーに秀でた海外の巨大企業に押されがちです。日本の損失ですし、とても、もったいないことだと思います。ただ、海外の企業と闘うためには日本側も意識をしっかりと変えていく必要はあると思っています。私はそのお手伝いがしたい」初の著書『次のテクノロジーで世界はどう変わるのか』を上梓した山本康正氏はそう主張するのである。 2020年代を生き残るために、企業が、個人が身につけなくてはならない「テクノロジーへのリテラシー」とは何か。UberやSuicaの例を交えて解説する。 変化を拒んだ代償は、5年後にやってくる 既存の企業は、自分たちが現在収益をあげてい
1933年1月のヒトラー政権誕生後、わずか「半年」の間に、ヴァイマル共和国の議会制民主主義は、ナチ党の一党独裁体制に取って代わられた。しかも「合法性」の装いを維持しながら……いったいなぜそんなことが可能になったのか? 鍵を握るのは、ヒトラーがすべてを賭けて手に入れたかった「全権委任法」である (*石田勇治『ヒトラーとナチ・ドイツ』より「第四章 ナチ体制の確立」を特別公開) ←前回はこちら 3 授権法の成立 授権法 ヒトラーがすべてを賭けて手に入れたかったもの、それは授権法だった。 授権法は、「全権委任法」とも呼ばれる。それは、この法によって立法権が政府に託されるからである。首相は国会審議を経ずにすべての法律(予算案を含む)を制定できるようになる。近代国家を特徴づける権力分立の原則が壊され、行政府の長=首相への権力集中がなされる。しかも政府には「憲法に反する」法律を制定する権限までも与えられ
草食系男子の出現は「フェミニズムの勝利」か 「草食系男子」という言葉が一世を風靡してから10年余りが経ちました。この語を流行させた立役者の一人・哲学者の森岡正博さんは、2009年に刊行した『最後の恋は草食系男子が持ってくる』(マガジンハウス)で 「草食系男子とは、心が優しく、男らしさに縛られておらず、恋愛にガツガツせず、傷ついたり傷つけたりすることが苦手な男子のこと」 と定義しています。草食系男子の定義は人によって様々ですし、10年余りの間の変遷もありますが、まずはこの定義を踏襲するとしましょう。 「私自身、若いときには草食系だった」と述べる森岡さんは、一貫して草食系男子を肯定的に描いています。2011年の論考「「草食系男子」の現象学的考察」(The Review of Life Studies Vol.1:13-28、こちらで全文公開)では「マッチョであることを中核とした従来の男らしさの
『機動戦士ガンダム』の放送が始まった1979年から数えて、2019年は40周年の節目の年だった。ガンダムシリーズの生みの親として知られる富野由悠季氏(78歳)はいま、昨年11月末から全5部構成で上映が始まった、最新作『Gのレコンギスタ』(以下『G-レコ』と表記)劇場版制作の真っただ中だ。 昨年末、富野監督が多忙をぬってインタビューに応じてくれた。筆者は子どもの時から富野監督の作品の大ファンで、「技術と戦争」に関する研究をするようになってから、監督が描き続けている「戦争と人間」「技術をどうとらえるのか」というテーマについて、いつかお話を伺いたいと思っていた。 インタビューは2時間にわたった。『G-レコ』で描こうとしたものの本質から、技術論、環境問題、GAFAへの違和感、日本という国が目指すべき道まで、富野監督のイマジネーションは広大無辺の宇宙のごとく展開し、聞くものを圧倒するが、いずれも一貫
タイの首都・バンコクで、24歳の日本人男性が、代理出産により16人の乳幼児の父親になっていたのは、タイ国家警察の家宅捜索によって発覚した事件である。 日本では、この男性が東証一部上場企業・光通信の創業者の長男・重田光時氏で、現段階でも時価総額約50億円の株を保有する資産家であることから、その人物像と、多くの子供を欲した理由を探る報道が続いている。 だが、タイ警察が、最初に人身売買や臓器売買を疑い、16人の子供の内4人がカンボジアなどに出国しているために、その安否を確認、光時氏には事情聴取とDNA鑑定を依頼していることを忘れてはならない。 光時氏は、タイ警察にとって重要参考人だ。だが、8月5日に事件が発覚したあと、7日にタイからマカオに出国。9日、香港から日本に帰国した光時氏は、タイ警察の要請に応じておらず、17日、タイの代理人弁護士を通じて、DNAのサンプルだけを提出した。 ネット情報伝播
ウクライナ情勢は泥沼化の様相を呈している。そして、苦戦続きのロシアが「自滅」するというシナリオも現実味を帯びてきた。ロシア軍の一日の戦費に関して、日本円でおよそ3兆円にのぼり、すでに国家予算の3倍以上のカネがかかっているという。 では一日3兆円ものカネは一体何に使われているのか…? 前編記事『ここにきて「プーチンの自滅」が現実味を帯びてきた…ロシア「一日3兆円の戦費」の衝撃中身』引き続き、その内訳を明かそう。 徴集兵の月給は3000円 東京大学先端科学技術研究センター専任講師で、ロシアの軍事・安全保障政策を専門とする小泉悠氏はこう解説する。 「かつて行われたロシア軍の大演習では、1週間で10万トンの弾薬を使用しています。ちなみにこの消費量は、自衛隊の備蓄弾薬(推定11万トン)に匹敵します。 ロシア軍が、ウクライナ侵攻を演習レベルで行っているとすれば、1週間で10万〜20万トン使っていても不
理想の3人家族を「崩壊」させた、「3LDK」タワマンのヤバすぎる住環境 「24時間ずっと一緒」という地獄 2歳年上のIT企業勤務の夫・孝之さんと結婚し、念願の「タワマン住み専業主婦」という身分を手に入れた佐藤理恵さん(仮名・36歳)。5歳の息子の拓也くんと家族3人で不自由なく生活していた。 しかし【前編】『憧れの「タワマン」に住み、夫婦関係が「完全に壊れた」36歳・専業主婦の大誤算』でも説明した通り、コロナをきっかけに孝之さんの会社が完全テレワーク勤務に移行。それが佐藤さん夫婦の幸せな暮らしを、少しずつ脅かしていく……。 「24時間一緒にいるのは無理!」 孝之さんの会社は先進的なITベンチャーだけあって、テレワークへの移行が非常に早かった。2020年の4月に最初の緊急事態宣言が東京に発令されるやいなや、全社員に無期限のテレワークを義務付け、緊急事態宣言が解除されてもテレワーク主体という体制
皆さんは紅茶をどのような時に飲んでいますか? リラックスしたいとき? 甘い物を食べるとき? それだけではなく「インフルエンザウイルスを打倒したいとき」はいかがでしょう。そこまで効くのか! と驚いてしまう研究成果をご紹介します。 日本人が紅茶を愉しむ習慣は、イギリスにおける「紅茶文化」である“アフタヌーン・ティー(Afternoon Tea)”が、明治時代に輸入されことで始まりました。現在でも、イギリス式のアフタヌーンティーは、少し贅沢な時間や空間を提供する場として、日本の高級ホテルなどでも楽しまれています。 そのためか、ポットで淹れる紅茶は、少し特別な飲み方というイメージが定着しているかもしれません。 一方で、19世紀初頭にアメリカで開発された「紅茶ティーバッグ」は、20世紀にかけて世界的に普及していきました。日本でも、1960年代後半から国産の紅茶ティーバックが積極的に紹介され、家庭の食
平等と格差の間でのトレードオフはない 30年以上にわたり、米国の政治に関心をもつほとんどの人が、富裕層の税率の引き上げと貧困層への援助拡大は経済成長を阻害する、という考え方を支持してきた。 リベラル派は一般的に、貧困者への援助の代償を若干のGDPの低下という形で払うことが、ある意味ではトレードオフ(交換条件)だという見方をしてきた。一方、保守派は、富裕層の税率を引き下げ、貧困層への援助を削減し、上げ潮にすることで、すべての舟を浮上させることが最善の政策であると主張し、トリクルダウン経済理論(※)を提唱してきた。 しかし現在、新しい見解を裏付ける事実が次第に明らかになりつつある。つまり、こうした議論の前提はすべて誤りだという事実、そして、実際には平等と格差の間でのトレードオフはないという事実だ。 それはなぜなのか?――市場経済が機能するうえで、ある程度の格差が必要なのは事実だ。しかし米国の格
お酒を飲んだ翌日に朝起きてみたら酒席の途中からの記憶が全くないのに、家にきちんとたどり着いていたという経験を持つ方も多いと思います。後で同席していた人に自分の様子を聞くと、楽しそうにカラオケで歌っていたとか、ちゃんと割り勘の計算をして、幹事の役割を果たして電車に乗って帰って行ったなどと言われて、記憶がないにもかかわらず泥酔していたわけではなく、案外ちゃんと行動できているので自分でも不思議に感じることがあります。 英語ではこうした一時的記憶喪失現象を「ブラックアウト」と呼びますが、時間的には数分から数時間の記憶がない状態です。米国・ミズーリ州セントルイス市にあるワシントン大学医学部の和泉幸俊教授らがThe Journal of Neuroscience 2011年7月6日号に発表した研究で、過度な飲酒によるアルコールが脳細胞を殺してしまうので記憶がなくなるのではなく、アルコールによって、ニュ
米国の有名大学を出たと自称して、政府要人とも近しく付き合いながら、国家機密にも触れてきた―そんなスーパーエリートの化けの皮がはがれた。 週刊現代3月3日号でジャーナリストの森功氏が、「霞が関のショーンK」の疑惑の足取りを追っている。そこで見えてきた、驚愕の真実とは――。 大臣たちもだまされた 日本の政府や企業を危機にさらしかねない重大問題なのに、なぜか騒がれない。そう感じるのは、私だけではないだろう。 元内閣府参与、斉藤ウィリアム浩幸の経歴詐称である。旧聞に属するが、きっかけは昨年12月9日のYahoo!ニュースだ。個人投資家でブロガーの山本一郎が「紺綬褒章、ダボス会議、経産省参与。斉藤ウィリアム浩幸氏の虚像と嘘」と題した記事を載せ、関係先が大慌てした。 それまで斉藤本人がブログで公表してきた経歴をかいつまんで紹介すると、1971年カリフォルニア生まれの日系2世で、UCLA(カリフォルニア
マタハラ事件・東京高裁で「衝撃の判決」 働き手にとって2019年の明るいニュースといえば、ILO(国際労働機関)が「仕事の世界における暴力とハラスメント撤廃条約」を採択し、国内でもパワハラ、セクハラ、マタハラ(妊娠・出産をめぐる嫌がらせ)に対する「ハラスメント規制法」が成立したことだろう。
繁栄には最高所得層の税率を下げることは必要なのか? 懐かしいクリーム入り小型ケーキ「トウィンキー」が売りだされたのは1930年代のことだ。時代の象徴のようなこのスナック菓子の製造元である老舗製菓会社ホステス社の名前は、子供向けTV番組「ハウディ・ドゥーディ・ショウ」のスポンサーとしてトウィンキーを人気商品にした1950年代と結びついて、これからもずっと記憶されてゆくだろう。そして11月21日、ホステス社が経営破綻したことは、団塊の世代にとって、今より一見イノセントに見える時代への強い郷愁をかき立てている。 言うまでもなく、実際にはあの時代はイノセントな時代とは言いがたいのだが、トウィンキーが象徴する1950年代は、21世紀にも通ずる教訓を与えている。とりわけ第二次大戦後のアメリカ経済の成功は、今日の保守本流の考えとは裏腹に、繁栄は労働者をいじめたり、金持ちを甘やかしたりすることなく実現可能
先日、小田原市の生活保護担当職員が、「生活保護なめんな」と印刷されたジャンパーを受給世帯訪問の際に着ていたことが問題となり、大きなニュースとなった。 これを受け小田原市は、担当部署の部長以下7人を厳重注意処分とし、謝罪会見を行った。 社会福祉法では、ケースワーカーの配置は、受給者80世帯当たり1人を標準としている。ところが、小田原市の場合、約2,320世帯が生活保護を受給しているため標準数は29人のところを、現在は25人となっていた。 1人が担当する世帯数が多く現場が疲弊していることも問題の背景にあるとして、市は新規採用や他部署からの配置転換などで、新年度には4人程度増員する方針を示した。 この「生活保護なめんなジャンパー」問題をニュースだけで見ていると、「なんて非常識な市役所なんだ!」「人権侵害も甚だしい!」といった声が多くの人から出てきそうだ。 もちろん、役所としてあるまじき問題であり
軍や政府の「一億総特攻」のかけ声のなか、そのシンボルとなったのが、 特攻隊員、そして「竹槍」だった。現在公開中の映画『この世界の(さらに いくつもの)片隅に』にも登場する竹槍訓練を、人々はどのような思いで おこなっていたのか。話題作『特攻隊員の現実』の著者一ノ瀬俊也氏が 銃後の一億総特攻を描き出す。*以下の文章には、作品の内容に関する紹介が 含まれていますので、ご注意ください。 こうの史代の漫画『この世界の片隅に』はアニメ映画化され、現在その延長版『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が上映中である。漫画には、主人公の北條すずが昭和19年、町内で行われた竹槍訓練に参加する場面が出てくる。女性たちは防空ずきんにもんぺ姿で下駄を履き、竹槍をかまえて敵兵に見立てたわら人形をかわるがわる突く。しかしすずは、夫の周作が本当に自分を愛しているのかについて思い悩んでいるため、訓練にちっとも身が入らない
日大理事長と山口組6代目の親密写真 1枚の写真が波紋を広げている。 どこかのクラブで撮られた写真で、左に座っているのが日本大学の田中英寿理事長。右のノーネクタイのスーツ姿が山口組6代目の司忍(本名・篠田建市)組長である。 暴力団排除の気運のなか、親密交際を示すような写真が流出するのは致命的である。まして日大は、大学院から付属幼稚園まで10万人に迫る在校生を抱える日本最大の大学グループ。大学単体で年間約100億円の私学助成金を受け取っている。そのトップである理事長には、高い倫理性と社会性が求められている。 実は、このツーショット写真が流出したのは昨年9月頃だが、両者への確認が難しいのと、後述する襲撃事件によって、入手したマスコミは公表を手控えていた。それを掲載したのは、米を中心とするネット雑誌だった。以降、「日大・田中と山口組トップ」の関係が、もやもやした形で伝えられていたのだが、4月15日
世間から「ブラック企業の代名詞」として、長きにわたって批判を浴び続けている大手飲食チェーンのワタミ。 創業者の渡邉美樹氏をはじめとする経営者たちは「ブラックとは全然思っていない」などと発言を続けていたが、2015年に社長に就任した清水邦晃氏は「世間のブラック企業との批判を真正面から受け止める必要がある」として改革を推進。現在は全社的に企業体質や労働環境の改善に取り組んでいるところだ。 今回は、100人以上のワタミ関係者への取材から、その改革の内実に迫った『ワタミの失敗』(KADOKAWA)を上梓した働き方改革総合研究所代表、ブラック企業アナリストの新田龍氏が、「ワタミの失敗事例から学ぶ、ブラック企業とならないための方法論」を明かす。 この3年でワタミが失ったもの ワタミは「ブラック企業批判」の渦中にいた2013年度から14年度にかけて、単体で15億円の売上を失い、純利益ベースでは33億円の
とんでもない大天才もいれば、就職で一社も通らず留年する学生もいる。同じ東大生でもピンキリだ。日本中の「神童」が集まるとされる東大。しかし、ホンモノはわずか。「ただの人」が圧倒的に多いのも動かぬ現実だ。 「人の気持ちがわからない、ということに気づいたのは中学生の時です。それまでは『他人の気持ち』というもの自体考えたことがなかった」 と、その小柄な女性は静かな喫茶店にしては少し大きい声で抑揚なく話す。今春、東京大学文学部を卒業して、現在は都内に勤務する彼女は簡易チェックの結果を見て言った。 「私はアスペルガー症候群で間違いないようですね」 アスペルガー症候群は、発達障害の一種で、簡単に言えば、知的障害のない自閉症のこと。言語面で遅れはないが、人の気持ちを理解できない、空気が読めない、興味のあることに強く執着する、といった特徴を持つ。300人に1人の割合で存在し、男女比で言えば9対1と、男性に圧
ふだん何気なく飲み続けている薬。メジャーなものだから安全だと思っていても、長年飲んでいると思わぬ副作用が起こることもある。医者に言われるままの安易な服用はやめて、薬の飲み方を見直そう。 新しければいい薬とは限らない 「'13年に代表的な降圧剤であるディオバンに、論文の不正問題が発覚して、大騒ぎになりました。ノバルティスファーマ社の社員が統計データの解析に不正に関わっていた問題も明るみに出た。その影響で一時期、処方されることが少なくなりましたが、最近になってまたよく使われるようになっています」 こう語るのは新潟大学名誉教授の岡田正彦氏。 中高年になると、血圧の薬を毎日飲んでいる人も多いだろう。だが、その薬が本当に効いているのか、逆に副作用がないのかをよく見極めて処方されているケースは意外に少ない。岡田氏が続ける。 「ディオバンに限らず、ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる血圧
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