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細々と統計学を調べ続けているが、最近ようやく統計学というものが何なのか、おぼろげながらわかるようになってきた(なお、統計学ができるようになってきたわけではない) 統計学を知る前の自分と今の自分をくらべたとき、間違いなく違うのは統計学に対する信頼だろう。以前は、統計学は数学の一分野であり、正しい分析手法を使えば真の答えが得られるものだと思っていた。しかし、実際には統計学者ジョージ・ボックスが言ったとされる「すべての(統計)モデルは間違っている、だが中には役立つものもある)」という言葉の方が実態に近い。 統計学は基本的に「不可能なことを可能にする(不良設定問題を扱う)」学問だ。例えば、1、3、5 という数字の列から何が言えるだろうか。確実なことは3つの実数値が観測された、ということだけで、それ以上のことは想像するしかない。奇数列かもしれないし、乱数から3つの値を取得した際に偶然それっぽい数字が
以前、「日本の労働生産性はなぜ低いのか」というエントリを書いた。 先日、Twitter にて 日本の統計データの分析について積極的に発表されている小川製作所さんとやり取りさせていただいた中で、新たに気付かされたことがあった。 まず、下記のツィートのグラフを見てもらいたい。 思いがけずアイディアをいただいたので、労働生産性(時間あたり付加価値)の購買力平価換算値のグラフを作ってみました。 時間あたりだとドイツ、フランス、イタリア、イギリスの水準がかなり高くなります。 日本はアメリカ、ドイツ、フランスの半分強です。 pic.twitter.com/XHuRnNhGdF — 小川製作所 (@OgawaSeisakusho) 2023年5月2日 前述のエントリで書いたように労働生産性を考える場合には購買力平価換算ひとり当たりGDPを見るのが一般的であるが、日本においては少子高齢化が進みすぎ大きく歪
オライリーから出た「大規模データ管理」という新刊を読んだ。 大規模データ管理 ―エンタープライズアーキテクチャのベストプラクティス 作者:Piethein Strengholt オライリージャパン Amazon 私の担当するような基幹系システムでも、特に業務は変わっていないと思うのだけど、扱うデータ量は日々増加しており、昨今の機械学習の進展やDXなる謎キーワードの登場でデータの重要性が叫ばれる中、その傾向には拍車がかかっている。 ということで、非常に興味を持って読み始めたのだけど、個人的には違和感を持ってしまった。誤解を招くと良くないが、トピックを網羅的に扱っている真面目な本で、決して悪い本ではない。*1 違和感の理由を考えてみたのだけど、ひとつは切り口が機能に寄りすぎてニーズがはっきりとしないところにあると思う。書いてないわけではないけれど、あくまで世の中にはこういう機能があってこう使う
以前、「中高生の時に知りたかった英語の話」というエントリを書いたが、相変わらず英語学習を続けている。で、今回は文法の話。 文法を学ぼうと思ったとき、まず考えたのは(私はプログラマなので)BNFとかチートシートを見るのがよいんじゃないか、ということだった。しかし、これが意外に見つからない。*1 ないのなら作って見せようホトトギス。 というわけで作ってみたのがこちら(SpeakerDeckからPDFのダウンロードも可能)。 様々な文法を一覧化するよりも、文全体の構造を1枚で表現しつつ、副詞のルールにこだわってみた(というより副詞のルールがよくわからなかったので勉強がてらまとめてみた)。 今回はこのチートシートを使って英文法を解説してみようと思う。*2 まず、下記が文の構造となる。 文の構造 実のところ英語の文の構造はさほど難しくない。 主語と述語は、(命令文、感嘆文などでは省略されることがある
前々から気になっている話題ではあるのだが、いくつも文献を見るうちに新たな気付きがあったのでメモ代わりに書いておく。 日本のGDPは世界第三位だということはよく知られているが、それが日本の人口の多さに起因していることはあまり知られていない。4位のドイツは 8,300 万人、5位のイギリスは 6,700 万人程度しかいない。中国も豊かになったとはいえ、まだまだ貧しい地域に住む人も多く、世界第2位のGDPも14億の人口あっての順位だ。(なお、この順位は名目でも実質でも変わらない) 一般に国の豊かさは人口で割ったひとり当たりGDPを見るが、この指標を使う場合、物価変動や為替レート変動の影響を除去するため購買力平価換算するのが一般的となっている。この購買力平価換算ひとり当たりGDPで見た場合、日本の順位は大きく下がる。先進7か国の中で最下位であるだけではなく、2009年には台湾、2018年には韓国に
「岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。」という本を読んだ。 前々からMOTHER2立て直しの逸話など聞いたこともあり興味があったのだけど、岩田聡さん本人が書いた本でないことから手を出さずにいた。しかし、ちょっと後悔。これは革新的な経営者像を示したと言ってもよいのでは。 岩田さん: 岩田聡はこんなことを話していた。 (ほぼ日ブックス) 作者:ほぼ日刊イトイ新聞 Amazon 史上最も優れた経営者としてはスティーブ・ジョブズがよく挙げられる。「日本にはなぜジョブズが生まれないのか」という発言をよく聞くが全くそんなことはなく、ファミコンを生み出した山内溥故任天堂社長は匹敵する人物と言っていいと思う。 岩田聡さんも山内溥さんほどではないにしろ、PSとサターンによる次世代ゲーム機戦争以後、陰りを見せ始めていた任天堂をニンテンドーDSとWiiで復活させ、Switch という大ヒットゲーム機の誕
私が SI という業務システム中心の受託開発業界にいることも多分に関係していると思うのだけど、ソフトウェア・テストに関する各種の方法論に対してどうしても懐疑的な考えを持ってしまう。端的に言ってしまうと「それは私(あるいはSI業界)がテストに関して抱えている問題を解決してくれる」ようには思えないからだ。 ここで言う一般的なソフトウェアテストの文脈での方法論というのは具体的には次のようなものを指している。 ブラックボックス/ホワイトボックステスト 分岐網羅、命令網羅 境界値テスト、状態遷移テスト、組み合わせテスト 複雑度に基づくテスト もちろん、これらの方法論は使っていないわけではなく、単体テストケースのケースを考えたり、網羅度を上げるために使うわけだけれど、ある意味テストをするなら誰しもが考えることをより確実に実施するためのものであって、それ以上のものではないように思える。 「私(あるいはS
前回「ベイズ統計学に関する議論を整理する」では、できるだけ中立的な視点で書くことに注力し、伊津野なりの結論については特に書かなかった。今回のエントリでは、様々な見解や調べた結果を元に私見を書く。 もちろん、伊津野は専門家ではなく、情報や理解が不足する部分については想像で補ったため「それはおかしい」と感じられる点もあるだろう。そのような記述を見つけたら、単に批判を書くのではなく、なぜ問題だと思うのか、自身のブログやTwitterなどで他の人間にも理解できるように論点を明確に書くようにしてほしい。うんこの投げ合いはうんざりだ。それに、コメント欄に批判や反論を書かれても、伊津野の理解力では適切な回答ができるとは思えない。広い範囲に意見を投げかけた方がより専門的な回答が得られ生産的だろう。*1 前置きが長くなったので本論に移ろう。 まず先に結論を述べる。現在、ベイズ統計学は「(頻度主義とは異なる)
最近、「統計学を哲学する」の出版をきっかけとした Twitter 上の議論を追いかけながらベイズ統計学について調べている。 統計学を哲学する 作者:大塚 淳発売日: 2020/10/26メディア: 単行本(ソフトカバー) 前々からベイズ統計学については興味があったので、議論を追ったら何かしらの理解を深められるのでは、と思い関連するツィートを読んでみたのだが、これがびっくりするほどわからない。 通常「わからない」と書いたら高度な数学的議論が繰り広げられているからわからない、という意味だと思われるかもしれないがそうではない。そもそも何が論点なのかもはっきりとせず、議論らしき議論も行われず、ほとんどうんこの投げ合いと呼んでもいい状況だったのだ。 なるほどこれが「頻度主義 vs ベイズ主義」の対立なのかと思いもしたのだが、もやもやが残ったこともあり、議論の内容は理解できなくても論点整理くらいはでき
ベイズ会計と書くと、また新しい会計管理の手法かと思われるがそうではない。より正しく書くならば、会計制度のベイズ的基礎付け、と言うべきものである。もともと会計制度は商慣行から歴史的な経過を経て発展してきたものであるが、現在では会計学という学問により首尾一貫した理論的体系で分析され、その結果が反映されている。ベイズ会計も同様に、既存の会計制度をベイズ的な思考法に基づき整理することで、制度に選択肢がある場合、どの制度がより合理的であるかを分析するためのツールとしての利用が想定されている。 まず、ここでのベイズ的な思考法の定義をしておこう。ベイズ的とは、まず、すでに得られた経験や慣習を元に事前確率分布を設定し、その分布を実際に得られたデータで更新するという作業を繰り返すことで、真の確率分布に近づけていくという考え方である。 さて、これを会計に適用することを考える。会計において求めたい真の確率分布と
孔子曰く、「40歳にして惑わず」とは言うものの、40歳を超えたくらいで、そうそう人間変わらない。うんざりするほど子供っぽい(余談だが、仮面ライダージオウはやたら面白い)し、むしろ、大人にならなきゃ、という抑圧から解放され、より幼くなっているのではと思うこともある。 感覚的にはそんな感じなのだけど、一方で、せいぜい40年しか人生残っていない、という事実にも気付かずにはいられない。そんな感覚は30代にはなかった。今までは、いつかやればいいや、と思っていたのだが、もはや今やらないと一生やらないことが確定してしまうのだ。 そこで自動車免許だ。 正直、自動車免許が絶対に必要だと思ったことは一度もない。周りの話を聞くと、身分証明書として便利という声が多いのだけど、写真付きのマイナンバーカードで十分なので住基カードより前の知識で止まっているのだろう。*1 東京暮らしが人生の半分を過ぎた今、車に乗る必然性
近年ラジオをよく聞くようになっていたから、ピエール瀧の逮捕には大変驚かされた。ここ数年、ピエール瀧とリリー・フランキーが映画に出過ぎ問題がしばしば取り沙汰されていたが、こんな結末になるとは思いもよらなかった。 個人的には、逮捕されたとはいえ、麻薬で逮捕であり 20 代の頃からの常習者だったようだから、節度ある使い方をしていたわけで、役者や CM に引っ張りだこの状況で立場的にやっちゃだめだろ、とは思うものの、行為自体には特にどうも思わない。日本にもヒロポンが広く使われていた時代もあったし、ある種の宗教、音楽ジャンル、文化スタイルとは切っても切り離せないものでもある。スティーブ・ジョブズも LSD に影響を受けた人だし、ついこの間はイーロン・マスクが番組で大麻を吸っていた。もちろん、素晴らしいものであると言いたいわけでもない。アルコール依存症がそうであるように、危険度の高い嗜好品であることに
以前、社内の勉強会用の資料として作成した「確率統計-機械学習その前に」という資料を今回大幅に改定して公開しました。 改定の一番のポイントは、統計分析の総覧的なガイドとして使えるようにしたことです。正直な話、内容的に私自身も十分に理解出来ていない部分も多いのですが、いろいろ調べた結果、なんとなく統計分析の手法マップ的なものが頭の中に出来上がってきたので、それをアウトプットとしてまとめてみました。 確率統計-機械学習その前に v2.0 from Hidekatsu Izuno 確率統計に限った話ではありませんが、新しい分野を学ぶ初学者にとって、全体像がよくわからないため混乱することが少なくありません。この資料を読むことでなんとなくでも全体を把握できていれば、他の文献を読む際にも理解が容易になるのではと思っています。 例によって、確率統計については完全に素人なので、間違いもあるかもしれません。そ
以前のエントリでは、文献をベースに圧縮アルゴリズムの違いを一覧化したが、この度、Windows Subsystem for Linux がようやく一般公開されたので、その環境上で実際に各種圧縮プログラムでの圧縮効率を実測してみた。 データとして使ったのは、郵便番号ダウンロードの全国一括データ(約12MB)。容量的にはたいしたことはないけれども、18種類の圧縮プログラムを10回実行し平均を取るとなると結構な時間がかかる。 値は前回と同じく gzip を基準に正規化したものを記載している(ちなみに gzip 圧縮後サイズは、約1.8MB で 15%ほどのサイズに圧縮されている)。 圧縮プログラム圧縮後 サイズ圧縮時間圧縮時 最大メモリ量伸張時間伸長時 最大メモリ量 lzip(best) 0.69 31.40 164.17 2.61 17.47 xz 0.69 23.68 106.96 2.45
確率統計なんて趣味の範疇ならともかく仕事じゃ絶対に使わないよなぁ、とは思っていたのだけど、ここ最近の機械学習の隆盛で必ずしもそうとも言い切れない状況にある。 機械学習と言えばディープラーニングだけれど、画像、映像系ならともかく、テキストデータ中心の業務系の問題への適用を考えるとロジスティック回帰、SVM、ランダムフォレスト、自然言語処理くらいは押さえておかないとダメかな、という感じもあり、そうすると確率統計の基礎も押さえていかざるをえない。 うーん、システム開発の現場にそのレベルの知識、経験って現実的に適用可能なのだろうか。業務システム開発の世界は、基本的に努力と根性の世界であってアカデミックな知識からは最も遠い場所にある。 まぁ、とはいえ、日本のコの業界も少しづつ変わっていけばいいな、と思っているのでその一助になればと。社内勉強会の資料にもそのうち流用する予定。 確率統計 from Hi
今日紹介するのは、「マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力」という本だ。普通、ブログで本を紹介する場合、素晴らしいのでみんな読んでほしいという思いで書かれるものだが、残念ながらこの本は400ページ近くある大著にも関わらず、数ページくらいしか有意義なことが書かれていないので購入はまったくおすすめできない。 マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 作者: テレサ・アマビール,スティーブン・クレイマー,中竹竜二,樋口武志 出版社/メーカー: 英治出版 発売日: 2017/01/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る 一番の問題は、当たり前のことが延々と書かれているところだ。当たり前のことは、誰もがわかっていながら実践するのが難しいから皆困っているのであって、気付いたくらいで問題が解決するわけがな
ビジネス書のようなものはある意味「答えのない」内容が書かれている。とはいえ、何冊も読んでいくと、個々の本では明確になっていない事実が立体的になりあぶり出されてくるように感じる。ぼんやりとした状況を手探りで進んでいるが、その方向は皆同じといった感じに。 そうやって気付かされたことのひとつが「才能とは努力を継続できる能力」であるということだ。 昔からエジソンの「1%のひらめきと99%の努力」という言葉や「好きこそものの上手なれ」という格言があったりもしたけれど、結局のところそれが答えだったようだ。才能か、努力か、という二分法がそもそもの間違いの元のような気がする。 以下、根拠を挙げる。 才能などというものはない。ある種の努力を続ければ誰でもトッププレイヤーに近いところまで行ける(超一流になるのは才能か努力か?) 運動選手の能力は、生まれながらの身体特性に大きく依存する(スポーツ遺伝子は勝者を決
前から気になってはいたとはいえ、どうせ実務では使わないだろうしなぁ、と思っていたのだけど、「KotlinがAndroidの正式サポート言語に」というニュースがあり、これはまじめに使う意味があるという気になったのでここ一週間ばかし Kotlin を触ってみている。 人によってはAndroid でサポートされるプログラミング言語がひとつ増えただけじゃないか、と思うかもしれない。しかし、Kotlin だけでなく Swift、Rust、TypeScript と型推論、不変性、関数型、Null 安全性という同じような言語概念を持つ言語が研究レベルでなく仕事で使える形で出てきた今の状況は、まさに Java という GC とオブジェクト指向を持った言語が仕事で使えるようになった時と同じようにも感じられる。 「業務システム開発の次の言語としての Kotlin の可能性」という記事もあったけれど、今それが実
「なぜビジネス書は間違うのか」は、たまたま見つけた本だったけど、Amazonレビューの評判が良かったので注文してみたら大当たり。類書では「事実に基づいた経営―なぜ「当たり前」ができないのか?(以下、HARD FACTS)」が絶対おすすめの一冊だったのだけど、ビジネスの本質が垣間見えるという意味ではむしろこの本の方が良いかも。 なぜビジネス書は間違うのか 作者: フィル・ローゼンツワイグ,桃井緑美子 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2008/05/15 メディア: 単行本 購入: 6人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (21件) を見る 内容としては、ビジネス書では名著とされる「エクセレント・カンパニー 」などをネタに、実際にはフォーチュン500で評価される有名企業がその後、いまいちな業績しかあげられなかったという事実の紹介がメインとなっている。 HARD FACTSでも
マクロの視点 国民の賃金水準は、ひとりあたりのGDPで決まる。GDPは国内の総生産であるから、国民の数で割れば、ひとりあたりの生産物の割当が決まることを考えれば当たり前の話ではある。単純に平均賃金を比較しても、国ごとの制度の違い(税制や会社負担の保険料など)の調整が難しいため、適切な比較にならない。 日本のひとりあたりGDP(購買力平価換算)は、他の先進国に遅れをとっており、賃金差のほとんどはこれが原因と考えられる。名目GDPで議論している人をしばしば見かけるが、日本は他国がインフレの中、デフレが続いているため、最低でも実質GDPで比較しないと著しく変な結論を導くことになる。 個々人の賃金は、平均的な賃金だけでなく、個々人の能力差、受給バランス、分配で決まる。少なくとも分配に関しては、日本は幸か不幸か欧米に比べて格差は少ない。近年の日本のジニ係数拡大は少子高齢化の影響によるところが大きく、
先日、「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」を読んだ。インテルの創業者であるアンドリュー・S・グローブが書いた本で、当時の経営者はみんな読んでいたらしい。他の本で任天堂の岩田元社長などが実践していると書かかれていたワン・オン・ワン*1などはもしかするとこの本が元ネタなのかもしれない。 HIGH OUTPUT MANAGEMENT(ハイアウトプット マネジメント) 人を育て、成果を最大にするマネジメント 作者: アンドリュー・S・グローブ,ベン・ホロウィッツ,小林薫 出版社/メーカー: 日経BP社 発売日: 2017/01/11 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 全体としてはなかなか面白い本ではあるのだけれども、さすがに1980年代に書かれただけあって古臭いところも多い。例えば、第一章の内容はTOC(制約理論)の方がわかりやすいと思うし、計測の重要性が強調される一方で
アレックス・ラインハート著「ダメな統計学」は、いわゆるトンデモ統計批判の書ではない。ここで説明されるのは、科学者が意図せず間違って使用している確率・統計の手法についてだ。科学者ならば統計についての知識水準は高いものがあるのだろうと思っていたが、実際にはそうではないようだ。ある論文によれば、公刊されたほとんどの論文に問題があるとのこと。 ダメな統計学: 悲惨なほど完全なる手引書 作者: アレックスラインハート,Alex Reinhart,西原史暁 出版社/メーカー: 勁草書房 発売日: 2017/01/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 本書は平易に書かれているので読み進めることはできるのだが、前提となる知識が不足しているため、なかなか理解が難しい。過去、確率・統計には何度か挑戦しているのだが、いまだに分かった感がない。残念ながらこの本を読んでも系統だった理解に
社内勉強会用に流用するつもりではあるんだけど、一度データモデリングについては考えをまとめておきたかったので、資料化してみました。 データモデリング・テクニック from Hidekatsu Izuno データモデリングについては、昔読んだ本を読み返したりもしたのだけど、なんとなく共通的な基盤がありながらも、これが標準と言えるような方法論がないのが難しいところ。私個人としては、「楽々ERDレッスン」の著者の羽生章洋さんがWeb+DBプレスに書いていた記事とか当時のブログに強く影響を受けました。 自分の考えが絶対に正しいというつもりはないんだけど、わりとトラディショナルな考え方をベースにいろんな人のノウハウっぽいものを詰め込んで書いたので、新人向けの教育資料としては手頃なんじゃないかと思ったりもしています。 まぁ、データモデリングは関しては、強い意見を持っている人も多いとは思うので、ご意見あれ
Java にはプラットフォーム固有のライブラリを利用するために JNI (Java Native Interface) という機構が用意されている。この機構の問題点は、どこのプラットフォームにバイナリを持っていっても同じように動くという Java の最大の利点を失わせてしまうことにもちろんある。それはそうなのだけれど、最大の問題は様々な環境用のバイナリを用意するにはそれぞれコンパイル環境を用意する必要があり、現実的には難しいという点にある。 そこで考えたのだが、Rust はクロスコンパイルができるようになったと聞いた覚えがある。ということは単一環境(例えば、普段デスクトップとして使っているWindows PC)からでも各環境に対応した共有ライブラリが生成できるのではなかろうか。 まずは、Rust で JNI ができるのか調べてみた。すると出てきたのが次のサイト。 nitschinger.a
以前「続・圧縮アルゴリズム(実測)」というエントリにて、各種圧縮コマンドの特徴を調べたが、このたび facebook より最強と名高い ZStandard がリリースされたので、追加で実測してみた。 以下はその結果。圧縮率はほぼ GZip 同等にも関わらず、圧縮時間は1/5、伸張時間も1/2、使用メモリ量は増えるもののさほどでもない。たしかに、これはなかなかの優れもの。高圧縮モードで使えば、bzip2並の圧縮率になるというのも良い。試していないけれども、あらかじめ辞書を作っておくと、圧縮率を更に上げることもできるようだ(どういう教育データを用意すればいいのかよくわからなかった)。 圧縮プログラム圧縮後 サイズ圧縮時間圧縮時 最大メモリ量伸張時間伸長時 最大メモリ量 lzip(best) 0.69 31.6 164.17 2.52 17.45 xz 0.69 23.87 106.96 2.4
仕事でDBのマイグレーションに関わっていて、データの移行に適した良いツールないかなと探していたところ embulk というツールを見つけた。結構、流行っているということで調べ始めたところ、実行ファイルが面白い仕組みになっている事に気づいた。 embulk の Windows インストールは次のように記載されている。 PowerShell -Command "& {Invoke-WebRequest http://dl.embulk.org/embulk-latest.jar -OutFile embulk.bat}" てっきり最近良く見るインストールスクリプトのダウンロード実行かと思ったら、そうではなく jar ファイルをダウンロードして bat ファイルとして保存しているだけだ。 昔から実行して展開できる形式の ZIP 圧縮ファイルはよく見たけれども、bat ファイルとはなるほどと思って
elasticsearch で from/to を指定せずに検索したところ、なぜか10件しか取得できない。調べたところ、なんと to のデフォルト値は無制限ではなく 10 件となっている。 なるほど、それならばこの値をものすごく大きい数にすれば解決できなくはない。しかしながら、それを行うとHTTPのプロトコル的に巨大なJSONが返されるに違いなく一旦メモリに確保されてしまうようでは大問題だし、大きな数を指定するというのは適当すぎる。だからと言ってページ分割して問い合わせすると、結果の整合性が保証できない。本当にそんな方法しかないのだろうかと思っていたところ、やはり解決策が用意されていた。 stackoverflow.com size defaults to 10, so you may also need &size=BIGNUMBER to get more than 10 items.
[2018/07/01 追記] 過去に話題になったこともあり、このページに辿り着く方が多いようなのだが、係数導出の手法については継続的に改善を行っている。現時点では、「工数見積りの海を彷徨う・征服」というエントリに記載した「分位点回帰」を使うのがベストではと考えている。50%分位点が中央値にあたるため係数も安定しており、現在の見積りが過去のプロジェクトと比較してどのくらいの工数なのかが明確でわかりやすい。合わせて参考にしていただきたい。 工数見積りが難しいのはわかっているのだが、そうは言っても根拠は欲しい。この業界に入ってからずっと考え続けているのだが、やはり難しい。 この手の工数、工期という話題の時、役に立つのは次の資料だ。 IPA ソフトウェア開発データ白書 JUAS ソフトウェアメトリックス調査 素晴らしいことにどちらも PDF 版は無料で配布されているので、ダウンロードして見ること
たまに布団に潜り込んでも目が冴えてまったく眠れないことがあった。心配事があって眠れない、ということも時にはないわけではないけれど、どちらかと言うと、理由もわからずただ眠れない、ということの方が多かった気がする。 最近は、朝日が入るマンションに引っ越して通勤時間が減ったこともあるのか、まったく眠れない、という機会も減ってはいるのだけれど、快眠はQOL的に重要なわけで、うまく実現する方法があれば知りたかった。 先日、Twitter でたまたま紹介されていた本の評判が結構良かったので買ってみたところ、予想外にまともな本だったので内容を紹介したい。 朝型勤務がダメな理由 あなたの睡眠を改善する最新知識 作者: 三島和夫,ナショナルジオグラフィック 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社 発売日: 2016/01/22 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る ダ
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