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掃除・片付け
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ここ二週間の僕のトピックをあげるなら、「50を過ぎたらバンドはアイドル」という筋肉少女帯の新曲が完成した。 「50を過ぎたら……」本当にその通りだと思っている。存在の非日常性、不条理感、幻想度……ウソっぽさ、すべてにおいて50歳を超えたロックはアイドル的だ。 だって、そうでしょう。 本来なら若者のために作られた音楽ジャンルをがっつり初老になってまだやり続けているのだ。“ヤング”という基本概念と光の速さで乖離していくのは当然のことだ。社会への反発、大人への抵抗、そんなメッセージを50過ぎて叫ぶ者があるなら前者はメンドーなツイッター民だし後者はヘンなおじさんだ。 「大人は信じられない!」と憤っている輩が憤る矛先より20も30も歳上なのだ。何よりいい歳をしてライブとかやっているのがおかしいよ、ということだ。エレキギターをギュンギュン鳴らしたりドラムをドコドコ叩いたり「やかましい! 君たちは学生さ
先日、クラブチッタ川崎で行われた「鬱フェス2023」に参加した。神聖かまってちゃん、上坂すみれさん、ベッド・インその他多数のアーティストと共演した。 「鬱フェス」は、バンド・アーバンギャルドが主催している音楽フェスティバルだ。「病気のみなさんこんにちは」というキャッチコピー。さわやかな夏の野外フェスには向かないような、サブカル色が濃いというか、マニアックでコケティッシュなメンツを集めて開催されている。今年で10回目となる。 僕は10回皆勤賞で出演している。3年前の回では新しい学校のリーダーズとコラボして歌った。その時はまさか彼女らがその後世界的にブレイクするとは夢にも思わなかった。素晴らしいことである。 今年は僕があと数年で還暦を迎えるということで、赤いちゃんちゃんこを着せられて「老後じゃないもん MAXX TOSHIYORI」というアーバンギャルドとのセッションで出演することになった。マ
筋肉少女帯のツアー中だ。初日はクラブチッタ川崎で行われた。 その数日前であったか、ミュージシャンの某さんがご自身のライブ冒頭で「今日は歌いたくない。おしゃべりがしたい」と言うような発言をして物議を醸すと言う騒動があった。 『……それオレの格好のMCネタだよなぁ』と正直思ったのだ。でも、某さんに悪いし、そんな日もあるのだろうし、ツアー初日からそういうネタを放り込むのもどうなんだよくないぞ、やめておこうオレよ「よせよ」と「ネバーエンディングストーリー」の日本語カバーにおける羽賀研二さんの歌い出しの言葉で自分を抑え、僕はステージに立った。 でも、どうにも1曲目の「サンフランシスコ」の曲中に口がムズムズしてたまらないのだ。言いたい。言いたい。 どうしても言いたくなって1曲目終わるやいなや「今日はしゃべりたくないよー!!」と開口一番大絶叫してしまった。 そこはやはり場外ザワザワッとなった。某さんには
筋肉少女帯のツアー中である。 11月22日のZepp DiverCityがファイナルになる。筋肉少女帯はラウドロックバンドだ。60歳も近くなってのラウドロックのライブは体力も気力も死に物狂いである。全身全霊で、全集中して対峙しなければできるものではない。真面目なことを言うが、これは紛れもなく真実である。すべての雑念を捨て、煩悩を振り払い、ただステージとお客様と自分たちの音楽のみに専念しなければ、目指す高みにはたどり着くことが叶わないのだ。 ……で、先日、メイドカフェに行ってきた。 「雑念全然捨てとらんやないか」「煩悩しかないやろうお前」と言われたなら返す言葉もないが、行きたかったんである。ここ数年、一回行ってみたいと密かに思っていたのだ。 正確にはメイドカフェではなくてコンセプトカフェと言うのだそうだ。お店ごとに例えば「妖精さんがお店にいっぱい」とか「アイドル候補生がお給仕します」などとの
40代から弾き語りを始めて最近はさまざまなミュージシャンとツーマンライブをやっている。先日は茂原でROLLYさんと共演した。 茂原駅にはロッテリアしか食べるところがなかった。でもそのロッテリアではなんとラーメンを出していたのだ。嘘じゃない! 本当だって。僕はそのラーメンを食べた。何味だったっけかな? きっと今後、全国のロッテリアでラーメンをメニューに入れる計画があるのだろう。それで実験的に茂原でまずはこっそり出していたのではないか……。 そう思いひとり納得した。ライブのMCでそのことを話したら誰も信じてくれなかった「嘘じゃない! 本当だって」お客さんからは「えー??」と言う反応しか返ってこなかった。 「大槻さん、それはロッテリアとラーメン屋さんがふたつ並んだフードコートだったのじゃないですか?」と後でエゴサしたらそういったことを書いているポストがあった。 「うーん、あ、そうかも。そうだね、
本連載が好評ということで、『ぴあ』さんにトークイベントを開催させてもらった。 「のほほん学校」と題して3月1日に渋谷のduoで行われた。 ゲストは漫画家のみうらじゅんさんとPOLYSICSのハヤシヒロユキさん。みうらさんとハヤシ君だもの、それはもちろんゲラゲラ爆笑大会になったに決まっている。 みうらさんは安齋肇さんと一緒に鳴門のうず潮を見に行った時、観光船に乗り合わせた修学旅行生の一団に「ビートルズさんですよね?」と言って囲まれたという話を聞かせてくれた。長髪髭の両氏を後期ビートルズさんの一体誰と間違えたものかは不明だが、みうら&安齋両氏は「若者の夢を壊してはいけない」ので、「イエス」と答え、サインにまで応じた。そして引率の先生が「ちょっとビートルズさん忙しいからみんなもう散ってぇ」と命じるまでビートルズさんに成り切ったのだそうだ。 ハヤシ君はトレードマークの黒ブチ眼鏡が実はダテであること
筋肉少女帯、JUN SKY WALKER(S)。ともに80年代バンドブームを駆け抜け、90年代後半にはバンドの解散や休止を経験、そして00年代後半に活動を再開するといった、似たような紆余曲折を経て、共に今年がデビュー35周年の節目にあたる。そんな盟友と言ってもいい2バンドから、筋少は大槻ケンヂ&内田雄一郎、ジュンスカは宮田和弥&森純太が参加して同級生対談が実現した。80年代後半のバンドブームから現在の活動まで、当事者しか知りえないエピソード満載で語り尽くす。 ――え、偶然見かけたんですか? 宮田 そうなんですよ。 大槻 明るい人だなーって思った(笑)。 ――(笑)。ちょっと振り返ってお話を伺いたいのですが、最初にお互いのバンドを知ったのはどういうきっかけだったんですか? 大槻 野音で初めて会ったんだと思う。 森 会ったのはそうだよね。でも存在は知ってたけどね。 宮田 インディーズの当時は僕
Q. 『ジョーカー』は今年のアカデミー賞でもたくさんノミネートされている話題作です。押井さんはご覧になりましたか? 僕は二度観たのですが、なんというか打ちのめされてしまいました。押井さんの感想をお聞きしたいです。 ── 今回のお題は『ジョーカー』です。先頃発表されたアカデミー賞で作品賞や監督賞など最多の11部門にノミネートされ、その主人公を演じたホアキン・フェニックスが主演男優賞を獲得したばかりです。 押井 そうなの? おそらく上手い役者なんだろうけど、私はやりすぎだと思ったけどね。役者バカと言われる俳優にありがちな暴走演技ですよ。彼のジョーカーより、ダンゼン『ダークナイト』(08)のジョーカーの方が良かった。なんといっても知性がある。彼がバットマンに言っているのは「お前もオレと同じなんだ。いつか世間に酷い目に遭わされるぞ」ってことだけ。それはまったくもって正しいんです。まさに純化された悪
押井 観てません。『エヴァ』について語ることはあまりないよ。やることなすこと、庵野だってこと以外はね。 ── 諸般の事情で公開が延期されていたんですが、突然「来週公開です」みたいなニュースが流れ、みんな驚いたようです。しかも公開日が、東京の緊急事態宣言が解除される予定だった日とはいえ、異例の月曜日だったのでまたびっくりでした。 押井 まあ、庵野の横紙破りは今に始まったことじゃないし、それも含めて庵野ですよ。 ※続きはアプリでお読みください 質問はこちらのフォームからお寄せください!
最高のロックンローラーであるPANTAさんが亡くなった。73歳。闘病中とは聞いていたが、急な訃報を七夕の日の昼に知った。 その日は夕方から川口の方面に車で出かける予定があった。車の中でずっとPANTAさんの歌を聴いた。どの曲も、最高だ。 PANTAさんの歌を知ったのは、中学生の頃だったか。多分「兵頭ゆきのセイヤング」かなんかから流れてきた頭脳警察の「ふざけるんじゃねぇよ」という曲を聴いて、僕は勉強部屋で深夜に一人衝撃に打ち震えてしまった。~ふざけるんじゃねぇよ、動物じゃねぇんだぜ~と、パンクロックの出現より早くパンクな言葉を叫ぶPANTAというボーカリストの迫力に圧倒され恐怖さえ覚えた。 深夜放送等の情報などによれば頭脳警察は学生運動の集会でもよく演奏し、反対セクトからステージに投げ入れられた火炎瓶を投げ返しながらライブを続けたという。 やっぱりコワい人なんだな! そう思ってレンタルレコー
『映画 この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』 (C)2019 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/映画このすば製作委員会 「ぴあ」調査による2019年8月30日公開のぴあ映画初日満足度ランキングは、暁なつめのライトノベルを原作にした人気TVアニメシリーズの劇場版『この素晴らしい世界に祝福を!紅伝説』(略称“このすば”)が第1位になった。出口調査では原作やアニメ版のファンから「最高!」「何回笑ったか覚えてない」など熱い声が多くあがった。 本作は、不慮の事故で命を落とし、ひょんなことからRPGのような異世界へ転生した主人公カズマが、仲間の少女3人と「生まれ変わったらファンタジー世界で勇者のように大活躍する」という理想とはかけはなれた冒険者生活を営む様子を描くファンタジーコメディ。原作はシリーズ累計発行部数650万部を突破する人気作で、アニメ版は2016年に第1期、2017年に第2期が放送さ
Q. 押井監督も出演されていた『花束みたいな恋をした』の感想をお聞きしたいです! 僕は“時代の不安の記憶装置映画”だと思いました。
入院にしている母の90歳の誕生プレゼントに、白と黒のうわっぱりをあげたら「意外に地味な色だね」と言って笑った。でも気に入ったようで「退院したら家で着れるよ」とベッドの脇にちょこんと座ってうわっぱりをなでていた。 僕はロックを生業としているけれど、その日常が他の一般的なお仕事の方々とさして変わらない面が多いことにたまに茫然とする。母の年齢的に言って、退院後に自宅ではなく、介護施設的なところに入ってもらう可能性もあり、その事を告げる役どころは、兄はもう死んでいるから、次男の僕になるのだ。今まで何度も大規模会場で何千人の前で「もう一回、行ってみるかぁ!!」なんて平気で話しかけてきたけれど、病院の大部屋の隅でたった一人に「あ……お母さん、実は……」と声をかけることがこんなにもためらわれる。 ……挫・人間の下川リヲ君には青い革ジャンをプレゼントした。7月2日に僕のバンド・特撮と、下川君のバンド・挫・
先日、筋肉少女帯のイベントを渋谷で行った。 メンバーが全員集合。でもバンドとしての演奏はせず、各々がソロまたはデュオで曲を聴かせるという形式だった。僕はこういう時に妙なヒネクレ根性が出てしまう。筋少の曲を数曲にとどめ、特撮やオケミスなどほかで参加してるバンドの曲を多めに歌った。 『そこは筋少の曲をやるべきだよなぁ』 若干思ったが、筋少ベースの内田君が登場するや西城秀樹「傷だらけのローラ」を朗々と歌い出したので『俺なんてまだまだだな』と妙な反省をしたものである。 ちなみに「ローラ」をフランス語で歌っていた。俺、まだまだだ。 全員揃ってその場面では5月に発売となる筋少最新曲「医者にオカルトを止められた男」の宇宙最速試聴会を行った。 会場に新曲を流してお客さんと一緒にみんなで聴くのである。もしかしたら中には「買うまで新曲は聞きたくなかった!」という方もいたかもしれないのだが、そこは『新曲ハラスメ
Q. 庵野(秀明)さんの『シン・仮面ライダー』の制作ドキュメンタリーが話題になっています。押井さんはご覧になりましたか? 映画製作は自分以外のアイデアが出てくるのがいいと言いつつ、あれじゃないこれじゃないとリテイクを繰り返して現場のスタッフ&キャストが疲弊していく様子が収められています。ドキュメンタリーなので作り手側が面白おかしく切り取っている可能性は否めないのですが、スタッフがアイデアを出しても答えを出せない庵野さんを見ていると、こっちも胃がキリキリしそうです。押井監督から見て、このようにスタッフや出演者に無理を強いる撮影は正しいのでしょうか? ── 今回はNHKでオンエアされた『シン・仮面ライダー』のビハインドのドキュメンタリー『ドキュメント「シン・仮面ライダー」~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~』をご覧になった方の質問です。 押井 『シン・仮面ライダー』を観てないし、そのドキュメンタ
ここ数年、年末はCSの「緊急検証!シリーズ」という番組で「紅白オカルト合戦」の審査委員長を務めさせてもらっていた。 オカルトの識者たちが紅組白組に分かれ不思議トークをプレゼン、勝敗を競い合う催しの審査委員長である。バンドの知り合いには紅白歌合戦に出ているミュージシャンもいるというのに何をやっているんだね君は? との感もあるが毎年楽しかった。 ところが2023年は開催されないことになった。残念なので、代わりに新宿ロフトプラスワンでオカルトトークイベントを開催することにした。 「緊急!オーケンのほほん学校!真昼のオカルト紅白年末合戦」 ゲストに怪奇ユニット・都市ボーイズとオカルト編集者の角由紀子さんをお招きした。どちらもYouTube番組を持っていて大人気である。 角さんの番組「ヤバイ帝国」には様々なゲストが登場して毎回面白い。 最近の回には、医者に余命1年宣告されたがん患者が登場した。それを
2週間前に「うたの日コンサート」ツアーのファイナルがあった。僕とROLLYさんとで13年もやっているアコースティックライブだ。今年はダイアモンド✡ユカイさんと石川浩司さんをゲストに各地を巡った。石川さんはランニングシャツで「着いたー!」と叫ぶ元たまのメンバーだ。もちろん各地愉快なライブになったのだが、ある土地の会場でちょっとしたハプニングがあった。 その日のライブは開演から指笛をピ~ッ!!と鳴らすお客さんがいて「さすがコロナ禍明け、盛り上がってるね」などと最初は思っていたのだけど、どうにもその指笛のお客さんがライブ中も声を上げるなどして騒がしい。まぁ、そういう方はたまにいるのでちょっと困ったなぁ、という感じで様子をみていたのだが、この日のお客さん、中年の男性の方が意表を突いたのは、僕、ROLLYさん、石川さんが揃ってセッションを始めた宴もたけなわのそのタイミングで、急にバッ!と席から立ち上
母の入っている老人ホームで縁日をやるというので行ってきた。たまにそういったイベント事を催しているらしい。行ってみると施設のロビーに屋台が出て、ハッピ姿の職員さんが焼きそばを作っていたり、ボール掬いや射的に老人たちが興じていた。 アッパー系演歌(「北酒場」とか「祭」とか)もガンガンに流れ賑わっていた。 「あたしは騒がしいの嫌いだよ~」と言いながら、母も歩行器を押しながらロビーに出てきて、職員さんに促されて射的ゲームを始めた。 ポン、ポン、とこれがなかなか上手に景品の人形などを倒していく。その度に職員さんたちが「すごいじゃなーい」「うまいねぇ」と囃し立てる。小さな子供にいうような口ぶりだ。ちょっと90歳の人間に対してその子供扱いはどうなのかなぁ、と息子は思ったのだが、母は自分の腕前に興奮したのか、ポン、ポン、とまた空気銃で景品を倒してみせた後、振り返り突然「うまいだろ賢二、あたしは射撃をやって
── 湯浅さんが初めて監督も手がけたのは、『バンパイヤン・キッズ』(01~02)のパイロット版『なんちゃってバンパイヤン』(99)ですね。プロダクションアイジーの作品です。 湯浅 アイジーで『なんちゃってバンパイヤン』ともう1本、短編の『スライム』(『スライム冒険記~海だ、イエー~』(99))の監督をやったんですが、このときちょっと考えたんです。このままアニメーターで行くのか、それとも演出もやるのか? そのときのキャリアで言うとアニメーターの方が順風満帆だろうという感じではあった。演出をやることに否定的な意見もあったし、向いてないと言う人も多かった。 ── でも、監督の方を選んだんですね。 湯浅 そうです。理由は簡単、面白そうだから。やったことがないので伸びしろがあるんじゃないかと考えたんです。 アニメーターとしてはそれなりの評価をいただいていたものの、自分では伸びしろを感じなかった。もち
Q. 今年のアカデミー賞に国際長編映画賞のみならず作品賞・監督賞・脚色賞にノミネートされた『ドライブ・マイ・カー』。押井さんはご覧になったでしょうか? タイトルどおり車のシーンが多い映画でしたが、押井さんの映画も車のシーンが印象的なものが多いですよね。押井さんにとって車のシーンの演出に対するこだわりや、印象的な作品があれば教えてください!
パパ活、というものをしたことがない。パパ活というのが具体的にどのような行為を指すのかよくわからないのだが、聞くところによると、若い娘とご飯に行ってご馳走をしたらもうアウトであるらしい。 飯どころか一緒に散歩をするだけでもそれに金銭が発生したらダメなのだそうだ。僕は特に若い娘と散歩やご飯をしたいとも思わないので、まぁいいんだけど、もし、仮に若い娘と散歩やご飯に行くことになったなら、どう段取ればいいのだろう?などと時々ふと夢想することがあるので、あるいは本当は若い娘と散歩やご飯に行きたいのかもしれない。夢とうつつは入り混じるのかもしれない。 「散歩って、ご飯って、どこ行く?」 若い娘の希望などもうまるでわからないから、そう、いっそこちらから尋ねるのではないか。 「う~んそうね、今日は髪を切りに行くから、そのあとトリキに連れてってほしいかな」 「トリ? トリアッテ? あ~イタメシ的な」 「違う。
今夏はライブをやり原稿を書き時間が空くと映画を観に行った。通常営業である。 90歳になる母が施設に入ったので、何回か面会に行ったことぐらいが他のこの季節と異なるところであったろうか。母は病院にいた頃より歴然と表情が明るくなっていた。施設のアットホームな雰囲気が合ったらしく「家にいるのと全然変わらないよ」と言う。 そして息子が「次は横浜でライブなんだ」と言うと「賢二、うるさいからロックなんてやめな。演歌にしな。演歌なら1曲当たれば10年は喰えるよ」と、35年前にメジャーデビューを報告した時と全然変わらないことを言って、またアハハハハと笑うのであった。 映画は今夏なぜかホラー映画にはまった。 昔から嫌いではなかったけど、今年の酷暑に恐怖の刺激を欲したのか、沢山観た。先日も「本当にあった呪いのビデオ」の劇場版を観るために池袋まで出かけてきた。映画館で聞く決め台詞「おわかりいただけただろうか?」は
ライブの記憶があまりにもない問題、ということがあるかと思う。 たくさんライブをやっていると、基本的にライブで何をやったか、何を言ったか、どんなことがあったか、そもそもそんなライブをやったのかどうかさえ、あんまり覚えちゃいないようになるのだ。 「今夜のライブ一生忘れないぜ!」 「みんなのその顔、ずっと目に焼き付けておくぜ!!」 とかロックの人々はライブで言ったりするが、ウソである。 次のライブをやる頃にはすべてを忘れ去っているし、下手すれば打ち上げでもはじまって 「ウーロン杯3つ」 とか言った頃にはもうまるで宇宙人に抜かれたかのようにスッポリ記憶がなくなっているものなのだ。 それは恐らく脳の防御システムによるものなのかもしれない。次々に忘れて行かないと、ライブという濃い体験で脳の容量を超越してパンクしまうからだ。 だからライブをやる者の多くはせめて、ひとつのライブについてひとつくらいの印象の
脳ドッグに行こうと思っている。 聞き間違いが最近あまりにひどいからだ。聞き間違いというより言葉の認識能力が落ちている気がするのだ。耳鼻科にも行くけれど、もう脳を調べてもらったほうがいい。 先日もトークイベントか筋肉少女帯のライブの時(記憶力も歴然と落ちている)に、誰か(思い出せない)のオススメ映画が「今なら鎌倉で観れる」とステージ上で聞いて「へぇ鎌倉で」湘南に良い名画座でもあるんだね、と思ったら「アマプラで観れる」なのであった。もちろんオススメの映画が何だったのか思い出す事はできない。 正月明けに会ったスタッフがやおら「桑名プリキュアがバブってNo.1!」と言ったのにも非常に困惑した。 桑名正博さんなら知っているが桑名プリキュアさんなる人(?)は存じ上げないし桑名正博ならバブってNo.1ではなくてセクシャルバイオレットNo.1だろう。 「え? ちょっと何言ってるのかわからない」 思わず聞き
「配信喫茶オーケン」というイベントを始めた。 毎回おひとりゲストをお招きして彼の得意とするジャンルについて語り合う様子を配信するトークイベントだ。 第一回目はUMA研究家の中沢健さん、三回目はプロレス実況アナウンサーの清野茂樹さんをお招き。もちろんテーマはオカルトとプロレスになるわけである。 第二回目には声優の野水伊織さんをお招きした。いわずもがなアニメの話をじっくりと……と思えば、これが、違う。 トークテーマはホラー映画についてであった。 声優の野水伊織さんは、筋肉少女帯が作った「球体関節人形の夜」という曲を歌ってくださっている。作曲は野水さんからの依頼で「筋少に曲を作ってほしい女性声優なんているんだなぁ」とメンバー一同当時喜んだものだ。 でもその時はそんなに彼女とお話をしなかった。何年か経ってホラー映画のイベントで同席して『あ~野水さんホラー観るんだぁ』くらいに思っていたら、出演者がそ
眠りに就く時いつも音楽を聴いている。 スマホを枕元に置いて、SpotifyかAppleMusicを微音で流しているのだ。その音色が眠りへの誘い水となっている。 聴くのはいつも70年代のソフトロック&ポップスだ。キャロル・キングとかブレッドとかザ・バンドとか。 70年代のそれらは土と風の香りがして、逆に都会の匂いもして聴いていると心地よく気持ちが落ち着いてくるのだ。寝しなの音楽に何が良いかいろいろ試してみた結果、70年代ソフトロックが今の僕には一番合っているようだ。 普段はメタルやパンクをやっていて、て言うか、そもそもナゴムレコードの出身だというのに、落ち着いた先がそこだったとはなんだが「ケラさんごめん!」という気分になるけれどよく眠れるのだから仕方がない。 CSN&Yの「アワーハウス」やイーグルスの「デスペラード」なんてトロトロと溶けていくように寝心地がいい。 死ね死ね団にもばちかぶりにも
筋肉少女帯のツアーがファイナルを迎えた。会場はZepp DiverCity(TOKYO)。 ファイナルライブといっても、開演前の楽屋の様子は静かなものである。仲が悪いわけではないのだ。もうメンバーもいい大人だし、長年一緒にいるので、特別に交わす会話もないのだ。 それこそギターの本城くんとはツアー中ステージ上でしかおしゃべりしていないし、もうひとりのギターの橘高くんはライブ準備の関係でたいがい楽屋が違う。ベースの内田くんとは……そういえばキングシーサーの話をちょっとしたかもしれない。 キングシーサーとは映画「ゴジラ対メカゴジラ」に出てくる怪獣だ。 「内田くん、キングシーサーって目覚めるまでが無駄に長いよね」 「ん? あー、そうだよね」 とそんなやりとりをしてある地方ではステージへ向かった。ほとんど熟年の芸人同士のようなものである。 スタッフも長い人とは本当に長い。メイクのAさんなどとは数10
── 現在は監督として活躍している湯浅政明さんですが、キャリアはアニメーターからスタートしています。 湯浅 最初は演出や監督にはまるで興味がなかった。単にアニメの画を描きたかっただけだったので、将来はアニメーターを生業にしたいと思っていたんです。 そう考えるようになったのは中学時代。アニメは物心ついた頃から好きでずっと観ていたんですが、どうやってアニメが作られているのかという部分には注目していなかった。その頃は、漫画とアニメの区別もついてない感じでした。 でも、中学1年生のときに、劇場編集版『宇宙戦艦ヤマト』(77)が公開されてアニメブームが起きた。その後も宮崎(駿)さんの『ルパン三世 カリオストロの城』(79)や、出崎(統)さんの『エースをねらえ!』(79)、さらにりんたろうさんの『銀河鉄道999』(79)が公開されて、アニメーターという仕事があるということを初めて知ったんですよ。相次い
アニメ・ゲーム・コミック・声優による音楽活動を展開する次世代ガールズバンドプロジェクト、BanG Dream!(バンドリ!)発のリアル・バンドとして注目を集め、今年結成5周年を迎えたPoppin'Party(通称:ポピパ)。6月24日にリリースした2ndAlbum『Breakthrough!』が、ビルボードチャートで週間1位を獲得した。 新型コロナウイルスの影響による発売延期を経て手元に届けられた最新作は、Disc1にアニメ2nd Season・3rd Seasonの主題歌「キズナミュージック♪」から「イニシャル」、SILENT SIRENとのコラボ楽曲「 NO GIRL NO CRY Poppin'Party Ver.」などの表題曲を収録。そして、Disc2にはカップリング曲が収録された、新規楽曲も多数含むボリューム満点の2枚組に仕上がった。ガールズバンド史上、最速で日本武道館公演を成功
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