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スーパーと道の駅に行ったところ、トマトがずらりと並んでいました。おいしいトマトが手に入ったときにはまとめてトマトソースづくりです。今日はとびきりおいしいトマトソースの作り方をご紹介します。 トマト 650g程度 ドライオレガノ 少々 にんにく 1片 オリーブオイル 25g 塩 3gまとめて作ったほうが楽なので、多めにできる分量です。トマトについて復習しておきましょう。 トマトは固くて薄い外皮(いわゆるトマトの皮)と外側の果肉壁、中央の芯、趣旨のまわりのゼリー質と果汁の4つで構成されています。果肉部分には糖やうま味成分が多く、ゼリー質と果汁部分には酸(とうま味成分)が多く含まれています。 よく料理書に載っているレシピには『トマトの種と果汁を取り除く』とありますが、あれは酸味を調整しているわけです。トマトの酸味はクエン酸やリンゴ酸なので、加熱しても揮発しないので、酸味を減らし
基本の茹で方はこちら。アスパラガスの料理は色々とありますが、結局は茹でるか、焼くかして、シンプルに食べるのが一番おいしい気がします。特に出はじめの野菜はあれこれ工夫するよりも、そのものを素直に味わいましょう。 というわけで、今日はアスパラガス+目玉焼き+パルメジャーノチーズの料理を作ります。ビスマルク風として有名な料理です。 ビスマルク風はアスパラガスに限った名前ではなく、目玉焼きを乗せたものと考えてください。ビスマルクというのはドイツの宰相ビスマルクさんが卵好きだったことに由来します。ステーキに目玉焼きを載せて食べるのが好きだったようで、一日に卵を15個も食べたという逸話も残っています。 アスパラガスは根本を手で折ります。 ピーラーで全体を撫でるようにして、はかまを取り除きます。下1/3ほどの皮を薄く削いでおきましょう。もったいない気もしますが、口当たりがまったく変わってくるので、手間を
『コクのあるカレー』や『コクとキレのあるビール』という具合に味の表現として頻出する〈コク〉。このコクとは一体、どのような味わいでしょうか? じつはこれ、答えるのが非常に難しい問題です。その理由はこれまで〈コク〉という概念は定義されてなかったから。「コクがあっておいしい!」とよく言いますが、コク=おいしいではありません。 しょうゆラーメンとみそラーメン、どちらがより「コク」を感じますか?明確な定義はない、とはいえコクは一般的に「濃厚感や広がり、複雑さ」などを表現する際になんとなく使われています。例えばカレーやチーズ、シチューやラーメンなどには「コクがあっておいしい」という表現が使われ、逆に果物や刺身などはおいしい食べ物ですがコクは感じないでしょう。では、コクの正体とは何か? 先日、コクの研究の第一人者で、こちらの本の著者である女子栄養大学食品栄養学研究室の西村敏英教授からお話を伺ったので、こ
久しぶりに21世紀料理教室の更新です。今日はミルクウォッシュというテクニックを使ったカクテルの紹介。名前の通り牛乳を使ってお酒を洗うことで、クリアーな味を生み出します。 ミルクウォッシュパンチ A パイナップル 200g A コリアンダーシード 0.1g A クローブ 1本 A シナモンスティック 1/2本 A 緑茶 50g(濃い目に煮出す) A ラム酒 300g(ライト) A バーボンウイスキー 40g A ペルノー 10g(あれば) A グラニュー糖 70g 水 100g 牛乳 200g レモン果汁 75g 柚子果汁 30g まずはAの材料を計量します。ラム酒は製菓用として使われるダークラムではなく、ライトなタイプ(今回はハバナクラブ)を使いました。パイナップル
クラフトコーラという単語はすっかり定着しましたが、今日はコーラっぽい飲み物の基本的な作り方をご紹介。 コーラをどのように定義するか、というのはなかなか難しいところ。コーラという飲み物はコーラの実から抽出したコーラエキスを用いたことに由来するそうですが、コーラの実がなければコーラは作れないのか、というとそんなことはありません。そもそも世界で一番ポピュラーなコーラであるコカコーラにコーラナッツは使われていませんし。 このあたりのコーラナッツについての考察やコーラの歴史についてはTETOTETOの井上豪希君がnoteでまとめているので、参考になります。当該noteには コーラナッツを使わないレシピも、コーラなのです。とありますが、僕も同感。しかし、こう考えると、コーラをどのように定義したらいいのか……というのが、なかなか難しいところです。とはいえ、クラフトコーラっぽい飲み物であればスパイスと糖類
うすくちしょう油は開封して時間が経つと酸化が進み、濃口醤油よりも味が落ちやすいので、濃口とうすくちの2本を台所に揃えてくださいと、以前はなかなか言いづらかったのですが、今は酸化防止ボトルに入ったうすくちしょう油が市販されています。使用頻度が少ない家でもこれなら大丈夫。というわけで、めんつゆの作り方です。 めんつゆ 水 250ml うすくち醤油 50ml みりん 50ml 昆布 5cm角 かつお削り節 ひとつかみ 普段、いちいち計ったりしないでしょうから鰹節と昆布はあえてざっくりとした分量表記にしていますが、めんつゆの基本は出汁5:しょう油1:みりん1です。うすくちしょう油を使うと濃口よりも塩分量は多くなるので、バシッと切れ味のいい仕上がりになります。 作り方はかんたん。すべての材料を鍋に入れて、中火にかけます。昆布は事前に水に漬けておくとさらによし。沸騰してきたら弱火に
ビーガン(vegan)とは菜食主義者=vegetarianの前後5文字をとった言葉(Veg+an)で『完全菜食主義』と訳されます。もともとはイギリスではじまった考え方で、動物由来の食品(ハチを使って集めるはちみつや製造工程で牛骨を使う砂糖も使用不可)を摂取しない生活を指します。厳格なヴィーガンは持ち物も動物由来を排除するなど徹底し、動物愛護のためのイデオロギー的な傾向も強く、論争を巻き起こしがちだったのはそのため。 一方、このところは健康志向や環境への負荷を減らすためにもっとライトな感覚でヴィーガンを選択する人が増えたことで、注目を集めています。週末だけヴィーガンを選択する「フレキシヴィーガン」という考え方がその典型。最近ではガストロノミー的な美食を実現するビーガン料理店も増えてきました。 さて、ヴィーガンの人が最も忌み嫌う食べ物の一つがフォアグラです。フォアグラはフランスが誇る伝統的食文
お店をやっている人であれば食品衛生責任者の資格をとるときに衛生法規(2時間)、公衆衛生学(1時間)、食品衛生学(3時間)の講習があったと思いますが、それ以外の人も食品と接するもの。この機会に一度、復習しておきましょう。 衛生や安全性を理解したい場合、よく参考にされるのが「大量調理施設衛生管理マニュアル」(生食発0616第1号 平成29年6月16日)です。それまでも調理衛生については営業者に対する指針として「弁当及びそうざいの衛生規範」などの各種の衛生規範や通知がなされていましたが、項目が多岐渡り「どうしたらいいかわからない」という問題もありました。それを解消するために作成されたのが「大量調理施設衛生管理マニュアル」です。 このマニュアルは同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する集団給食施設などにおける食中毒を予防するために作成されたものですが、もととなっているのは食品が
昨日の続きです。 さて、昆布だしが引けました。この段階で味見をしてもいいのですが、合わせ出汁にするので、確認程度でいいでしょう。さて、今日は鰹節の話をしてきます。 鰹節はやはり日本料理を代表する味覚で、うま味のもとはイノシン酸と脂肪です。今回はこのあたりについて考えてきましょうか。 鰹節もまたものによって味が異なる合わせ出汁に鰹節を入れる量は人によって大きく変わります。よく「お店の人はぜいたく鰹節を使い……」みたいなことを言う人がいますが、はっきり言って人によりけり、です。水1lに対して10gくらいしか使わない人もいますし、50g以上投入する人もいます。でも、ま、一般的には1%〜2%が目安でしょう。 昨日、グルタミン酸とイノシン酸の量が1:1で最もうま味の相乗効果が起きる、という話をしました。 (うま味インフォメーションセンターウェブページより図版引用) 右側の図がそうです。 うま味インフ
基本のレシピ、出汁のとり方を復習します。出汁とは「水溶性の旨みや香り成分を水分に抽出したもの」です。様々な食材から出汁は抽出できますが、現在の和食で用いる一般的な素材は昆布と鰹節です。 昆布の種類によって味わいが異なる まずは昆布の話から。水1リットルに対して昆布の量は10g(1%)が家庭的な量とされていますが、昆布の種類によって旨み成分の量は大きく変わってきます。 (うま味インフォメーションセンター webページより引用) 単純にグルタミン酸ナトリウム量でいえば関西で好まれる真昆布がダントツ。ただし水出ししたデータでは羅臼昆布がトップです。羅臼昆布にはグルタミン酸やアスパラギン酸以外のアミノ酸が多いので、甘みも強く感じると思います。京都で利尻昆布が好まれるのは「昆布の風味が淡白=昆布臭さがない=上品」だからです。 昆布には種類の他に、等級による分類もあります。葉幅が広く、肉厚のものは1等
昼ごはんは簡単に食べられるものが一番。というわけで、たまに書くまかないシリーズです。今日は豚肉とネギの煮込み丼。 豚バラ肉(薄切り) 200g 生姜みじんぎり 15g(大さじ1) 長ネギ 50g 出汁(または水) 200ml 醤油 大さじ2 酒 大さじ3 砂糖 大さじ2 みりん 大さじ1 山椒の水煮 あれば 片栗粉 小さじ1/2 ネギなどの青み 豚バラ肉を自分で細かく切って使うのがポイント。挽き肉を買ってくれば簡単ですが、この料理に限っていえば切ったほうがおいしくできます。豚バラ肉という安価な材料こそ、手間をかける価値があります。 生姜のみじん切り。しょうがは風味が強い皮ごと使います。薄切りにしてトランプのように重ねたら、、、 まず千切りにします。 次はその千切りを90℃回転させて、さらに切っていきます。み
昔、食育通信onlineというサイト用に作ったレシピです。禁断の、という名前の由来は常軌を逸した量のオリーブオイルを使うから。オリーブオイルをテイスティングしているとレモンや青いイチゴの風味といったニュアンスを感じるオイルと出会うことがありますが、そうしたフルーティ系のオイルを使うと上手くいきます。 オリーブオイルケーキ A バニラペースト 2g(またはバニラオイル 少々) A グラニュー糖 80g(甘さ控えめが好きなら60g) A 卵黄 2個(38g) A レモン汁 25g A レモンの皮 1g(少々) EV オリーブオイル 160g 小麦粉(薄力) 110g 卵白 110g(4個分) グラニュー糖 50g 〈仕上げ用〉 グラニュー糖(細粒) 15g 塩 3g お菓子作りが趣味の方はオイルの量に驚かれると思います。通常のケーキに使う油脂の量は小麦粉にたいしてパウン
伝統食品とは関係なく新しい調理法の一つとしての発酵が注目されだしたのは2010年代以降のこと。世界ベストレストランランキングの一位に選出されたデンマークのレストラン『ノーマ』が発酵に取り組みはじめたのが2008年、2011年には発酵をテーマにしたシンポジウムを開催し、2014年にはラボを構えますが、このあたりの影響が大きいでしょう。 Nomaは2015年にはチームで来日していますがその時、日本で披露されたメニューにも麹などの発酵技法が多く使われていました。その後、ラボの研究成果をまとめた本も発売(2018年)世界で翻訳され、nomaが関わった本のなかでは一番のベストセラーになっているそう。 こちらの「ノーマの発酵ガイド」に掲載されているのが〈黃えんどう豆のみそ〉という調味料です。 (写真は自家製です) このみそはピーソ(Peaso)と名前がつけられました。デンマークでは黃えんどう豆はとても
シンプルなスパゲッティです。元ネタはheston blumenthalの『青豆のパスタ』。カルボナーラに似ていますが、赤唐辛子のフレッシュな辛味を加えることで、食べ飽きない構成になっています。卵黄とチーズベースのソースに加える秘密兵器は『水』です。 カルボナーラに『生クリームを加えるか否か』というのはよく議論に上がりますが(樋口もそんな記事を書きました。『生クリーム入り日本風カルボナーラの作り方』)このレシピでは生クリームではなく『水』を加えることでソースが滑らかに、より軽く仕上がります。 ベーコンとブロッコリーのスパゲッティーニ 2人前 スパゲッティーニ 160g ベーコン 1枚(ハーフベーコンなら2枚 それ以上でも可) ブロッコリー 半房 オリーブオイ大さじ2 にんにく 1片(8g) 赤唐辛子 1本(半分に折って種をとる) 卵黄 2個 パルメ
一気に普及した感のあるル・クルーゼやストウブなどのホーロー加工の鋳鉄鍋。鍋マニアであるスープ作家の有賀薫さんもホーロー加工の鋳物鍋について「鉄鍋ですので機能としては熱伝導は悪いですが一度あたたまると蓄熱性が高く、塊肉で長時間煮込むポトフや煮豚などにぴったりです」と書いていますが〈他の鍋よりも「蓄熱性」に優れている〉というのが定説です。それは本当なのでしょうか?
りんごのシーズンです。ここは一つ、昔、食育通信onlineに掲載したりんごのタルトのレシピを。まずはタルト生地から。 タルト生地 強力粉 150g 塩 小さじ2分の1 バター(無塩) 75g 水 60cc (酢 opition 小さじ1) これ以上ないほどシンプルな配合です。英語でいうとショートクラストペストリーという名前の塩味のタルト生地です。ここに砂糖と卵黄が入るとパートシュクレというリッチな生地(配合としては小麦粉:2、グラニュー糖:1、バター:1、小麦粉75g〜80gに対してつなぎの卵黄が18g=L1個分という感じ)になります。 生地づくりのポイントは弾性を調整する=グルテンをつくらない」ことです。生地の弾性は水分の割合とグルテンがどれくらい生成されたか、で決まります。水分の調整はわりあい簡単で、水が足りないと生地が硬く伸びないので、水を足せばOK。逆に水が多すぎて生地が流れる
ソムリエではありませんので詳しい産地がどうこうと書ける立場ではありませんが、今回はワインのお勉強。ノンアルコールの飲み物はいくつか紹介してきましたが、それを考えるためにもまずこの飲み物がなぜ食中酒として最適とされてきたのか、を理解する必要があります。 ワインには赤ワイン、白ワイン、黄ワインや貴腐ワインなど様々な種類がありますが、最近はそこにBioなどの栽培法の要素や酸化防止剤を使用しているか否か、といった要素が加わり、さらに複雑になっています。 いずれにせよ、ワインが食中酒として最適なのは 酸度 甘み アルコール タンニンなどのポリフェノール類を含むからです。この4つの要素を理解することがはじめの一歩。肉料理には赤ワイン、魚料理には白ワインという分類が意味をなさないのはタンニンの少ない赤ワインもありますし、逆にタンニンの多い白ワインもあるから。 酸味は舌をリフレッシュしますし、甘みも重要な
「#うちのエスビー」という企画は キッチンや厨房にあるS&B商品の紹介、なぜそれを選ぶのかといった商品愛や使い方へのこだわり、それを使ったレシピ、関連するエピソードなど、S&B商品についてのエッセイ(作品)をしたためてもらうシリーズとのこと。「樋口さんも書いてもらえませんか?」と依頼されたのですが、仕事になるのであれば渡りに船。というのも僕が常備しているカレー粉がS&Bのカレー粉、通称『赤缶』だからです。 赤缶はどこのキッチンにもある香辛料。よく見ると国会議事堂(?)のイラストがあしらわれたパッケージにも変わらない良さがあります。 スパイスは使い方を間違えると特定の風味が立ちすぎて「薬臭く」なったりしますが、カレー粉を使うのであればその心配はありません。料理書で香辛料=スパイスを使っているレシピを調べると、かなりの確率で2種類以上が使われていることに気づくはずです。例えばブイヨンをとる時に
「おいしい」をつくる料理の新常識 食の博識、樋口直哉さん(Travelingfoodlab.)が、味噌汁、ハンバーグ、チャーハンなどの定番メニューを、家庭で cakes.mu 豆腐系のメニューは「そそられない」のか、PV的には伸びない傾向があるのですが、こういう地味な料理こそ、たまに作っていかないと残らないので(消えてもええやんという意見もあるかもしれませんが)意識的に取り上げるようにしています。 さて、cakesに掲載する煮物のがんもどきは市販品を使っているのですが、がんもどきは自家製するとおいしい。こちらで作り方を紹介します。 がんもどきにはもめん豆腐を使います。絹ごし豆腐でもつくれないことはないのですが、ちょっと扱いは難しくなりますよ。材料はもめん豆腐350gです。一パック=一丁ですが、この一丁という単位が曲者でして、定義がないため商品によって重さが異なるんですね。250g〜350g
夏の夕方。すこし風が出てきて、幾分涼しくなってきたかな、という時期に食べる冷奴は格別。冷房のない時代は夏の涼味の一つとして、親しまれたのでしょう。冷奴はわりと難しい料理です。簡素なものほどおいしくつくるのは難しい。最大のポイントは〈温度〉にあります。 冷奴には木綿豆腐でも絹ごし豆腐でもどちらの豆腐もあいます。しかし、今の時期はやっぱり絹ごし豆腐という感じでしょうか。 豆腐はメーカーによっても味が大きく異なります。今回はおとうふ工房いしかわの豆腐を使いました。オリゴ糖が入っているので、いわゆる豆臭さがうすいのが特徴。入手もしやすいですし、オススメです。 4等分するとちょうどいい大きさになるかな、と思います。関西の方は冷奴は正方形でないと感じが出ない、とよく言いますが、味にはたいして違いなし。 問題は温度です。 豆腐のおいしさは大豆に含まれる脂質が関係しています。豆腐は低温の状態で流通していま
日本で最もポピュラーな即席だしは味の素社が販売している『ほんだし』です。発売は大阪万博が開催された1970年。発売から五年でシェアの40%を獲得し、2018年決算の資料の情報ではシェア58%と圧倒的。ある大学で平成18年に行われた調査(「大学生の味覚感受性(特にうま味)と食習慣について」)によると顆粒だしを使っている家庭は全体の52.2%とのこと。もちろん、ほんだし以外にも顆粒だしの製品はたくさんありますが、顆粒だしが日本の家庭の味を作ったと言っても過言ではありません。 出汁に必要な要素は「香り」「コク」「うま味」の3つ。味の素にはもともとコクとうま味の技術はありましたが、香りの研究では苦労したようです。ちなみにこんぶだしの発売は2008年と結構最近。しかし、スーパーの棚に商品としてラインナップされると強いインパクトがありますね。 ほんだしはうま味調味料とは違い、砂糖や食塩、鰹節などの風味
うま味調味料は使い方がわかりにくい調味料で、家にあるけど何年も戸棚にしまいっぱなしというケースも多いと思います。外食産業の現場では昔から使われていますが、その使い方が経験則的に伝わっていることが多く、体系化されてないことが原因でしょう。 はじめに結論を述べてしまうとうま味調味料は家庭では使いづらい調味料です。よく「味の素を入れると同じ味になる」のような意見を聞きますが、それは入れ過ぎです。業務用のようにつくる量が多ければそうした事態は起きづらいのですが、家庭では一回につくる量が少ないので、ちょっと入れ過ぎるとわけがわからない味になってしまいます。もちろん入れ過ぎを回避するテクニックもあるので、今回はそれらも紹介していきます。 うま味調味料はサトウキビの糖蜜を微生物発酵させてつくった調味料。うま味成分である昆布やトマトにも含まれるグルタミン酸ナトリウムを主成分としたものです。うま味調味料とい
ひじきは海藻乾物の王様。栄養豊富で、冷蔵庫に入れておけば2〜3日は楽しめるので、エイヤと作っておくのがオススメ。昔はご飯がススム系の濃い味にすることが多かったですが、今はあっさりめに炊くのが主流です。 ひじきの煮物 長ひじき 16g (芽ひじきなら30g) にんじん 65g(1/2本) 油揚げ 50g(1枚) 出汁または水 100cc 醤油 大さじ2 砂糖 大さじ2 塩 ひとつまみひじきの煮物のレシピは基本的に分量が多めです。ひじき1パックの重さが基準になるから、ですね。ひじきには長ひじきと芽ひじきの2種類があるので買い物するときに迷いがちです。 長ひじきは茎の部分、芽ひじきは名前の通り先端の芽や小枝の柔らかい部分です。煮物には歯応えがある長ひじき、和え物や炊き込みご飯、卵焼きなんかに混ぜるには芽ひじき……と言ったりしますが、結論はどちらでもOKです。 紛らわしい
ヴィシソワーズはポロネギとジャガイモの冷製スープ。ファミリーレストランのメニューにも登場するほどおなじみのスープです。ヴィシソワーズのよくある失敗は重たくなってしまった、というケース。 これは〈じゃがいもの量〉にも問題があるようです。例えばフランス料理の巨匠ジョエル・ロブションのレシピではポロネギ2本に対してジャガイモは300gとなっていますし(参考『ジョエル・ロブションのすべて』ランダムハウス講談社)、フェラン・アドリアのレシピはネギ類はジャガイモの倍量(参考『The Family Meal』Phaidon)、ヘストンブルメンタールのレシピに至ってはじゃがいもの4倍以上のネギ類(参考『Heston Blumentahal at Home』Bloomsbury Publishing)という比率です。 一方のCookpadでレシピを検索したみました。上位にあがってきたレシピ2つを確認したとこ
ネイサンミアボルトは著書(moderinist cuisine at home)のなかで「電子レンジは最も過小評価されている調理器具」と述べていますが、全くの同感です。問題は使いこなすのが意外と難しい、という点。 その理由は加熱原理がコンロやオーブンといった伝導加熱とは異なるから。また、マイクロ波の波長に起因する加熱ムラも敬遠される原因となっています。もっとも、加熱ムラはラップをして、蒸らし加熱をすることで簡単に解決する問題ですし、水分が蒸発しやすいという特性も逆に活かすとビーフジャーキーやチップスなどに応用できます。 通常の作り方よりもヘルシー、かつ効率的につくることができます。さて、本日の議題はレンジでゆで卵をつくることは可能か? ということ。 卵をレンジにかけると爆発します。水蒸気の逃げ場がないからです。そのため、卵は電子レンジにかけてはいけない、と言われています。 しかし、卵をアル
今日はねぎま鍋のレシピをご紹介します。ねぎま鍋は普通、寄せ鍋スタイルでつくられることが多く、服部流もマグロ節と昆布でとった出汁に醤油とみりん、酒などで味をつけ、ネギとマグロを煮るスタイルですが、今日は手軽な割り下を使うスタイル。 鍋料理は元々シンプルなものです。江戸時代の料理本に掲載されているレシピも例えばハマグリ鍋の材料であればハマグリ、酒、水のみだけという構成のものばかり。そう考えると今の鍋料理はいささか複雑になりすぎている気がします。 ねぎま鍋割り下タイプ まぐろ 腹身 300g ねぎ 2本 クレソン 適量 焼き豆腐 一丁 割り下 醤油 50cc 酒 50cc みりん 50cc 水 150cc 鰹節 5gまずは割り下から。 今回の配合は砂糖が入らない江戸前風の味付け。出汁も鰹節のみです。 作り方は簡単。材料をすべて鍋に入れて、中火にかけます。 沸いてきたらあくをとってから火を止めます
そろそろなすがおいしい季節。茄子の消費量、日本一の県である新潟県には「ふかしなす」という郷土料理があります。消費量二位の京都ではまるごと炊いて食べたりしますが、この料理は「蒸す」という調理法を採用している点に特徴があります。 新潟はなす王国で(枝豆王国でもあるんですが)種類がやたらと豊富で、しかもどれもアクの強い品種。(在来の品種も多いので)そのため皮を剥いて調理する習慣が生まれ、炊くよりも蒸す調理法が定着したのではないでしょうか。 もう一つ、考えられる理由は水なす系のなすの存在です。水なすといえば大阪泉州の泉州水なすが有名ですが、新潟の十全なすももともとは泉州水なすの系統。(ややこしいのはこちらはもともと、しろ十全という品種で、黒十全(梨なす)や新潟黒十全なすとは別の品種とのこと)大阪では一時、水なすの栽培がすたれましたが、さすがは茄子好きの新潟県人。様々な品種を生み出しながらもアクの少
料理の世界ではゼラチン、寒天という昔ながらの凝固剤がツートップとして長らく君臨してきましたが、最近少しずつ新しい素材が使われるようになりました(日本ではまだまだですが……) 新しい凝固剤は食品工業の世界ですでに一般的なものばかり。カラギーナンもその一つです。カラギーナンは海藻から抽出されるゲル化剤で、主成分は寒天と同じ多糖類(ガラクトースに硫酸基がくっついる形)です。カラギーナンでつくったゼリーはやわらかく、ゼラチンのような粘りがないこと。室温でも溶けない、という特徴があります。カラギーナンのメリットは『植物性』という点。ゼラチンは動物由来なので避けたい、という人にも向いています。 カラギーナンは多糖類の構造の配列と硫酸基の結合数によって、大きく3つに分かれます。κ型(カッパ型)、ι型(イオタ型)、λ型(ラムダ型)です。 最近はスーパーでも買えるようになったパールアガーやイナアガーといった
今回は久しぶりにまったく参考にならない調理法紹介。1時間焼くことで、ズッキーニの持ち味を引き出します。アルページュのアラン・パッサールの火入れ方法に習いました。 走りの時期のズッキーニはやわらかいので、輪切りにするよりも縦に切るのが美味。 縦に半分に切ります。 オリーブオイルを少量敷いたフライパンで加熱を開始。火加減は弱火です。静かに火を入れていきます。お店だとプラック(鉄板)にオーブンペーパーを敷き、その上で加熱しますが、フライパンでもまったく問題なし。 30分経過しました。この状態だとまだまだ。ズッキーニ自身が持つ糖分でキャラメリゼする感覚で火入れを続けます。 途中でバターを足します。このときのバターは有塩です。加熱に有塩バターを使うとほのかな塩味がついてよいのです。もちろん、無塩でもかまいませんが、その場合は少量の塩を振ります。 45分経過。これくらいまでカラメリゼできればOK。ほと
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