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コントなどで探偵を演じる場合、“探偵っぽい雰囲気”を作り上げるマストアイテムが「鹿撃ち帽」。ごぞんじシャーロック・ホームズが挿絵で必ずといっていいほどかぶっている鹿撃ち帽は、「シャーロック・ホームズと言えば…」というひとつのアイコンになっていて、「シャーロックハット」と呼ばれたりもします。 しかしこの鹿撃ち帽は、実は小説には一度も出てきません。登場するのは挿絵のみ。なので、「シャーロック・ホームズと言えば鹿撃ち帽」というのは、挿絵が一人歩きして生まれたイメージなのです。 その絵を書いたのは、シドニー・バジェット。1891年の『ボスコム渓谷の惨劇』での挿絵が最初と言われています。なぜシャーロック・ホームズに鹿撃ち帽をかぶせたかは諸説ありますが、「シドニーが気に入っていたから」というのが今のところ有力な説。ですから、シドニーの想像力がなければ、鹿撃ち帽のシャーロック・ホームズは生まれなかったと
ふやけて崩れたハンバーガー、やる気のない食堂の冷たいからあげ、サービスエリアの伸びきったうどん……。おいしくなかった食事ほど、強く記憶に残っていることはありませんか。外食の「おいしい」が当たり前となった今、口に合わなかった食事の記憶から都市生活のままならなさを描く短編小説連載。 台風の日にフードデリバリーを届けに来てくれたドライバーのおじさんに、お礼のつもりで家にあったジュースをあげたら次の配達の時にLINE交換しませんかと言われたことがある。その日に頼んだ麻婆丼は封を開けずにそのまま捨てたし、キモすぎて翌月には引っ越した。もちろんデリバリー会社にしっかりクレームも入れた。新宿駅で道を聞かれたので目の前でグーグルマップを開いて懇切丁寧に教えてあげたのに、ところでこの後空いてます? とヘラヘラ言われて心底がっかりしたこともある。知らない人に話しかけられたくないから真夏でもヘッドフォンが手放せ
依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、本連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。 今回のトシのお返事で、いよいよ本連載は最終回です。 ギャンブルに疎い依存症専門医ヘイ、マコト、この往復書簡もついに18回目ですね。 前回のお手紙を読んで、勝手に「あ、自分と似ている」と感じたところが2つありました。 1つは、ギャンブルのアディク
ふやけて崩れたハンバーガー、やる気のない食堂の冷たいからあげ、サービスエリアの伸びきったうどん……。おいしくなかった食事ほど、強く記憶に残っていることはありませんか。外食の「おいしい」が当たり前となった今、口に合わなかった食事の記憶から都市生活のままならなさを描く短編小説連載。 「1年で絶対戻れるようにするから本社に行ってくれないか」と人事部長から懇願された時は、正直やった、と思った。つまるところ単身赴任。既婚の女でしかも成人前の子どももいるのに、そんな役割を与えられるじぶんは会社に認められているんだと実感できたのだ。 本社広報室の副室長が急病で長期入院ということで、突如わたしに降ってきたのはその代理というポストだった。期限付きだが、いちおう出世。今勤めている支社でも似たような役割に就いていて、日頃から本社と連携する機会の多かったわたしが最も適任だということだ。家族で暮らす自宅から本社まで
こんな地獄を乗り越えないと就職できない世の中、間違ってないか――? 20XX年の近未来、「ウルトラベビーブーム世代」の大学生たちが、今とは比べ物にならないほど激化した就職活動に挑む――。 3月26日(火)に太田出版より刊行される佐川恭一『就活闘争20XX』。OHTABOOKSTANDでは本書の発売を記念し、ひと足先にプロローグ〜第二章までを全三回にわたって無料公開。 第二回は、第一回から引き続き第一章「合同企業説明会」の試し読み。就職活動に熱が入っていない京都大学三回生の主人公・太田亮介。同志社大学の友人・小寺に背中を押され、京セラドームで行われる合同企業説明会に来た主人公・太田を待ち受けていた光景とは…!? 至高の“就活エンターテインメント”をお楽しみください。 第一章 合同企業説明会② 待ち合わせていた大阪環状線の大正駅で会った小寺は、四か月前に高校の同級生で集まって飲んだ時とは雰囲気
「何かあった時のために、いちばん読んでおきたいエッセイマンガ」漫画家・ヤマザキマリ推薦! ときは2011年3月11日。ニコ・ニコルソンの実家がある宮城県の海沿いの町・山元町に、未曾有の大津波が襲いました。さまざまな問題にたくましく立ち向かっていくニコ家。親子3代が泣いて、笑って、家を建て直すまでを描いた実録エッセイマンガ『ナガサレール イエタテール』の一部をご紹介します。何かあった時に、お役に立てば幸いです。 今回の第3話では、ニコルソンがやっと母ル・婆ルと対面を果たし、被災した実家を訪れます。 →第1話はこちら 第3話 発掘する※本コミックに登場する名称は2012年時点のものです。また、この記事は3月末日までの期間限定公開です。 * * * 第4話は3月8日(金)公開予定。 コミック『ナガサレール イエタテール 完全版』Kindle版は、ただいま50%割引で発売中。3月末までの特別価格で
依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、本連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。 今回は、マコトのギャンブル狂騒曲と物語の力、希死念慮について。 マコト版ギャンブル狂想曲 トシ、これまでにも増して気合いの入ったお手紙を、ありがとうございます。今回私はまずは、最近の出来事から書いておこうと思います。 最近、私たちの共通の知り
「あの服も、この服も納得がいかない……私がほんとうに着たい服ってなに?」 世間は色々な問題を投げかけてくるけど、どれもこれも肝心なこと、漠然とした問いかけの先にある根本的な問題には触れていないような気もする。今のファッションが退屈でしっくりこない、悩めるすべてのみなさまへ。 こちらは、まだ誰も言葉にしていない違和感を親切に言語化する“ポップ思想家”の水野しずさんによる、トレンドを追うよりも、納得のいくスタイルを発見していくためのファッション論考の連載です。「着るという行為」について、一緒に考えていきましょう。 雑誌に書いてある絵空事をどうにかして信じたい高校生 平凡な高校生からすると、ファッション雑誌には、にわかには信じられないことがジャンジャン書いてある。そこら辺を歩いている若者はモデルか渋谷の奥まったところにある上級者向け古着屋の店員かラッパーか美容師。5万円くらいするニットを着ている
「何かあった時のために、いちばん読んでおきたいエッセイマンガ」漫画家・ヤマザキマリ推薦! ときは2011年3月11日。ニコ・ニコルソンの実家がある宮城県の海沿いの町・山元町に、未曾有の大津波が襲いました。さまざまな問題にたくましく立ち向かっていくニコ家。親子3代が泣いて、笑って、家を建て直すまでを描いた実録エッセイマンガ『ナガサレール イエタテール』の一部をご紹介します。何かあった時に、お役に立てば幸いです。 第2話では、震災から2~3日後に起こった様々な出来事が描かれます。 →第1話はこちら 第2話 つながる※本コミックに登場する名称は2012年時点のものです。 * * * 第3話は3月7日(木)公開予定。 コミック『ナガサレール イエタテール 完全版』Kindle版は、ただいま50%割引で発売中。3月末までの特別価格です。全12話のほか、後日譚となる描き下ろしやコラムも収録。コラムでは
自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡「酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医の往復書簡」もいよいよあと一往復! そこで最終回を前に特別編をお送りします。『あなたも狂信する――宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究』を刊行した横道さんと松本さん、ふだんはお手紙のやりとりをしているおふたりに、「依存と宗教」「自助グループの未来にあり方」について対談形式でとことん語り合ってもらいました。その模様を前後編でお送りします。前編の今回は、画期的な自助グループ観が提示された前編をお届けします。 トシ 『あなたも狂信する』、最初はどんなふうに展開していくんだろうか、と思って読み進めていった
自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する文学研究者・横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡「酒をやめられない文学研究者とタバコをやめられない精神科医の往復書簡」もいよいよあと一往復! そこで最終回を前に特別編をお送りします。『あなたも狂信する――宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究』を刊行した横道さんと松本さん、ふだんはお手紙のやりとりをしているおふたりに、「依存と宗教」「自助グループの未来にあり方」について対談形式でとことん語り合ってもらいました。その模様を前後編でお送りします。後編の今回は、回復における「物語の力」といまのマコト(横道さん)のお酒との付き合い方の現在地について。 語らうことへの希望と「物語の安易さ」への疑念トシ 宗教2世の
大自然に囲まれ、娯楽も何もない“おしまいの地”に生まれ育ったこだまさん。大好評「おしまいの地」シリーズの不定期連載。こだまさんの周りで起こる悲喜こもごもの不思議な出来事をお届けします。今回は、前回衝撃のラストで終った「せいちゃん」ライブの潜入記、続編です! なぜ私は好奇心に勝てないのだろう。痛い目に遭っても懲りないのだろう。今に始まったことではない。「前向き」や「立ち直りが早い」とも違う。単純に愚かなのだと思う。小心者のくせに壊れそうな橋をわざわざ選んで渡ろうとする。足場が揺らいで一瞬のうちに落下する姿が目に浮かぶ。心のどこかで落ちてしまってもかまわないと思っている。 実際に落ちたことがある。大学時代、教授の地質調査に同行し、川沿いの崖をつたい一歩ずつ横歩きした。先を歩く教授が岩の出っ張りを掴みながら「絶対に手を離すなよ」と言った。足元の強度を確認し「私と同じところを必ず歩くように」とも言
12月15日発売の雑誌『ケトル』は、特集のテーマとして「学者」をピックアップ。「火星のレントゲン写真」「働かない働きアリ」「不老不死」「好かれる匂い」など、興味深い研究に取り組んでいる学者と、その研究成果を紹介している。今回紹介するのは、「フェロモン」について。東京工業大学大学院の廣田順二准教授は、「フェロモンに気づく仕組み」について研究しています。 * * * 顔は全然好みじゃないけど、わけもなくその人に惹かれてしまう! そんなとき、人はその恋心を「フェロモンのせい」などと評するものだが、廣田先生によれば、「実は人間にはフェロモンを感知する器官はない」のだという。マウスを使った実験で、「フェロモン分子を感知する神経細胞の生成メカニズム」を解明した廣田先生。ところで、そもそもフェロモンって何なんですか? 「フェロモンは動物の体から分泌されるもので、性行動・縄張り行動・子育て行動などの動物の
「カルチャー ×アイデンティティ×社会」をテーマに執筆し、デビュー作『世界と私のA to Z』が増刷を重ね、新刊『#Z世代的価値観』も好調の、カリフォルニア出身&在住ライター・竹田ダニエルさんの新連載がついにOHTABOOKSTANDに登場。いま米国のZ世代が過酷な現代社会を生き抜く「抵抗運動」として注目され、日本にも広がりつつある新しい価値観「セルフケア・セルフラブ」について語ります。本当に「自分を愛する」とはいったいどういうことなのでしょうか? 第5回は、アメリカで爆発的なブームになっているという「水筒」、「スタンレーカップ」から見えてくる、セルフケアと資本主義、そして環境問題の関係について。 「エコ」からかけ離れた「水筒」の過剰消費アメリカの若者たちの間で今最も熱いトレンドは、「スタンレーカップ」だと言っても過言ではない。「水をたくさん飲もう」という健康への意識と「マイボトルを持ち歩
チベット仏教と聞くと中国とのチベット問題を思い浮かべる人がいるかもしれません。ここではチベット問題が起きる前のチベット仏教の経緯を紹介します。問題が起きる前も波瀾の歴史をたどっているチベット仏教。イマは過去の出来事の延長線上にあります。その成り立ちから経緯を知ることで、現在起きている問題への理解も深まるのではないでしょうか。 2024年1月に発売された『図解でわかる 14歳から知るインド・中国の宗教と文化』(山折哲雄・監修、インフォビジュアル研究所/大角修・著)には、古代インドと古代中国について分かりやすくまとめられた記事が満載。ここでは、その一部を抜粋し、紹介していきます。(全6回) 仏教の伝来と独自の発展チベットに初めて統一国家をつくったのは7世紀のソンツェン・ガンポ王でした。 王は仏教を保護し、チベットが仏教王国になる幕を開きました。それは日本で聖徳太子が仏教の元を開いたのとほぼ同じ
21世紀も四半世紀を過ぎようとして、また世界は大きな変化のときを迎えているようです。これまで世界を主導してきたユーラシア大陸西側世界の近代科学思想、資本主義経済とその産業構造に限界が見えてきたからです。その限界は、地球環境の温暖化、地球規模の経済的不平等に顕著です。 そんな折、インドの人口が中国を超え世界1位となり、両国合わせて28億人を超えました。世界の人口の6割以上をユーラシア大陸の東側の人々が占める時代の到来です。この膨大な人口が、これからどのような豊かさを求めていくのか。大袈裟に言えば、これが人類の将来を決めることとなるでしょう。そのためにも、私たちは今一度、かつての豊かさを創ったオリエントの宗教を見直すときにきていると、言えるのではないでしょうか。 2024年1月に発売された『図解でわかる 14歳から知るインド・中国の宗教と文化』(山折哲雄・監修、インフォビジュアル研究所/大角修
依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、本連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。 今回は、連載の前半で話題になった「ひととのつながり」と依存症の回復の関係を再考します。特に最も身近な他者――家族との関係について。 はじめにマコト、お手紙ありがとう。 前回のマコトの手紙を読んで、「なるほど」と膝を打ちました。マコトは過集中を利
2023年11月に太田出版より刊行された『日野日出志ベストワークス』。伝説の怪奇漫画家・日野日出志の代表作を中心に収録した、「はじめての日野日出志」にもぴったりの一冊です。 OHTABOOKSTANDでは、著者の自伝的作品でもある「地獄変」の試し読みを公開します。(全3回) 血の匂いに魅入られて地獄に落ちた、「ある絵師」の狂気に満ちた恐るべき告白に、身震いが止まらないはず! 第2回目は、「第2の地獄絵 底なしの地獄川」をお送りします。 第2の地獄絵 底なしの地獄川※次回は、「第3の地獄絵 首無し死体の火葬場」をお届けします。 『日野日出志ベストワークス』刊行記念グッズがQJStore限定で発売中!『日野日出志ベストワークス』刊行を記念して、ホラー漫画界レジェンド・日野日出志のイラストを使ったグッズが発売中です。数量限定につき、まだチェックしていない人はQJStoreへGO!
「あの服も、この服も納得がいかない……私がほんとうに着たい服ってなに?」 世間は色々な問題を投げかけてくるけど、どれもこれも肝心なこと、漠然とした問いかけの先にある根本的な問題には触れていないような気もする。今のファッションが退屈でしっくりこない、悩めるすべてのみなさまへ。 こちらは、まだ誰も言葉にしていない違和感を親切に言語化する“ポップ思想家”の水野しずさんによる、トレンドを追うよりも、納得のいくスタイルを発見していくためのファッション論考の連載です。「着るという行為」について、一緒に考えていきましょう。 明日着る服がわからない 明日着る服がわからない。 今着る服だったらなんとかなるけど、明日、となると途端にさっぱりわからなくなる。だって、明日の自分がなんだったら着られるのか、今の自分にはわからないから。今日の自分も明日の自分も同じ「自分」ということになっているのに、同じ服装を同じよう
大自然に囲まれ、娯楽も何もない“おしまいの地”に生まれ育ったこだま。大好評「おしまいの地」シリーズの不定期連載。人も自然もまっすぐ生きるこの場所で起きた、悲喜こもごもの出来事をお届けします。今回は、例の「せいちゃん」のライブに、こだまさん、ついに潜入です! とうとうこの日がやって来た。以前この連載で話題にした下北沢の「せいちゃん」のライブに潜入する日だ。せいちゃんは私の従兄弟。現在は主に都内で歌手活動をしている。私は本人のサイトから偽名でチケットを予約していた。二十数年まったく交流がないのに、こっそり検索して近況を追っていたなんて知られたくなかった。そんなの気持ち悪いだろう。匿名とはいえ彼の話を書いたこと、そもそも物書きをしていること自体、知られたくない。自分の家族にも話していない。 長年会っていないとはいえ、子供の頃よく遊んだ仲だ。私の顔を見た瞬間に気付くかもしれない。念のため変装用の黒
身近な疑問・知っておくべき事柄を、図解でわかりやすく解説する人気図書「図解でわかる」シリーズの最新刊『図解でわかる 14歳から知るインド・中国の宗教と文化』(インフォビジュアル研究所、大角修 著)が、1月19日(金)より発売されます。 本書は『図解でわかる』シリーズの中でも、「宗教」とその文化にクローズアップしたサブシリーズ「世界の宗教と文化」の最新刊だ。『~日本人の宗教と文化』『~キリスト教』に続き、宗教学者・山折哲雄が監修。 14歳から大人までを読者対象に、仏教・ヒンドゥー教・道教・儒教をビジュアルとテキストで詳しく解説します。 世界史を創った2大文明の基礎 仏教/ヒンドゥー教/道教/儒教をビジュアルで理解する かつて世界の富の8割は東洋にあった。 現代西欧型文明の混迷から再び見直される、21世紀の東洋の叡智 14歳から読める! わかる! カラ―図版満載!! 図解でわかる「世界の宗教と
宗教2世(エホバの証人2世)として過酷な幼少期を経験し、現在、宗教2世のために自助グループの運営にも尽力する文学研究者の横道誠が、宗教1世(自らカルト宗教などに入信した人)と宗教2世10名にインタビュー。その証言や、幻想文学、そして自身や自身の母親の経験をもとに、「他人」としてではなく、「当事者」として、また問題に深く関心を持つ味方「共事者」として、「狂信」の内側に迫る『あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究』が刊行された。ここでは、本書の一部を全6回にわたって公開中。第6回は、「狂信」の内側になる死への不安と神に滅ぼされる恐怖について、当事者の証言を交えてつづります。 神に滅ぼされる恐怖 今回のインタビュイーたちに、死の不安がきっかけになって入信したという人は少なかった。ただし、そういう人はなかなか脱会に至らず、ゆえにインタビュイーとして私につながらなかった可能性も高
久しぶりに仕事で来た東京で、用事も終わり、近場に泊りがけで出かけることにした。静かでのんびりできそうな場所がいいと考え、埼玉の秩父へ行くことした。何年かぶりに来た秩父の駅前はすっかり変わっていた。 石油ストーブのいい匂いが漂う店内がなんとも落ち着く珍しく仕事の用事で東京に行くことになった。自分が話し手として参加する催しが二日続けてあり、まったく上手に喋ることができなかったことへの後悔と、それを忘れるために飲んだ打ち上げの酒が残る朝を迎えた。 用事は済んだのであとは大阪に帰るだけだったが、その前に一日、どこか近場に泊りがけで出かけたいと思っていた。静かでのんびりできそうな場所がいいと考え、埼玉の秩父へ行くことした。埼玉県の南西部にある秩父は、秩父山地の山々に囲まれた盆地にあって、都心からそれほど遠くないが、自然豊かな土地である。地下鉄を乗り継いで池袋駅まで向かい、そこから西武線の特急電車に乗
依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、本連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。最小単位、たったふたりから始まる自助グループの様子をこっそり公開。 精神分析について思うこと ヘイ、トシ、ありがとう。 トシにも精神分析に憧れを抱いていた時代があるんだね。でも徒弟制的な階層構造、費やす時間と金額の膨大さに絶望したと。功なり名を遂
「あの服も、この服も納得がいかない……私がほんとうに着たい服ってなに?」 世間は色々な問題を投げかけてくるけど、どれもこれも肝心なこと、漠然とした問いかけの先にある根本的な問題には触れていないような気もする。今のファッションが退屈でしっくりこない、悩めるすべてのみなさまへ。 こちらは、まだ誰も言葉にしていない違和感を親切に言語化する“ポップ思想家”の水野しずさんによる、トレンドを追うよりも、納得のいくスタイルを発見していくためのファッション論考の連載です。「着るという行為」について、一緒に考えていきましょう。 落ちること=飛ぶこと=鳥を目指すこと=(人をやること{鳥をやること}) ちゃんと飛べる鳥人間なんておかしい 「最近の鳥人間はけっこう飛ぶ」 と聞いて思わずガッカリしてしまった。なんだろう。残念というか。近年では400メートル越えが当たり前になっているそうだ。それは、「鳥人間」と名状さ
宗教2世(エホバの証人2世)として過酷な幼少期を経験し、現在、宗教2世のために自助グループの運営にも尽力する文学研究者の横道誠が、宗教1世(自らカルト宗教などに入信した人)と宗教2世10名にインタビュー。その証言や、幻想文学、そして自身や自身の母親の経験をもとに、「他人」としてではなく、「当事者」として、また問題に深く関心を持つ味方「共事者」として、「狂信」の内側に迫る『あなたも狂信する 宗教1世と宗教2世の世界に迫る共事者研究』が刊行された。ここでは、本書の一部を全6回にわたって公開中。第5回は、宗教1世が求める「真理」と「共同体」について。 真理と共同体 真理への探究を求めて信仰の道に入った1世は多いものの、共同体の存在が彼らをガッチリと確保するのも事実だ。真理と共同体とが、磁力と電力のように両手を結びあわせている。なによりも共同体が重要だった人たちに対しても、真理を学べるのだという期
昨年2022年2月1日よりスタートした連載&ニュースメディア「OHTABOOKSTAND」。今年2023年は、おかげさまで連載が多数書籍化し、新規連載も続々発表できた良い年となりました。さて、今年最後となる当記事では、「...
依存症は、現代人にとって、とても身近な「病」です。非合法のドラッグやアルコール、ギャンブルに限らず、市販薬・処方箋薬、カフェイン、ゲーム、スマホ、セックス、買い物、はたまた仕事や勉強など、様々なものに頼って、なんとか生き延びている。そして困っている、という人はたくさんいるのではないでしょうか。 そこで、本連載では自身もアルコール依存症の治療中で、数多くの自助グループを運営する横道誠さんと、「絶対にタバコをやめるつもりはない」と豪語するニコチン依存症(!?)で、依存症治療を専門とする精神科医・松本俊彦さんの、一筋縄ではいかない往復書簡をお届けします。最小単位、たったふたりから始まる自助グループの様子をこっそり公開。 「ふつうの相談」ヘイ、マコト。 東畑さんとのジュンク堂でのトークイベント、視聴してくださっていたのですね。 彼は、「平成のありふれた心理療法」というネーミングで、わが国における現
「あの服も、この服も納得がいかない……私がほんとうに着たい服ってなに?」 世間は色々な問題を投げかけてくるけど、どれもこれも肝心なこと、漠然とした問いかけの先にある根本的な問題には触れていないような気もする。今のファッションが退屈でしっくりこない、悩めるすべてのみなさまへ。 こちらは、まだ誰も言葉にしていない違和感を親切に言語化する“ポップ思想家”の水野しずさんによる、トレンドを追うよりも、納得のいくスタイルを発見していくためのファッション論考の連載です。「着るという行為」について、一緒に考えていきましょう。 地雷系ファッションの人々が脅かしているもの 「地雷系ファッションの人って、何が目的でやっているんだと思いますか?」 という質問をされたことがある。 地雷系。それは、関わるとなにかと厄介で、面倒ばかり起こるトラブルメーカー的性質を持つ人物のことである。地雷系ファッションとは、主に黒とピ
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