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DevOps、バリューストリームマッピング、カスタマージャーニーマップ、エクスペリエンスマップ、ユーザーストーリーマッピング、カンバン、フロー効率性、顧客ファクトリー…。これらの新製品開発のプラクティスを見ていると、これらに共通するのは「流れ」に着目することなのかなと感じています。 たとえば、リーンキャンバスの提唱で有名な Ash Mauyra は『リーンスタートアップ成長戦略』で顧客ファクトリーの概念を提示し、トラクションの流れの作り方を TOC の考え方をベースにしながら語っています。 作業やビジネスの流れに注目することで、「どこに淀みがあるのだろう」という発想に自然となったり、Maurya がやっているように TOC やリーン生産方式の考え方を応用できるというメリットがあります。 この記事は、冒頭に挙げたプラクティスを一段抽象化して、スタートアップでも『流れ化』の考え方を様々な領域で
「人間が変わる方法は3つしかない。 1つは時間配分を変える。 2番目は住む場所を変える。 3番目はつきあう人を変える。 この3つの要素でしか人間は変わらない。 最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだ」 という大前研一の言葉は、しばしば引用される程度に説得力がある言葉だと思っています。 この文脈では、新年の抱負はまさに「決意を新たにする」ということにあたり、あまり効果がないものとも言えます。 一方で、変わるために有効だとされている 2, 3 については「自分の環境を変える」ということです。 行動経済学や社会的ネットワーク分析の知見が指摘する通り、人間の意志は、自分たちが考えている以上に環境に影響されるようです。人間の意志は自分たちが自覚するよりも脆いものだ、というのはここ数十年で様々な研究で再三指摘されていることのように思えます。 だとすれば逆に、私たちはその意志の脆さや影響されやすさを
2017 年に書いた記事は 107 個ぐらいあるようで、その中で最も読まれた上位 5 つの記事は以下だったようです。ご興味あれば復習がてら読んでみて下さい。 効果的な 1 on 1 ミーティングのためにマネージャができること論理的思考、デザイン思考、そしてスタートアップ思考の時代へ逆説のスタートアップ思考的「逆張りマップ」ワークショップ — 整理編オープンイノベーションと闇イノベーションスタートアップはモメンタムによって生き延びる 2 位のスタートアップ思考の記事より実は地味に 2016 年 1 月の Unit Economics の記事が今もまだ伸びてるので、2016 年のも含めると Unit Economics の記事もそこそこ検討するのかなと思います。 2017 年後半は諸々の事情であまり記事を書けませんでした。来年は頑張ります……ではなく、今日からちゃんと頑張りたいです。 ちなみに
この記事は模擬授業の書き起こしです (教員の教育能力向上を目的とする東京大学 Future Faculty Program の一環)。学部 1, 2 年生を想定対象、6 分という時間制限付きなので一部の説明を簡略化しています。 いつもの Medium の読者の皆様へスタートアップの文脈で言えば、 バッチサイズを小さくする = MVP を作って仮説検証するという風に少しだけ文脈を補足していただければいいのかなと思います。 授業の導入今日はムダの少ない作業の進め方について解説します。 この講義を通して達成する目的は、バッチサイズという考え方を知ってもらうことです。その目的を達成するために、授業終了後に皆さんが、 バッチサイズの概念を知るバッチサイズを小さくすることのメリットを言えるバッチサイズを小さくしたほうが良い例を考えられるという状態に到達することを目標としています。 例:寿司工場さて、ま
リーンスタートアップの言説を最新のものまでアップデートする、Lean Startup Update! 2018 を 12/14 に開催しました。結果的に 442 名の公開ページからの登録と、会場提供いただいたリクルート様からも 50 名程度の登録があり、500 名近い方々から注目をいただくイベントとなりました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。 ふりかえりセッションのまとめ私が担当したのは最初のふりかえりセッションとパネルディスカッションでした。文章が多いのでスライドよりも記事のほうが良いのかなと思い、記事にもしておきます。スライドはこちらです。 どれだけ覚えてますか? リーンスタートアップの各種概念おそらくリーンスタートアップの青本を読んだ人なら、以下のような概念はある程度説明できるのではないでしょうか。 MVPピボットBuild-Measure-Learn ループ虚栄のメト
B2B 系のスタートアップが狙うべきところとして「産業の次のボトルネック」部分という着眼点もありなのかな、という話をしました。 今のボトルネックと、次のボトルネックはどこ?たとえば Astroscale さんが目をつけるボトルネックはデブリだと言えます。それは今後 SpaceX や Skybox、Axelspace などにより宇宙ビジネスが拡大し、小型衛星が宇宙で増える中で、故障する小型衛星や宇宙ゴミの除去が大きな課題(次のボトルネック)になる可能性が高いからです。 しかし 2014 年に CEO である岡田さんが書かれた著書『宇宙起業家』には「客がまだいない」と書かれていました。つまり起業当時は「今」の宇宙産業のボトルネックではありませんでした。 2014 年創業の Elephantech さんは「製品のライフサイクルの短期化や多品種小ロット生産の流れがある中で、3Dプリンタ等が流行して
プロダクトマネジメントは多くのソフトウェア企業が重要だと認識している役割だ。それにもかかわらず、「 プロダクトマネジメント」を正確な言葉で定義することは驚くほど難しい。自らを「プロダクトマネージャー」と呼ぶ人々は、企業ごとに全く違うこと… 記事によれば、プロダクトマネージャーはこれらの領域を健全に機能させることが役割であり、 機能がなければ自分で役割を演じたり、補う方法を見つける (たとえばデザイナーがいなければ、自分でデザインを行ったりデザイナーを雇う)「開発者-ビジネス」「ビジネス-顧客」「顧客-開発者」の融合領域における、各種の複雑さや衝突、トレードオフの統合を行うといったことが PM の職責であると理解しています。 逆に言えば、これらを俯瞰して見ることができる能力が PM には求められています。そうした意味で、PM は様々なことを広く学び、組織やビジネスの変化に柔軟に対応できる必要
この一年、100 個ぐらいの学生の技術系サイドプロジェクトを傍で見てきました。その中で見えてきたいくつかの成功と失敗のパターン、そして失敗パターンを極力踏んでもらわないようにするためにやってきた対策(とその失敗の歴史)を、ほんの一部ですがまとめておきたいと思います。 今回は「アイデア」と「行動」のパターンを紹介します。以下は各項目のリストです。 十分なサーベイをしているかどうかとにかく雑に作る何回もプロジェクトをやっていると強くなるアイデアがないならインプットをしよう行動量がすべていま、会いにゆきます(顧客に)いま、会いにゆきます(チームに)メンタリングにちゃんと来て Ask する規律とリズムが大事プロセスを信じてくださいこのアイデアは勝てるかも感コミュニケーションの量と質は先行指標役割分担はしないほうがいい(追記:もっと減らすべきでした…。10, 11, 13 あたりは抜いてもいいかもし
McKinsey の日本支社長やカーライル共同代表を務めた平野正雄さん初の著書『経営の針路』が大変良い本だったので紹介しておきます。この本は、ポスト冷戦期、つまり1990 年前後から今までの約 30 年のマクロな経営環境を変化を、 その一方で、日本のスタートアップは M&A による Exit が少ない、それが日本のスタートアップエコシステムの問題である、ということが度々指摘されています。 買い手側の企業は「買いたい」と思ってい始めているし、売り手側のスタートアップも「事業を売って成長を加速することも選択肢と考えたい」と思っている、互いに同じ課題感を抱えているように見えるのに、何故 M&A が少なくうまくマッチングしないのかといえば、のれん代の問題が挙げられることが多いだけで、もう一個踏み込んだ考察をする必要があるように感じています。 (※これはシリーズの第三回の投稿です) M&A が既存企
学生の皆さんがスタートアップの中でも特に新興領域について調査していて、その結果を紹介させていただきます。 今回は、 神経科学のスタートアップロボティクスのスタートアップアフリカのスタートアップハブといった領域になります。それぞれにマップを用意いただいているのと、最後には個別のインサイトも入れていただいています。そこだけでも見てみると面白いのかなと思います。 Robotics Startup x 2ロボティクススタートアップ 2017 (Yan さん)Yan さんには、ドローンや医療等の目立つところを除いたある意味ニッチな B2B ロボット系のスタートアップについてレポートをまとめていただいています。 「Robot as a Service」「商業施設用ロボット」などに興味ある人は是非読んでみて下さい。 https://speakerdeck.com/tenninyan/robotics-s
「スタートアップの時代が終わった」という記事が再び散見されるようになりました。 周期的にこうした記事は上がってきますが、2017 年の記事では GAFA や FANG、BAT などと呼ばれる Tech Giants が貪欲に事業領域を拡大しており、それにつれてスタートアップが狙える領域が狭まっている、という解説をされることが多いようです。 実際、Tech Giants は独占から生まれた利潤を活用して高度な人材を高給で集め、洗練された開発手法で AI、AR や VR、FinTech、スマートスピーカーなど、可能性のある新興領域で続々と新規事業を進めています。そうした大企業の俊敏な動きがスタートアップの領域を狭めて、起業の機会が少なくなっているように映るのも仕方がないことかもしれません。 日本のスタートアップエコシステムについて聞かれることがまた増えてきました。そこでエコシステムについて今自
遅ればせながら『教養としての社会保障』を読みました。読後思ったのは、現在薄まりつつある「互助」や「共助」の概念を、テクノロジを用いて過去とは少し異なる形で実現できるのではないか、ということでした。 自助、互助、共助、公助の違いまず用語の整理をすると、以下のようになります(板橋区の解説)。 自助:自分で自分を助けること互助:個人的な関係性を持つ人間同士が助け合うこと共助:制度化された相互扶助のこと(保険や年金など)公助:自助・互助・共助では対応出来ないこと(困窮等)に対して最終的に必要な生活保障を行う社会福祉制度(※もともと社会保障という共助制度は、ギルドの互助制度を手本にできてきたようです。) 日本では自助ばかり日本では経済環境の変化で地域を離れる人が増え、生活の変化で近隣での互助が薄まり、また共助や公助に頼ろうにも国の財政が悪化していて、もはや頼れるものは自分自身だけ(しかも『世間』は自
「スタートアップのスライドはもう書かないんですか」と言われることが最近何度かありました。個人的にも色々書きたいことはあるのですが、なかなか優先順位が上がってきていません。 理由は、 一般論は大体書いたのでは…と思ってるところはあります細かいノウハウは私一人がまとめるよりも、そういうノウハウが伝達するエコシステムを作ったほうがいいので、そっちをやろうかなと思ってます(本郷スタートアップご近所さん会や地域活動等)伝え方の How の部分を模索していて悩んでいるからですといったところです。図にするとこんな感じです。 今日は特に3つ目の How の部分に関してちょっと書きたいと思います。 ノウハウの伝え方のノウハウ自分がスタートアップのノウハウについて書いたスライドは「これ読んでおいて」と渡されることが結構ある、と聞いています。ただ、それだけでは不十分だというのが最近実感しているところです。なぜな
林先生の「AIブームは本物か?-米国の場合、日本の場合-」というレポートが、はてなブックマークで上がってきていました。 そのレポートの最後には、「イノベーション」という言葉の誤解について触れている文があります。 ・日本は、いまだに、イノベーションとは、「素晴らしい技術を世界で最初に見つけること」だと誤解している。 ・イノベーションのほんとうの意味は、「技術を用いて世界を変えていくこと」。その技術が、電気自動車のような古い技術であるかどうかは、関係がない。 http://www.shayashi.jp/20161115tokyoVer20161116.pdf より。強調部は引用者によるもの。シュンペーターによる5つの類型に立ち戻れば、技術的なもの以外もイノベーションとして挙げられています。 こうした誤解の原因は「イノベーションが技術革新と訳されてしまったのが原因」という指摘が幾度もなされてお
学生の皆さんと接していると、「新しいアイデアを考えるとき、既存のサービスやアイデアをどこまで知っているかがアイデアの質に大きく影響するのではないか」と感じます。 (素人だから真新しい発想が生まれる、というのはかなりレアケースです) そこでこの記事では、新たな Web サービスのアイデア探索の際に役立つであろう、サーベイのためのサービスを紹介します。 TechCrunch (Link)英語版でキーワード検索してみると、過去のスタートアップの試みが色々と出てきます。ぜひこちらも参考にしてください。 Google意外と Google で検索することをしない人も多いので、一度検索してみてください。「キーワード + Startup」と検索すると、そのキーワードに関係するスタートアップが出てくることが多々あります。 CB Insightsもし興味のある業界が決まっているのであれば、CB Insight
新しいプロジェクトの起こし方と同じぐらい、プロジェクトの素早い殺し方が実は重要であると感じています。見込みのないプロジェクトを早く殺せないと、次の新たなアイデアに挑戦できず、資金や時間の浪費を生みます。しかし一度アイデアの着想を得てしまった後は、他人から何を言われようと、自分たちで納得しない限りなかなか止まりません。 スタートアップ的なアイデアは、現段階から見ると逆張り的なアイデアです。しかし現実を見てみると、多くのアイデアはサーベイ不足や顧客理解不足で、そもそもの逆張りができていません。であれば、アイデアの初期段階でそうしたことに自分たちで気付いてもらって、自分たちで早く殺す判断をしてもらえるかが重要になってきます。 そこで自分たちのアイデアがちゃんと逆張りできているかを確認したり、見込みのないアイデアを見込みのないものとしてあぶり出したりするときに、「逆張りマップ」と「逆張り戦略キャン
先日逆張りマップというワークショップを解説しました。前回のマップでは多数の製品を大雑把に比較しましたが、今回はそれをさらに細かく見ていくために「逆張り戦略キャンバス」を作ります。 ワークショップの成果物として、以下のような戦略キャンバスが出来上がります。各個人が作ったキャンバスのチーム内での共有を通して、議論を生み、そこから新しい洞察を導くことがこのワークショップの目的です。 なお、ワークショップを実施するフェーズは、プロジェクトがまだアイデア段階にあり、既にチームがある程度のアイデアに合意している状態を想定しています。 「すべてが最高」を狙わず、独自性とメリハリを目指す『逆説のスタートアップ思考』の第二章「戦略」では、独占することの重要性と一緒に、 独自の価値と独自のやり方何をしないかを決める最高を目指さないという話を書きました。 企業やプロジェクトの金銭的資源、時間的資源は限られている
スタートアップは世間的にはまだコンセンサスの取れていないことに取り組むことで一気に成長します。その際、多くの場合はどこかの点で「新規性」のある取り組み — ある種の「逆張り」をすることになります。 そこで先日学生の皆さん向けに「逆張りマップ」を作るワークショップをしてみました。その方法と手順をここにまとめておきます。 逆張りマップの目的と概要このマップを作成する目的は以下のとおりです。 サーベイをしながら成功や失敗した製品やサービスの傾向を知る自分たちの研究や製品がどこに位置しているのかを整理する製品の相対評価の会話を通して、自分の戦略に自覚的になるこれは新しい発想を生むためのものではなく、あくまでサーベイのためのもであり、既存の考え方の整理がメインになると思います。しかしサーベイは新しい発想にたどり着くための非常に重要な足がかりとなります(失敗の原因はサーベイ不足だという話が前に挙がりま
『2人で共同創業。スタートアップで成功を掴むための法則』というイベントで登壇したときの、共同創業者に関するサーベイ資料をアップしました。 複数名で共同創業するときに、議論のベースとなる知識をお互い持っておくと色々話をしやすいと思うので、候補の方と一緒に読むなりしてお使いいただければと思います。あまり共同創業者に関する情報はまとまっていないので、一つの参考になれば幸いです。 内容としては: 共同創業者の見つけ方共同創業者の選び方会社の設立(主に株式の分配)共同創業者との付き合い方共同創業者との別れ方になっています。
Business Insider で落合陽一さんとの対談の連載が掲載されました。考え方を比較することで際立って見えてくることもあると思いますし、個人的にも色々と面白かったので興味があれば是非ご一読ください。カッコ内は第何回の記事に書いているかです。 ブルーオーシャンに気付くためのサーベイの重要性(1, 3)イノベーションに対する誤解とデプロイの時代(3)社会的インパクトと長期スパンと面倒な仕事(2, 3)マイルドなカルト (1)挑戦回数の勝負と筋肉の重要性(1, 3)偶然性とリフレーミング(1, 3)エモさと享楽と偶然性(2)やりたいこととやるべきことと気付くこと(2, 3)第三回の最後には以下のようにこの対談をまとめています。 これからはひとりひとりが自分固有のエモさや気付きを軸足にしながら、大量にサーベイできる体力を維持し、マイルドなカルトに賛同してくれる仲間と一緒に挑戦と行動を繰り返
逆説のスタートアップ思考では、スタートアップのアイデアについて「一見不合理なアイデアを選ぶほうが合理的」とまとめています。そのまとめに対してよく受ける質問としては、「合理的に購買の意思決定が行われる B2B 領域で、不合理なスタートアップのアイデアは通じないのでは?」というものがあります。 もちろん、書籍で紹介しているスタートアップの考え方の中で、B2B でそのまま使えない考え方もあるとは思いますが、一部の考え方は使えるのではないかと思います。特に、 面倒な仕事を選ぶ急激に変化する技術を使う誰もが気にしていない問題に気付くという点は、B2B のスタートアップにも使えるのではないのかなと思っています。 1. 面倒な仕事(や難しい仕事)を選ぶ面倒な仕事を選ぶこと、Paul Graham はこれを Schlep Blindness (lionfan さんによる翻訳) と呼び、スタートアップの例と
日本の製造業の敗因に関する本を少し集中的に読んでいました。その中で気になったのが「技術力」という言葉です。 「人間力」という曖昧な言葉が嫌いな人は多いと思いますが、その割に「技術力」「科学力」という言葉はそういう方々もたまに使われているように感じています。たとえば Nature の特集を受けて、日経新聞で「日本の科学力がこの10年で失速」という記事が出ていますが、そこでは自然と科学力という単語が使われています。同様に数々の書籍で「技術力」という単語が多数使われていました。 では実際、技術力という言葉はどのような意味で用いられているのでしょうか。 たとえば、 「日本は技術力では負けていないがビジネスで負けた。例えば鴻海がシャープの最先端の液晶パネルに出資したのが技術力がある証拠」(大意)という議論もあれば、 「企業はビジネスで勝つために技術開発をしているのであり、技術で云々は負け惜しみに過ぎ
若手研究者の方との対談(近々 Web に記事が出る予定)の中で、VR や深層学習、そして IoT、Edge など、様々な技術分野にまたがりながら研究をされているその御方が、どういった方針で技術を採用して研究や実装を進めているかを聞いて、Perez の S カーブを思い出しました。 S カーブを簡単に図示すると以下のようになります。 優れた理論は過去を説明できるだけではなく、未来を予測することの役にも立ちます。そして冒頭に挙げた研究者の方の話を聞いていると、この S カーブは個別要素技術の予測や整理においてもある程度応用できるのかなと思いました(もちろん類似の整理法では Gartner のハイプサイクルもありますが、ちょっと視点が違うので、Perez のほうを使ってみます)。 例えばその研究者の方の技術採用と応用の方針をお伺いすると、それぞれの技術について以下のような判断がなされているようで
イベントで Q&A を受けていると「スタートアップのスケールのノウハウはないのですか?」と聞かれることがあります。正直私もそこまでまとまった資料を見たことがないのですが、紹介する Blitzscaling (CS183C) などの講義などはあります。この記事はそうした参考資料の紹介です。 何はともあれプロダクトマーケットフィットスケールアップの段階はプロダクトマーケットフィット (PMF) を達成した後と言われています。なのでまずは PMF について解説します。 Twitch の創業者である Emmett Shear いわく、プロダクトマーケットフィットに辿り着くまでの仕事は、岩を必死に押しながら山の坂を登るような大変で地道な作業であり、プロダクトマーケットフィットによって山の頂上にたどり着き、そしてプロダクトマーケットフィット後は山の下り坂を転がり落ちていく岩を全力疾走で追いかけるような
世界には様々な問題があり日々ニュースを騒がせていますが、長いスパンで見てみれば世界はここ数十年で急速に良くなっていると捉えることが可能です。 たとえば西暦 0 年から見てみると、GDP は指数関数的にこの百年の間に向上しました。(※横軸は西暦です) これほどまでに急激に世界の環境が良くなっているのは、様々な技術的イノベーションが近年起こっていることが大きな要因を占めているとされています。 振り返ってみれば、かつてのテクノロジの進歩はとてもゆっくりしたものでした。たとえば石斧は 100 万年以上ほとんど変化が起こらなかったと言われています。また Wired の創刊編集長である Kevin Kelley が『テクニウム (What Technology Wahts)』で指摘するように、水車は 1 年に一度も進歩するようなものではなく、鉄の強度が 10 年に一度増すこともなく、トウモロコシの収穫
Y Combinator の Stanford での講義に基づいて作った、「スタートアップの 3 分ピッチテンプレート」では、以下のピッチの構成をお勧めしています。 課題解決策市場規模トラクションユニークな洞察ビジネスモデルチームこの最初に 0. タイトルと、最後に 8. Closing Remarks が入る、というのが一般的で分かりやすいピッチの構成です。 このテンプレートの構成ですが、Airbnb の初期のピッチ資料の構成がうまく対応していたので、それぞれを比較しながらの解説を 5/24 にしてみました。その解説の文字起こしが本記事です。 なお、下記のスライドにより、Airbnb は 2009 年に Sequoia Capital から 6,000 万円の資金調達ができたようです。
昨日発表された、経産省の次官・若手プロジェクトである『不安な個人、立ちすくむ国家』という資料が話題を呼んでいます。危機感が伝わってくる資料で、ここからさらに一歩進んで効果的な経済政策に繋がることを期待しています(微力ながら経済に貢献したいとは思っているので…)。 さて、この資料の最後には「この数年が勝負」「最後のチャンス」という言葉が出てきます。 不安な個人、立ちすくむ国家 p.64(強調は引用者)最後、という言葉は強すぎて好みではないのですが、しかしこの危機感と同じような話を起業家の方と最近したことを思い出します。それは「我々の世代がスタートアップに挑戦できる権利を持つ『最後の世代』になってしまうのでは」という話です。 挑戦には失敗がつきものです。実際、スタートアップの多くは失敗します。そしてその失敗を許せるような余力が残っているのはかろうじて今だけではないか、そして近い将来、この国の多
先日の CVC 向けメトリクス勉強会でも紹介した「The Startup Founder’s Guide to Analytics (スタートアップ創業者のための分析ガイド)」というとても良い記事があります。誰かが訳すかなと思っていたのですが、なかなか訳されないようなので簡単に紹介しておきます。詳しくは元の記事を御覧ください。 現在 Fishtown Analytics の CEO の Tristan は、Squarespace や RJMetrics、Argyle Social などでの分析系の実務経験を経て、現在はシリーズA以降のスタートアップ向けに分析ツールコンサルを行っています。彼はスタートアップの従業員数を軸に以下のフェーズに分け、それぞれのフェーズで必要な分析ツール(あるいは不必要な分析ツール)を紹介しています。 0–10 人10–20 人20–50 人50–150 人150–
https://www.bloomberg.com/news/articles/2016-06-09/life-in-the-people-s-republic-of-wechat昨年末には北京大学、そして深圳の清華大学深圳校を訪問しましたが、スタートアップの育成システムという意味では、今回訪問した北京の清華大学の仕組みが印象的だったので今回は清華大学について書いておきます。 清華大学とスタートアップEconomist の記事によれば、2016 年の国際特許の出願数は深圳が一番ですが、ついで北京が 2 番目の位置を付けています。 そんな北京の技術系スタートアップの中心となっているのが清華大学です。 http://www.economist.com/news/special-report/21720076-copycats-are-out-innovators-are-shenzhen-ho
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